もくじ

ニュースと活動報告

活動方針

組織について・入会案内

歯の健康情報と外部リンク

見出し

NEWS(2018.12.8)
会員活動のご報告


NEWS(2018.11.11)
第88回会員研修会開催のご報告


NEWS(2018.11.10)
第40回むし歯予防全国大会のご報告


NEWS(2018.6.30)
第87回 会員研修会(シンポジウム)のご報告


NEWS(2018.5.20)
第67回日本口腔衛生学会・総会 報告のご報告


NEWS(2018.5.1)
平成30年度総会記念講演会のご報告


NEWS(2018.3.1)
第86回会員研修会のご報告


NEWS(2018.3.1)
子どものむし歯予防講演会~フッ化物でむし歯ゼロを目指して~のご報告


NEWS(2018.1.1)
道民公開講座のご報告


NEWS(2018.1.1)
第86回会員研修会報告のご報告


NEWS(2017.10.1)
会員の活動報告


NEWS(2017.10.1)
第85回会員研修会報告のご報告


NEWS(2017.5.1)
第34回定時総会記念講演会のご報告


NEWS(2017.5.1)
第34回定時総会のご報告


NEWS(2017.5.1)
第84回会員研修会のご報告


NEWS(2016.12.27)
道民公開講座「8020歯ッぴーフォーラムin札幌」のご報告


NEWS(2016.10.01)
道民公開講座「8020歯ッぴーフォーラムin札幌」のおしらせ


NEWS(2016.9.1)
第83回会員研修会のご報告


NEWS(2016.6.4)
第83回会員研修会のお知らせ


NEWS(2016.5.14)
第33回定時総会記念講演会のご報告


NEWS(2016.3.22)
第33回定時総会記念講演会のお知らせ


NEWS(2016.2.27)
第82回会員研修会のご報告


NEWS(2015.11.22)
道民公開講座のご報告


NEWS(2015.11.22)
第81回会員研修会のご報告


NEWS(2015.10.2)
道民公開講座のお知らせ


NEWS(2015.9.26)
第81回会員研修会のお知らせ


NEWS(2015.8.25)
第68回北海道歯科学術大会ワークショップのご報告


NEWS(2015.5.22)
第32回定時総会記念シンポジウムのご報告


NEWS(2015.3.8)
第32回定時総会記念シンポジウムのお知らせ


NEWS(2015.3.8)
講演会のご報告


NEWS(2015.1.20)
講演会のお知らせ


NEWS(2014.12.211)
道民公開講座のご報告


NEWS(2014.11.27)
研修会のご報告


NEWS(2014.9.29)
道民公開講座のお知らせ


NEWS(2014.9.29)
第5回北海道口腔保健学会総会・学術総会のお知らせ


NEWS(2014.9.29)
研修会のお知らせ


NEWS(2014.6.9)
設立30周年記念特別講演会のご報告


NEWS(2014.3.10)
設立30周年記念特別講演会開催のご案内


NEWS(2014.2.10)
道民公開講座のご報告


NEWS(2014.1.6)
道民公開講座のご案内


NEWS(2013.10.21)
会員研修会のご報告


NEWS(2013.10.3)
会員研修会のお知らせ


NEWS(2013.09.15)
恵庭市の小学校でフッ化物洗口が開始!


NEWS(2013.8.7)
会員研修会のご報告


NEWS(2013.7.13)
会員研修会のお知らせ


NEWS(2013.4.20)
定時総会時記念講演会のご報告


NEWS(2013.3.9)
定時総会時記念講演会のご案内


NEWS(2013.2.25)
主催研修会のご報告


NEWS(2013.2.20)
水道水フロリデーション研修のお知らせ


NEWS(2013.1.29)
主催研修会のお知らせ


NEWS(2013.1.10)
道民公開講座のご報告


NEWS(2012.11.13)
道民公開講座のご案内


NEWS(2012.11.06)
会員研修会の開催のご報告


NEWS(2012.10.05)
第3回北海道口腔保険学会総会・学術大会のご案内


NEWS(2012.9.25)
会員研修会のご案内


NEWS(2012.8.28)
フッ化物洗口ワークショップのご報告


NEWS(2012.7.21)
会員研修会のご報告


NEWS(2012.7.15)
健康安全局による資料のご案内


NEWS(2012.7.1)
会員研修会のご案内


NEWS(2012.6.8)
道民公開講座のご報告


NEWS(2012.3.20)
会員研修会の報告


NEWS(2012.1.26)
8020推進条例の報告のご紹介


NEWS(2011.11.19)
会員研修会のご案内のご案内


NEWS(2011.11.19)
第72回会員研修会の報告


NEWS(2011.10.21)
第72回会員研修会のお知らせ


NEWS(2011.2.23)
日弁連意見書について


NEWS(2011.1.31)
道民公開講座のお知らせ


会員研修会(2010.11.13)
斉藤仁先生 会員研修会(2009年11月13日)報告便り


NEWS(2010.9.10)
第34回むし歯予防全国大会ついて


NEWS(2010.3.30)
愛知県におけるフッ化物洗口実践の評価について


NEWS(2009.12.20)
平成21年6月16日の道議会本会議について


会員研修会(2009.10.25)
中村譲治先生 会員研修会(2009年10月25日)報告便り


NEWS(2009.9.8)
地方自治体オリジナルのフッ化応用マニュアルについて


NEWS(2009.8.26)
登別市と千歳市のフッ化物洗口導入までの経過について


NEWS(2009.8.13)
佐賀県掛園先生より情報提供です


NEWS(2009.8.12)
平成21年3月18日の道議会本会議について(続報)


NEWS(2009.8.6)
ヘルスプロモーションの伝道師にして予防歯科のカリスマ 中村譲冶先生の講演会のお知らせ


NEWS(2009.8.6)
滋賀県フッ化物洗口実施マニュアルについて


NEWS(2009.8.6)
「第73回 全国学校歯科保健研究大会 2009京都」について


NEWS(2009.8.5)
佐賀県の掛園先生より情報提供です


NEWS(2009.8.4)
「デンタルタイムス21」より


NEWS(2009.8.4)
伊達市フッ化物洗口導入までの経過について


NEWS(2009.7.28)
北海道歯・口腔の健康づくり8020推進条例案の関連資料について


NEWS(2009.6.30)
北海道歯・口腔の健康づくり8020推進条例案の修正議決!


NEWS(2009.4.2)
H20 No.5 事務局だより


NEWS(2009.3.30)
平成21年3月18日の道議会本会議について


会員研修会(2009.2.24)
斎藤亮先生 会員研修会(2009年2月28日)報告便り


NEWS(2009.1.14)
斎藤亮先生 会員研修会のお知らせ


会員研修会(2008.11.08)
「ここだったら行きたい!ここで働くのは楽しい♪〜予防をスタンダードに〜」


NEWS(2008.10.22)
フロリデーションについてのシステマティックレビュー


NEWS(2008.10.21)
ヘルスプロモーションの雄、予防の達人 築山先生 岩見沢にて講演!


NEWS(2008.10.20)
「第32回むし歯予防全国大会 in 大分」のお知らせ


NEWS(2008.10.18)
2008年の集団応用フッ化物洗口実態調査確定値の公表


NEWS(2008.9.20)
ヘルスプロモーションの雄、予防の達人 築山先生 岩見沢にて講演!


NEWS(2008.8.25)
新潟県歯科保健推進条例が県議会で可決


会員研修会(2008.7.6)
「食育」のススメ〜心と体の健全な発育のために〜


NEWS(2008. 5.15)
北海道 集団フッ化物洗口施設191、10,510人に


NEWS (2008. 5.13)
京都市の180の全小学校でフッ化物洗口


道民公開講座(2008.4.26)
子供の笑顔を守ろうー8020は子供の笑顔から


NEWS (2008. 3.28)
佐賀県の掛園先生からのメールです。


会員研修会(2008.2.23)
人はなぜ虫歯や病気になるのか〜健康の社会的決定要因の視点から考える〜


NEWS(2008. 2.22)
秋田県のフッ化物洗口 134施設 7,736名まで増加


NEWS(2008. 2.16)
日本口腔衛生学会北海道地方会開催


NEWS(2008. 2.13)
日本むし歯予防フッ素推進会議からの情報では、第32回むし歯予防全国大会が決定いたしました。


NEWS(2007.12.26)
羽越線事故2年 秋田県職員しのぶCD、共に活動した歯科医ら


NEWS(2007.11.23)
第31回むし歯予防全国大会 in 沖縄


会員研修会(2007.11.3)
ここまで来た! 学校歯科保健最前線


NEWS(2007.9.15)
フッ素入りガム:キシリッシュプラスエフ:明治製菓について


NEWS(2007.8.31)
8020と医療費との関連調査<集計結果速報> 北海道歯科医師会情報
8020達成は健康の増進・維持に大きな効果があると立証!


NEWS(2007.8.25)
フッ素洗口推進研修会 8月24日秋田市


NEWS (2007.8.11)
第59回「保健文化賞」に学校におけるフッ化物洗口
新潟大学大学院医歯学総合研究科口腔健康科学講座予防歯科学分野


NEWS (2007.8.3)
参議院選挙で自民党・民主党から歯科医師の議員
国民の視点で、今後の歯科保健の進展に貢献されることを期待いたします。


道民公開講座(2007.6.30)
超満員の200名が熱心に討論


NEWS (2007.6.14)
泉田新潟県知事のメールマガジン第84号(2007年6月8日)


NEWS (2007.6.8)
食品からでは、米やパンからフッ素の摂取が多い


NEWS (2007.6.7)
新潟、フッ素で虫歯最少県


NEWS (2007.6.4)の解説
むし歯予防の「無機のフッ素」と「有機のフッ素」は無関係


NEWS (2007.5.8)
WHO (2003年・世界保健機関)が砂糖とむし歯との関係で報告
フッ化物を使用で、砂糖を摂取してもむし歯になり難い


道民公開講座(2007.4.21)
効果的なむし歯と口臭の予防


定時総会(2007.4.21)
4月21日 第24回 定時総会が開催されました。


NEWS (2007.3.22)
フッ素洗口推進に関するシンポジウム3月22日秋田市


会員研修会(2007.2.24)
第59回 瀧口徹先生講演する!!


NEWS(2007.2.27)
NHK 「ほっからんど北海道」に川原副会長出演


会員研修会(2006.9.30)
2006年9月30日平成18年度 第2回会員研修会
松本千明先生「健康に関する行動変容の考え方と現場への応用」


会員研修会(2006.6.17)
2006年6月17日平成18年度 第1回会員研修会 八若保孝教授

北海道子供の歯を守る会 旧公式ウェブサイト

世界保健機関(WHO)、国際歯科学会(FDI)と共に歩み
水道水フッ化物調整むし歯予防法(フロリデーション)、フッ化物洗口を推進する
北海道子供の歯を守る会旧公式ウェブサイトへようこそ!
新公式ウェブサイトはこちらです

このサイトでは、北海道子供の歯を守る会の
 ・ニュースと活動報告、今後の予定
 ・活動方針
 ・組織について、入会案内
 ・歯の健康情報と外部リンク
などを公開しております

ニュースと活動報告

こちらには、ニュースと活動報告、今度の予定・予告などがあります。設立(1984年)から2006年までの歩みについては組織についてをご覧ください。

NEWS(2018.12.8)
会員活動のご報告

■平成30年12月8日(土)本会副会長の兼平 孝先生が大会長の第9回北海道口腔保健学会 総会・学術大会が北海道大学学術交流会館で開催されました。 「う蝕減少時代、欠損歯補綴減少時代の歯科のあり方」でシンポジウム、一般口演9題が発表されました。一般口演では本会会員の畑 良明先生が「北海道における乳幼児のう蝕推移と格差」で発表なさいました。

NEWS(2018.11.11)
第88回会員研修会開催のご報告

平成30年11月11日 市民活動プラザ星2F大会議室で会員研修会が開催されました。基調講演にも会員23名を含む59名が参加しました。午前は「生物進化からみる現代病ー今の子どもは保健課題が山積ーと題した基調講演、午後は、昨年に引き続き「達人」と「ひよっこ」が一緒に「これからの予防」について意見交換する予防塾と盛りだくさんの1日でした。

基調講演では元稚内保健所医療参事でいらした和田聖一先生から「生物進化」という切り口で現代の子供の健康課題のお話がありました。先生のお話は「達人」には、これまでの思考回路に一石を投じ、「ひよっこ」にはちょっと難しいが、自分のこれからの食生活や育児を考える時に大切な情報と受け止めたようです。参加できなかった会員の皆様、先生の「まとめスライド」を参考にしてください。

和田先生のまとめより
■ヒトが進化の過程で変えた社会・環境などから新たな進化圧を受け、ミスマッチ現象としてヒトを悩ましている時代
■学童期以降では、不正咬合、口の閉まらない児(口呼吸)、顎の退行、ガミースマイル等、顎・顔面の様々な退行現象が着実に進行している
■乳児・幼児では、母乳の授乳の短縮化、指しゃぶり行動、成長と食べる機能発達とのミスマッチ、栄養を優先した過調理食事(雑食性の喪失)、おかしな食べ方をする幼児の増加、排便習慣の乱れ、早期の甘味物摂取によるむし歯の誘など、保健課題が山積
■これからの病を引き起こす環境要因をそのまま次世代に伝え、病気が蔓延したり悪化することに任せ、何世代にも渡り生じるフィードバックループ(病気が悪くなる、更なる不具合が出る状況)となっている。(幼児のむし歯と親の喫煙、遅い起床就寝などなど)
■祖父母は「ヒトの生き残り」に大きな役割(子育て)を果たしたとされるが、孫たちへの甘味物・甘味飲料の配給役となり、負のフィードバックループ(むし歯のリスク因子)を担う損な役回りとなってしまった
■今後、子供たちを含め、体の不具合が、いつ、どこに、どのように現れるか予想はできませんが、「子供は行動・態度で不都合な状況を訴える」ことに着目することが課題抽出のヒントです

午後からは予防塾です。
「ひよっこ」×「達人」が混じった8つのグループがグループワークを行いました。
歯科衛生士養成校や大学歯学部の学生さん(ひよっこ)と会員(達人)は真剣にグループワーク、会場は昨年よりは人数が少ないとはいえ、若さと熱気に変わりはありません!

・・・企画1 コミュニケーショントレーニング(自己紹介)・・・ 

吉田学園医療歯科専門学校歯科衛生学科の学生さんが作成してくれたビデオに出演していただいた3人の健康法を聞き、それに関するクイズに答えます。全問正解のグループはありませんでしたが、トップのグループには塾長の阿部先生から“豪華”百均景品が授与されました。

(学生力作のビデオ)         (真剣!)       (塾長の阿部先生)

・・・企画2 グループワーク・発表・・・

2世帯住宅(1階には糖尿病のおばあちゃん)に住む4歳の保育園児、北海まりもちゃんと共稼ぎで忙しいお母さんが、奥歯に 白濁を発見して「子どもの歯を守る診療室」を訪れます。治療には至りませんでしたが、これからを考え、歯科衛生士に生活指導が指示されたという設定です。

「よりよい生活習慣指導は何か」をテーマにグループワークですが、ワーク前には北海道大学大学院歯学研究科口腔機能学講座小児・障害者歯科学教室の八若先生からグループワークの進め方について説明もありました。

(熱演の劇団予防塾)

いよいよ本番!
熱心なグループワーク風景(全グル―プ掲載できず申し訳ありません)

各グループ、生活背景を色々な切り口で検討した発表です。歯科衛生士の指導をセリフにして、寸劇で再現されました(下の写真の中の矢印の方がグループ代表で発表)時間の関係で全グループ発表できなかったのが残念でした。

・・・講 評・・・ 
最後は4人の先生から講評を頂きました。

福田先生
八若先生
千葉先生
和田先生
守る会会員にとっては、昨年に引き続き、未来の歯科保健医療を担う人材と交流できる貴重な機会となっています。       
                      (文責:広報部 今村)

NEWS(2018.11.10)
第40回むし歯予防全国大会のご報告

第40回むし歯予防全国大会が11月10日に「健康歯援」と題して宮崎県の宮崎県歯科医師会館で開かれました。北海道よりも10度以上暖かく、会場は満席の事もあり冷房も入るほどでした。

基調講演として東京歯科大学の眞木教授から「健康格差のない地域づくりを目指したフッ化物応用の科学的な考え方」と題してお話を聞きました。フッ化物を用いる事で誰でもどこででも平等にむし歯を減らせる事が科学的に証明されており、幼少期からのフッ化物利用が拡がって欲しいと話されました。

次は宮崎県の各地のフッ化物応用やその実施についての報告が行なわれました。特に延岡保健所の瀧口先生からはフッ化物洗口を拡げるには地域の歯科医師会、行政が一体になり、正しい情報を提供して学校関係者、地域の父兄に理解して頂けると話されました。瀧口先生が関わった地域では100%フッ素洗口が実施されたとも話されました。地域に拡げるにはやはりキーマンになる人の必要性を感じました。そして最後にフッ化物洗口の拡大には歯科医師会は全面的にバックアップすると話があり、4時間を超える研修会が終了しました。

研修会後はホテルに場所を移し宮崎県の名物をつまみながら懇親を深めました。今年は11月9日に秋田市での開催を予定しています。
(報告 日本フッ化物むし歯予防協会 副会長 安彦 良一 記)

NEWS(2018.6.30)
第87回 会員研修会(シンポジウム)のご報告

平成30年6月30日(土)ANAクラウンプラザホテルにて第87回会員研修会が開催されました。「北海道のフッ化物洗口の今」~北海道歯・口腔の健康づくり8020推進条例制定9年を経過して~と題し以下の次第で行われました。予想を上回る(?)60名の参加者で会場は満席となりました。当日は会員だけではなく、札幌市議会議員、江別市議会議員、多くの行政担当者の皆様も参加して下さり、フッ化物洗口に対する関心の高さとともに、すでにフッ化物を実施している地区の会員の皆様からは、フッ化物洗口実施迄の思いと実績に基づく自信が語られ「熱い」研修会となりました。

基調講演1 「フッ化物洗口をする側とさせる側の問題点」
    北海道医療大学歯学部教授 千葉逸朗 先生
基調講演2 「北海道における小児むし歯予防対策について」
      北海道保健福祉部 主任技師 高橋 収 先生

パネルディスカッション
      「フッ化物洗口を広めるための具体策!」
   コーディネーター:北海道子供の歯を守る会 会長 安彦 良一 先生
   パネリスト:千葉 逸朗 先生、高橋 収 先生、角谷 隆司 先生(北海道議会議員)
         青木 秀志 先生(北海道歯科医師会常務理事)

満員の会場
満員の会場
パネルディスカッションの様子
パネルディスカッションの様子

基調講演に続くシンポジウムでは、道議会議員の角谷先生から「北海道歯・口腔の健康づくり8020推進条例」制定当時の苦労話、北海道歯科医師会常務理事の青木先生からは道内のフッ素洗口推進に向けての現状と問題点について語っていただきました。

角谷 隆司 先生
角谷 隆司 先生

青木 秀志 先生(中央)
青木 秀志 先生(中央)

基調講演1 フッ化物洗口をする側とさせる側の問題点
      北海道医療大学歯学部 千葉 逸朗
フッ化物洗口を普及させるための障壁となる事項について概説し、その打開策を提言した。

フッ化物洗口を「させる」側(歯科医師、行政)の問題点:
多くのエビデンスがあるにもかかわらず、歯科医師自身が知識不足や誤解があったり、関係者とコミュニケーションが取れず、日常の診療に明け暮れている例が見られる。また、行政側も反対派に遠慮しているのか、道の条例があるにもかかわらず動きが鈍い場合がある。幼稚園、保育園への普及だけで満足していないだろうか。6歳臼歯を守るためには、特に小学校への普及が喫緊の課題である。また、実施した結果を評価する場合、学校での歯科検診のデータがベースになるが、そのデータの信頼度が問題である。歯科検診の環境改善、歯科医師間のキャリブレーション、スタッフ教育、養護教諭との連携など、データの正確性を高めるような対策を行うべきである。

洗口を「する」側(学校、家庭)の問題点:
一方、学校側にも問題点がある。専門家の話に耳を傾けようとせず、「何でも反対」する場合がある。残念ながらそのような状況ではフッ素に関する知識の集積は期待できず、「知らない」ことによる恐怖が発生する。先生方も多忙であることは理解できるが、子供の健康にもっと関心を寄せるべきである。保護者は子供たちの健康を誰よりも願っていることを忘れてはならない。

重要なポイント:
しかしながら、家庭の置かれた環境(経済的状況、教育レベルなど)によって子供たちの口腔保健状況が異なることが明らかになってきている。歯科関係者は「地域の健康格差」について知るべきであり、フッ化物洗口がこのような状況を打破する有効な手段であることを自らアピールし、行政を動かし、トップダウンで推進することによって、子供たちが「努力しなくても健康を享受できる」社会システムを確立することが可能となる。
幸い、今回のシンポジウムに札幌市議、江別市議の方々をはじめ多くの行政担当者が参加して下さり、今後のフッ化物洗口の普及のための大きな推進力となって頂けることを期待する。

基調講演2 北海道における小児のむし歯予防対策
      北海道保健福祉部健康安全局地域保健課健康づくりグループ 主任技師 髙橋 収

北海道と全国の歯科保健の状況について整理したうえで、北海道の歯科保健施策を説明した。

北海道と全国の歯科保健の状況:
むし歯が従前よりも減少していることは事実であるが、いまだに歯を失う主な原因の一つであり、北海道においては、全国よりもむし歯が多いことと地域間格差の存在が課題となっている。
※道内で12歳児の永久歯1人平均むし歯数(DMFT)が最少の上川教育局管内(0.86本:H29)でも全国平均(0.82本:H29)より多いうえに、渡島・日高管内では2本を超えている。

小児のむし歯予防対策:
道では、平成21年6月公布・施行の「北海道歯・口腔の健康づくり8020推進条例」と、条例に基づき策定した「北海道歯科保健医療推進計画」の下、平成22年度から「フッ化物洗口普及事業」を展開した。この事業では、普及啓発支援としてリーフレット・ガイドブック・DVDの作成等を行い、導入促進支援としてモデル地域・施設指定~説明会・研修の実施及び研修で使用した器材・薬剤の提供を行った。平成25年度からは「フッ化物洗口普及支援事業」に継承している。各関係者の御尽力により、平成29年度末には174市町村まで増加したものの、自治体内の保育所・幼稚園等~中学校までの全施設で実施されている市町村は46に留まっており、フッ化物洗口を希望する家庭の子どもが切れ目なく参加できる体制の整備に向け、施設数の拡大に取り組む必要がある。

近年、フッ化物洗口の効果に関する質問(道外のデータだけでなく道内のデータはあるか?最近のデータはあるか?)を受ける機会が増えた。道では、学識経験者等から構成される調査班を道内複数の市町村に派遣し、調査研究を行っている。一例として、中学生を対象に「小学校での洗口経験の有無」で比較したところ、中間評価ではあるが、経験群では非経験群と比較してDMFTが半減している等のデータが得られている。

フッ化物洗口も含めて、むし歯を完全に予防する手段は存在しない。各手段の効果と限界を理解し、できる限り予防効果を高めることが肝要である。守る会会員、特に専門職の方々には、会の研修会等を通じて、常に最新の知見を得るよう努め、道民の皆様にお伝えくださるようお願い申し上げる。

NEWS(2018.5.20)
第67回 日本口腔衛生学会・総会 報告のご報告

第67回日本口腔衛生学会・総会が、平成30年5月18日(金)~20日(日)の3日間にわたり札幌市教育文化会館にて開催されました。北海道での開催は、平成12年秋の第49回総会以来となりました。

北海道医療大学歯学部保健衛生学分野の千葉逸朗教授が学会長を務められ、「Oral Health for All(すべての人の口を健康に)」をテーマに、800名を超える参加者が各ブースに集い、熱気のある発表、意見交換が繰り広げられました。

学会プログラムは、プロスキーヤーの三浦雄一郎氏を講師に迎えた市民公開講座をはじめ、特別講演2題、学会賞受賞講演2題、シンポジウム8題、ミニシンポジウム4題、一般講演(口演、ポスター及び学生ポスター)156題、ランチョンセミナー5題に加え、新たにモーニングセッション2題というボリウムたっぷりの充実した構成となっていました。また、20日午後に設けられた「癒しの時間」(札響バイオリニストを含む豪華な面々によるピアノと弦楽器のアンサンブル)もかなり好評であったようです。

私自身は、18日と19日の2日間のみの参加でしたが、米山武義先生のお話に始まり、地域の具体的な取組事例を交え、多職種連携による今後の口腔ケアのあり方が議論されたシンポジウム1や相田潤先生の学会賞受賞講演が印象的でした。また、18日に開催されたミニシンポジウムも演者と参加者の距離が近く、活発な議論が展開されていたと思います。

今回の総会は、雨が降ったり止んだりとお天気にはあまり恵まれない3日間でしたが、その分、全国から参集された参加者の皆さまは学会に集中できたのでは!?とも思ってしまった、今回の総会でした。大会運営に携わられた先生方におかれましては、大変お疲れ様でした。次回第68回の開催地は、神奈川県(学会長は鶴見大学の花田信弘教授)とのことです。
(文責:広報部 新里)

NEWS(2018.5.1)
平成30年度総会記念講演会のご報告

【平成30年度総会記念講演会 報告】
小児在宅歯科医療の実際〜医療的ケア児の在宅生活を支援する多職種協働〜
講師:高井理人 先生 医療法人稲生会 生涯医療クリニックさっぽろ
日時:平成30年4月21日 16時〜17時30分
会場:北海道歯科医師会館 視聴覚室
参加人数:40名

平成30年度の保険改定で、小児在宅歯科医療の保険点数が新設されました。項目としては小児在宅患者訪問口腔リハビリテーション指導管理料です。小児に対する歯科訪問診療の件数は全体としてはまだ少ないものの、ニーズは一定数あることが高井先生の研究で明らかになっており、その研究も今回の改定の根拠の一つとなっています。小児に対する歯科訪問治療のニーズを調査した結果、口腔ケア、歯の萌出に関する問題、歯石沈着など多岐に渡っていた。また、すべての患者に口腔清掃指導が必要であり、摂食機能療法や歯石除去などが行われていた。このようなニーズの増加には、医療的ケア児が増加していることが関係している。医療的ケア児は平成28年の児童福祉法の改正により、初めて法律に明記された。医療的ケア児は10年で約2倍になっており、今後も増加していくと考えられる。在宅医療の対象となる小児の特徴としては、医療依存度が高い、成長にしたがって病態が変化していく、本人とのコミュニケーションが困難なことが多い、などが挙げられ、小児在宅歯科医療を行ううえで考慮する必要がある。そのような中、高井先生の勤務されている生涯医療クリニックさっぽろでは、北海道小児等在宅医療連携拠点事業YeLL[いぇーる]を担っている。

実際に高井先生が行われている訪問歯科での対応としては、口腔ケア指導や摂食機能療法、歯石除去、乳歯抜去、フッ化物塗布を主に行われているとのことでした。訪問診療で対応できない内容については病院歯科へ依頼されており、訪問歯科診療の継続性としては82%の方が継続利用されているとのこと。

小児在宅医療の必要性は歯科・医科ともに高まっており、通院が困難な小児患者の継続的な受診手段として有効である。一方で、在宅重症児は医療依存度が高く、主治医との情報共有や、病院歯科との連携が必要となってくる。さらに多職種でのアプローチが有効であるとされていました。
(報告 中村 光一 記)

講演後の質疑応答では、熱心な参加者から多くの質問がありました。先生の今後のご活躍に目が離せません。

NEWS(2018.3.1)
第86回会員研修会のご報告

【第86回 会員研修会報告】
 平成30年2月24日(土)北海道大学学術交流会館で、私たちが日常生活で頻繁に口にしている「食」に関する2題の講演会が開催されました。約50人の参加をいただきました。簡単ですが内容をご紹介させていただきます。

■講演1「子どもの食物アレルギー」
    講 師:わたなべ小児科・アレルギー科(札幌市手稲区) 渡辺 徹 先生

 食物アレルギーとは、「食物によって引き起こされる抗原特異的な免疫学的機序を介して生体にとって不利益な症状が惹起される現象」をいいます。そして、近年のトピックとして
①食物アレルギーは「食べなくても」「経皮的に感作ー皮膚からの吸収」でも起こるといわれている
②2016年の食物アレルギーガイドラインによると、子どもの食物アレルギーについて、原因である食べ物をすべて除去するのではなく、「可能な範囲で摂取することを目指す方針」へと大きく変わっている。その他に基本的な知識として
③食物アレルギー患者への投与禁忌の医療用医薬品について
④エピペンについて
⑤食物アレルゲン表示の表示義務(特に発症数、重篤度から考えて表示する必要性が高いもの)は
 卵、乳、小麦、落花生、えび、そば、かに である 等 
食物アレルギーについて学び直すことができました。

■講演2「代替甘味料について」
    講 師:北海道大学大学院歯学研究院予防歯科学教室 兼平 孝 先生
                   
 代替甘味料は歯科では①非う蝕性=齲蝕にならない②低う蝕性=う蝕の原因になりにくい③抗う蝕性= 砂糖と一緒に摂っても砂糖のう蝕性を抑えてくれるといった働きが求めれれる甘味料である。不溶性グルカンの基質にならない、酸産生基質にならないことである。
 代替甘味料は大きく糖質系甘味料(スクラロース、パラチノース、オリゴ糖、糖アルコール、等)と非糖質系甘味料(サッカリン、アスパルテーム、グリチルリチン、ステビア、等)に分けられるが、それぞれの代表的甘味料について、先生が恐縮されていた化学式、無益回路なども含め詳しく説明していただきました。時代ととも「勝ち組」の代替甘味料や「負け組」の甘味料があることも興味深く聞かせていただきました。
 場の質問で「シュガーレス」(むし歯にならない)と「ノンシュガー」(砂糖は入っていない)の使い分けがについて質問がありましたが、1980年以来同じ意味で使っていいという回答がありました。
                                  (広報 今村 記)

NEWS(2018.3.1)
子どものむし歯予防講演会~フッ化物でむし歯ゼロを目指して~のご報告

【研修会参加報告】
 子どものむし歯予防講演会~フッ化物でむし歯ゼロを目指して~  報告
 平成30年3月10日(土)函館「花びしホテル」において表記講演会が開催されました。
「北海道歯科医師会」、「函館歯科医師会」主催、「北海道子供の歯を守る会」と「北海道歯科衛生士会」が後援しました。

 当日は80名(学校関係者は45名)の参加、函館市では来年度から全市の小学校でのフッ化物洗口が予定されており、熱心な学校関係者の姿が目立ちました。

<講演1>では渡島保健所の丹下貴司先生(本会理事)が
「北海道および道南地域におけるフッ化物洗口の普及状況について」との演題での講演。
 北海道の歯科保健の現状は、北海道自体が全国と比較してむし歯が多いが、その中でも道南地区は全道平均を下回わっっているとの残念な報告がありました。
「北海道歯・口腔の健康づくり8020推進条例」の事、フッ化物洗口の予防効果、実施例などの報告の後、「地域の将来を担う子供たちの健康づくりのために、今後ともフッ化物洗口へのご理解とご協力をお願いします」との言葉で講演を締めくくられました。

<講演2>では七飯町で開業されている鍋谷大史先生が
「大沼小学校でのフッ化物洗口の実際について」との演題で講演。
 2年前より始まった大沼小学校でのフッ化物洗口の実際について、スライドを提示しながら、思ってた以上に負担は少ない、今後始められる函館市の小学校の関係者に安心して取り組んでほしいと説明されました。短い期間でまだ成果はわからないが今後を楽しみにしているとの事です。
<基調講演>では鶴見大学歯学部地域歯科保健学 教授 鶴本明久教授が、
「超高齢社会におけるフッ化物応用」~幼児期からの予防戦略の重要性~との演題で講演。

1.8020運動の重要性
8020達成者は、なんでも噛め、運動能力が高く、自立度が高い、全体的な医療費が低いなどの特徴を持っている。咀嚼により海馬が活性化され、アルツハイマー認知症にもなりにくいなど豊富なデーターをもとに説明されました。歯を失う原因のむし歯は破折(失活歯に多い)まで入れると44%で、8020を達成するためには子供の頃からのむし歯予防が必要です。そのためにはフッ化物の応用は欠かせないと強調されました。

2.フッ化物応用のエビデンス
米国保健医療省へ提出されたガイドラインをもとにフッ化物の応用がむし歯予防のエビデンスが高いことを紹介。新潟県でのフッ化物洗口の取り組みを紹介されました。フッ化物配合歯磨剤の市場占有率の増加とともに12歳DMFが減少していることから、歯磨剤の効果は明らかではあるが、歯磨剤だけでは効果が弱く、フッ化物洗口が必要であると述べられました。

3.フッ化物応用の安全性
インターネットで検索するとたくさんの怪しげな健康被害が出てくるが、根も葉もないことで、またこれはフロリデーションに関することで、局所応用では全く心配ないことを強調されました。WHO,NIH,ヨーク大学等のEBM研究で(骨折、癌、ダウン症、認知症、IQレベルの低下などは)すべて否定されてます。
 WHOや国際連合食料農業機関(FAO)はフッ化物を必須栄養素と位置付けています。これはカルシュウムなどと同じで多すぎても、少なすぎても健康問題になるとの事です。

 講演会を聞き終えた学校関係者からは、「安全性について危惧があったが安心した」、
 「自信をもって進めることが出来そうだ」との感想がありました。
                              「樋口 俊夫記」

NEWS(2018.1.1)
道民公開講座のご報告

■平成29年度道民公開講座報告
「さらば、歯医者さん!ガッテン流 自宅でむし歯を治す法!」
~おいしく食べてもやせちゃう法 糖尿病予防も!!~&インチキダイエットの見破り方~
講師:北折一 先生 元NHK「ためしてガッテン」専任ディレクター、消費生活アドバイザー
日時:11月12日(日曜日) 10時30分〜12時
会場:札幌市教育文化会館305研修室

 当日は、本会会員を含む141名にご参加をいただき北折先生の軽妙で仕掛けのある語り口に引き込まれながらも巷にあふれる健康情報に対するリテラシーを鍛えられ、瞬く間に1時間30分が終了しました。

[ 講演要旨 ]
①クイズ!食と健康のウソ・ホント
②これがガッテン流!おいしさのコツ・健康のコツは「常識」の再点検
③食育食育!「カラダにいいから食べましょう」はやめましょう
④ではいよいよ‼︎ おいしく食べて太らないコツ、教えます
脅威の効果‼︎「(自分の体重を)計るだけダイエット」
⑤さらば‼︎…って、どゆこと?さよなら歯医者さん???
歯から全身疾患へ ホームケアとかかりつけ歯科衛生士さんで歯を残す
⑥最後に〜幸せな人生を送る簡単な方法について‥
寝たきりからの生還〜「噛む」機能の大切さ

さすが元テレビ局のディレクターだけあって視聴者が自ら情報を得たいと踏み込んで来させる仕掛けが一杯でした。ただ「〜なってしまうから〜しましょう」では私たちが伝えたい情報を受け取ってくれないので、別視点から戦略を持って相手の隠れた欲求を刺激するのが有効だと教えていただきました。
(文責:広報部 矢口)

NEWS(2018.1.1)
第86回会員研修会報告のご報告

■平成29年度北海道子供の歯を守る会 会員研修会報告
 「予防塾 達人×ひよっこ のしゃべり場」
 日時:平成29年11月12日(日)13時~15時
 会場:札幌市教育文化会館3階 305研修室

平成29年11月12日(日)、札幌市教育文化会館にて研修会「予防塾 達人×ひよっこ のしゃべり場」が開催されました。歯科衛生士養成校や大学歯学部の学生さんを中心に、100名を超える参加者が守る会会員とともに真剣にグループワークに取り組み、会場は若さと熱気に包まれました!

守る会会員にとっては、未来の歯科保健医療を担う人材と思う存分交流できる機会となったのではないでしょうか?!

・・・コミュニケーショントレーニング(自己紹介)・・・ 

 参加者はA~Jの10グループ(各グループ10名程度)に分かれ、各グループの進行係を守る会会員が担当しました。はじめにグループ内で自己紹介を行った後、
①「子どもの歯をむし歯にしない効果的な方法」
②「あなたが働きたい診療室で1番重要なことは?」
③「あなたが目標とする歯科医師・歯科衛生士像は」の

4つの設問にそれぞれが取り組み、グループ毎に回答をまとめて発表しました。同じ設問を実際に学校現場に おいて実施したアンケート調査結果との比較では、結果がもっとも一致したグループでも4問中2問に留まるなど、参加者からは驚きの声が聞かれました。
ちなみにアンケート調査では、①は「プラークコントロール」、②は「人間関係」、③が「歯科医師:的確な治療ができる、歯科衛生士:患者対応が上手い」が1番に挙げられた事項であったとのことでした。

・・・グループワーク・発表・・・
ここからが予防塾の本番です。劇団予防塾のベテラン塾生が、歯科医療従事者役と親子役とに分かれ、「定期歯科健診として歯科医を訪れ、新たにむし歯が発見された」シーンを想定しコミカルな寸劇を繰り広げ、参加者の皆さんは迫真の演技に吸い込まれました。劇を堪能した後は、早速「定期健診時までに子供にむし歯ができた1番の理由は何か?」をテーマに、約1時間にわたる濃密なグループワークに取り組みました。ワーク結果発表では、1番の理由として「患者への知識、情報の提供不足(説明不足)」を挙げたグループが4グループと最も多い結果となりました。その他の内容としては、「食生活」「信頼関係」「スタッフの連携不足」「責任」が挙げられていました。

・・・講 評・・・ 
 グループワーク後には、アツく語り合った参加者に対し、北海道医療大学の福田先生から、わかりやすいスライドを交え、グループワークのテーマに係るクールな解説がなされました。大臼歯にう蝕が発生したこと、検討すべき予防処置は何か、そして科学的根拠に基づくむし歯予防法について、歯科医療従事者としても、改めて専門的知識を整理する良い機会となったことと思われます。引き続き北海道大学の八若先生から、実際のワークの様子をご覧になっての感想、そして臨床現場で感じていることも踏まえ、ワーク結果についての講評をいただきました。さらには、同日に開催された道民公開講座において講師を務めていただき、予防塾にも引き続いて参加された北折 一先生から「住民の健康をサポートする上で歯科衛生士の存在が最重要」との力強いエールをいただき、予防塾は盛会のうちに終了となりました。
 脳ミソがと~ってもやわらかく、若さあふれる未来の歯科医療従事者が多数参集した「予防塾」。参加した守る会会員にとっても、色々な面で刺激を受けることのできた貴重な機会であったのではないかと思われました。開催までの事前準備や当日の運営に奔走された会員の皆様、大変お疲れ様でした!
(文責:広報部 新里)

NEWS(2017.10.1)
会員の活動報告

【会員の活動報告】
 日 時:平成29年8月20日(日)
 場 所:札幌パークホテル
 第70回北海道歯科学術大会
「札幌市の乳幼児う蝕と地域差―平成18年度から平成27年度の推移-」の演題で

 畑 良明先生が発表なさいました。 聞き逃した皆さん、抄録と結果をご覧ください。

抄録:「幼児期におけるう蝕は,減少を続けているが,乳歯う蝕の多いものがそのまま永久歯う蝕も多くなる可能性ある疾患でもある。さらに,う蝕は地域差がある疾患でもあることが知られており,その発生要因は個人的要因と社会的要因に分けることができ,常に社会情勢に影響を受けていることに異論を持たない。しかしながら,早期からフッ化物を応用することによって地域格差を減少させられる疾患であり,市町村の乳歯う蝕に対する姿勢そのものが、顕著に表れる疾患である。今回,札幌市における乳幼児う蝕の推移を最近の10年間に限定して明らかにし、同一の保健サービスを享受している地区での乳歯う蝕に対する格差の推移を合わせて調査を行った。

結果:10年間に1歳6か月児歯科健診を受診した138,515名、3歳児歯科健診を受診した133,191名の歯科健診結果を基にう蝕有病者率の変遷について一般線形モデルによる分析を10保健センター別に調査し、その減少率に地域的、時間的差があり、逆に全く減少していない区も存在することが明らかになった。社会的格差係数を用いて経時的変化を調査した結果、1歳6か月児では明らかに格差が拡大しているといえるが、3歳児では齲蝕有病者率においてのみ拡大していることが判明した。

NEWS(2017.10.1)
第85回会員研修会報告のご報告

【第85回 研修会報告】
「むし歯予防を考える。企業からの提案」
講 師:(株)ロッテ 商品開発部 部長 関 哲哉様
    サンスター(株)医科歯科営業部 学術担当部長 大槻 秀彦様
日 時:平成29年7月22日(土)
会 場:北海道歯科医師会館 視聴覚室

当日は、本会会員、歯科衛生士学生を含む60名を超える皆さんにご参加いただき、盛会のうちに終了いたしました

担当理事から「日常生活において、むし歯予防を謳う商品が様々なところで販売されている。一方、歯科医院においても成分が若干異なるが、より、むし歯予防の効果が高い同名の商品が販売されている。

今回様々なむし歯予防商品を販売している2社に講演していただき、むし歯予防関連商品に対する知識を深め、来院する患者さんにも適切なアドバイスができるよう役立てていきたい」という趣旨の研修会でした。

ロッテの関様からは「XYLITOLの基礎知識と最新情報について」サンスターの大槻様からは「液体製剤の活用について」という演題でお話がありました。

関様からはキシリトールの基本的な特徴やむし歯予防に用いられる機序、海外で行われたキシリトールを使った研究報告の内容等が紹介されました。また、大槻様からは主に液体製剤に含まれる殺菌剤とその薬効について詳しく説明がありました。最後に質問コーナーも設けられ、会場からの多くの質問に丁寧に回答してくださり、双方向の大変有意義な時間を持つことができました。

NEWS(2017.5.1)
第34回定時総会記念講演会のご報告

平成29年4月22日(土)、北海道歯科医師会館にて、厚生労働省医政局歯科保健課長の田口 円裕先生をお招きし、第34回定時総会記念講演会が開催されましたので、報告いたします。当日は、本会会員を含む36名の参加があり、盛会のうちに終了いたしました。田口先生は、1989年の長崎大学卒業後、同大予防歯科学講座を経て、1994年に厚生省(現厚生労働省)に入省されました。医政局歯科保健課課長補佐、保険局医療課課長補佐、社会保険診療報酬支払基金歯科専門役そして保険局歯科医療管理官を歴任され、2016年4月より医政局歯科保健課長としてご活躍されています。

歯科疾患構造の変化や歯科医療の高度化に伴い歯科保健医療ニーズが多様化する中、一層充実した歯科保健医療の提供体制を構築していく上で、これからの時代に求められる歯科医療、歯科医師像について、様々なデータを交えてご教示くださいました。

現在、厚労省の歯科保健課が担っている仕事は大きく4つに分けられます。まず始めに様々な検討会等の設置・運営を通じて、国が目指す歯科保健医療の予想図を描いていくこと。次に平成23年に施行された、いわゆる歯科口腔保健法に基づくライフステージごとの施策の推進、3つ目には歯科医師の資質向上への取組、そして最後が歯科衛生士と歯科技工士に係る施策等の推進です。

わが国では現在、人口構造の変容が著しい状況にあります。人口そのものが減少に転じていることに加え、年齢構成の変化が大きく、高齢者の割合が増加しています。しかし、その増加割合には地域差があり、特に都市部において増加が顕著で偏りが見られます。このような背景のもと、地域包括ケアシステムの構築が提唱され、その中で歯科が果たすべき役割も重要になってきているのです。

歯科を取り巻く環境については、具体的にはう蝕及び補綴の減少、そして歯周疾患への対応が増加する状況にあります。このような中、訪問歯科や医科歯科連携が重要なキーワードとなっています。

平成27年の診療行為別の調査によれば、各年齢層において歯冠修復と欠損補綴が減少していることが明らかとなりましたが、特に欠損補綴については、高齢者においても減少傾向にあり、かわりに在宅医療が増加していることが示されました。具体的には、総義歯の減少が顕著となっています。

近年、訪問歯科の必要性が叫ばれていますが、全国を対象とした平成26年の調査では、訪問歯科診療を行っている歯科医療機関は全体の約2割にとどまっており、まだまだ医療資源としては不足している現状にあります。

また、訪問歯科を実施する歯科医療機関の形態については、少数の在宅患者に個々に対応する機関と、施設を対象として多数の患者に対し医療を提供する機関とに分けられ、二極化する傾向にあるようです。

医療費は全体として増加傾向にありますが、歯科の医療費については、ほぼ横ばいです。診療所内で完結していたこれまでの歯科医療はまさに転換期を迎えているといえるでしょう。う蝕への対応から歯周疾患への対応へとシフト、さらに糖尿病と歯周病との関係のように、口腔と全身の関係を意識した対応が求められます。

国では今年度、歯科口腔保健の推進に関する基本的事項の中間見直しを行うため、従来6年周期で実施してきた歯科疾患実態調査を平成28年に実施し、現在集計分析を進めています。今年6月には速報値として公表し、10~11月には最終的な結果を公表する予定です。歯科疾患実態調査については、今後は5年ごとに実施することとしています。

また、健康格差の縮小を見据えた歯科口腔保健施策を推進するため、歯科保健課内に「歯科口腔保健推進室」を設置し、省庁の垣根をこえて各施策へ横断的に関与できるような体制づくりを行っています。

今後の歯科保健医療の方向としては、地域における歯科医療機関の位置付けが確実に変わっていくことでしょう。歯科保健医療は、疾患対応型から口腔機能にも着目した予防・管理型へ、そして当然のように多職種連携のもと、多様なニーズに応えられなくてはなりません。国に対しては、保険(臨床)と保健(公衆衛生)とが統合された政策の実現が求められていくと考えています。

今回の記念講演会は、最新のデータ等を基に、国が目指す歯科保健医療の方向性を知ることができる大変貴重な機会となりました。田口先生におかれましては、ご多忙のところご講演いただきましたことに、深く感謝を申し上げます。

(文責:広報部 新里)

NEWS(2017.5.1)
第34回定時総会のご報告

平成29年4月22日(土)、北海道歯科医師会館にて、会員研修会に先立ち第34回定時総会が 開催されました。
議長には苫小牧の宮本雄一先生が選出され、下記の事項について審議されました。

①平成28年度事業及び会計決算の承認を求める件
②平成29年度事業計画に関する件
③平成29年度会計予算に関する件
④役員改正の件       

再任された安彦会長の下、平成29年度の事業がスタートです。平成29年度はいつもの事業他に「秋ゼミ」の開催が予算化されています。会員の皆様,ご期待 ください。
(文責:広報部 今村)  

NEWS(2017.5.1)
第84回会員研修会のご報告

【第84回研修会報告】
 「子供の健やかな咬合育成を皆さんで考えてみましょう。」
 講 師:帯広市 船津歯科 船津三四郎先生
 日 時:平成29年2月18日
 会 場:北海道歯科医師会館
 当日は、本会会員を含む31名にご参加いただき盛会のうちに終了いたしました。

船津先生のお話は昭和40年代の虫歯の洪水時代から始まりました。その頃、虫歯王国北海道の中でも特に十勝は一人あたりのDMFTが高かったため、先生は本州との格差を埋めるべく学校歯科保健のインフラ整備に奮闘されました。

船津先生が掲げた整備の目標は

①札幌方式と呼ばれる検診票(虫歯・要注意乳歯他に関して歯番を記入せず「あり」「なし」をチェックするだけのもの)を現在の3号様式に戻す事により統計処理を可能にする
② 学校保健法に規定されているにもかかわらず帯広市には皆無であった学校保健委員会を設置する
③養護教諭との定期的勉強会を開催
④健診器具の整備(児童一人につき1本のミラーの確保と市教委で一括して洗浄)
⑤十勝から虫歯予防推進指定校の推薦

でありましたが、これらの事業を実施するために北教組の役員と2年間にわたる団交を重ねる事でやっと実現できたとの事です。学校保健に関わった人なら感じる事ですが、生徒の健康の為に良しと思った事でも現場の理解を得て改善を行うには大きな労力が必要となる場合が多いと思います。船津先生の情熱と行動力には感嘆を禁じえません。

その後、これら事業を実施した甲斐があって帯広地区の子供達のう蝕は減少したのですが、それに反比例するかの如く子供達の口腔周囲環境に新たな問題が生じて来ている事に気が付き、以下の様な課題を立てられました。

1.態癖のコントロール

頬杖、舌壁、口呼吸や睡眠態癖(うつぶせ寝、手を顔に添えて横向き寝)などにより歯列不正、不正 咬合、顎関節症を起こすため態癖への指導が必要

2.力のコントロール

下顔面高の低いブレーキタイプの骨格系の子供達はその咬合力の強さで自ら咬合崩壊を招きやすいためTCH(歯列接触癖Tooth contacting habit)のコントロールにより予防を図る。生活環境の変化(ストレス社会化など)により安静位空隙をとれない人が多くなっており、食事時以外では上下の歯を接触させない様に指導が必要。「よく噛む事」「硬いものを積極的に食べる事」「噛みしめる事」これらは別の事。硬い食材が顎の成長に寄与するのはせいぜい思春期まで、ブレーキタイプは青年期以降あっという間に咬合崩壊を起こす事があるので好んで硬い食材を食べる人は気を付ける。

3.口呼吸を鼻呼吸へ

口呼吸は歯科的問題点(虫歯の増加、歯周病の悪化、異常咬合、歯列不正ほか)、全身的な影響(扁桃肥大、睡眠時無呼吸症候群・誤嚥性肺炎・アレルギーの誘発ほか)があるため鼻呼吸に改善する。鼻呼吸は細菌・ウィルスの侵入を防ぐフィルター(鼻毛、線毛、扁桃リンパ組織、空気の加湿)があるのが口呼吸との違い。船津先生は鼻呼吸への改善方法として半信半疑ながら「あいうべ体操」(今井一彰先生考案)を取り入れたところ、自身の患者さんでその効果を実感した。

4.位置異常歯、埋伏歯、過剰歯、先欠歯の諸問題をできるだけ歯科検診時に早期発見、受診勧告する6歳臼歯の異所萌出(第2乳臼歯の遠心に引っ掛って萌出障害を呈する状態)、移転歯(転移歯とは違って順番が入れ替わって萌出した状態、特に前歯部移転歯は隣接歯の歯根吸収を起こすことがあるので早期発見とCT撮影が有効、検診時に前歯部歯根相当部の怪しいふくらみに注意、開窓した場合は保険算定可(萌出困難歯開窓術2820点))、水平埋伏歯ではスペースを作ることで自然に萌出したケースもあった、逆生埋伏歯では下顎下縁の皮質骨を突き破ったケースがあったのでパノラマ写真において歯冠の方向を見ることが重要。6歯以上の非症候性部分無歯症の矯正治療は健康保険適用となるが治療にあたっては「自立支援法指定医療機関」「外科矯正施設基準認可医療機関」に限られる。

5.口腔内フローラ

私たちは母親の胎内では無菌状態であったのだが、歯の生え始めた生後6ヶ月頃に保育者(主に母親)から虫歯菌(ミュータンス菌)が感染する。赤ちゃんにおしゃぶりを与える前に親がおしゃぶりを舐める事でその後の子供のアレルギー・湿疹・喘息が減少するという研究報告がある(スウェーデンHesselmar et al.)哺乳類が我が子を舐め回すのは親のフローラ(口腔内、腸内)を継承・伝授し免疫系を活性化するためと思われる。虫歯菌の感染を恐れスキンシップを制限するより、ミュータンス菌が定着・繁殖しない環境を整える事の方が虫歯予防効果が高い(ただし自分の口腔衛生管理ができている事が前提)

今回の講演は多くの示唆を私に与えて下さいました。

(文責:広報部 矢口)

NEWS(2016.12.27)
道民公開講座「8020歯ッぴーフォーラムin札幌」のご報告

平成28年10月29日(土)、TKP札幌ビジネスセンター赤れんが前にて、北海道大学大学院歯学研究科口腔機能学講座小児・障害者歯科学教室 教授の八若 保孝先生を講師にお招きして、道民公開講座「8020歯ッぴーフォーラムin札幌」が開催されました。
当日は、会場内に測定・体験コーナーも設置され、本会会員を含む25名の参加があり、盛会のうちに終了いたしました。

・講演要旨

口腔は、消化器系器官の入口であるとともに多くの役割を担っています。食べる、呼吸する、話すといった役割はもちろんですが、これらの機能により、精神的・心理的な満足やストレスの軽減、脳への刺激が図られていることは、子どもの発育において大切なことです。また、お口は動いて、はじめて働く(機能する)器官であることから、機能的な面の評価が重要になります。

健康な口腔は、形態・機能・意識のバランスが取れてはじめて成り立つものです。健康な口腔を守るためには、口腔清掃を行うことは基本中の基本ですが、う蝕予防として歯質の強化を図ることも大切です。さらに、歯肉炎や不正咬合、軟組織・硬組織疾患、外傷といったことにも配慮が必要です。

健康な口腔のためには、子どもの頃にできることを積極的に行うことが大切です。特に幼児期から学童期にかけての生活習慣が及ぼす影響は大きいといえます。予防としての定期的な歯科受診を心がけ、機能的なアプローチにより健康な口腔を目指しましょう。

・測定・体験コーナー

 会場後方に設置された測定・体験コーナーでは、咬合力とバランスを測定する「デンタルプレスケール」、口唇閉鎖力を測定する「りっぷるくん」、咀嚼力を判定する「咀嚼力判定用キシリトールガム」及び各種のフッ化物洗口液が設置され、八若教授と地域保健部のメンバーが参加者への対応にあたりました。また、フッ化物洗口コーナーでは守る会に加え、(株)サンスターからも出展がありました。

今年度の道民公開講座は、講演〜測定・体験〜まとめという一連の流れで展開され、体験を通じて講演内容についてより理解が深まるという構成となっており、あっという間に1時間半が過ぎていきました。一般の方に向け、わかりやすく丁寧にご講演をいただきました八若先生には、改めまして深く感謝を申し上げます。

(文責:広報部 新里)

NEWS(2016.10.01)
道民公開講座「8020歯ッぴーフォーラムin札幌」のおしらせ

平成28年10月29日、TKP札幌ビジネスセンター赤れんが前にて、北海道大学大学院歯学研究科の八若保孝教授をお招きして道民公開講座を開催します。奮ってご参加いただきますよう、よろしくお願い申し上げます。参加希望者は、直接会場へお越しください。受講料は無料となっております。

「子どもの健康な口腔を守るために」
 〜かむ力・くちびるの力を測って機能的な面も考えてみましょう〜
 講師:北海道大学大学院歯学研究科
    口腔機能学講座小児・障害者歯科学教室教授 八若 保孝 先生
 日時:平成28年10月29日(土)15時〜16時半
 会場:TKP札幌ビジネスセンター赤れんが前5階 すずらんの間

NEWS(2016.9.1)
第83回会員研修会のご報告

平成28年7月30日、北海道歯科医師会館大講堂にて、医療法人社団純厚会 銀座デンタルケアークリニック勤務の歯科衛生士である片山章子先生をお招きして、第83回会員研修会が開催されましたので、ご報告いたします。

片山先生には「予防を考えるプロケアとセルフケア」と題しましてご講演いただきました。当日は、天候にも恵まれ、本会会員を含む○名にご参加いただき、盛会のうちに終了いたしました。

 片山先生は、新たな疾患を一本も生まない、失わないこと、若手への技と心の継承、チーム歯科医療の実現、現場づくりの応援を、歯科衛生士のミッションとして、日々の臨床に取り組んでいるとのことです。

予防歯科の要として、個別対応のセルフケア対応—そのためのリスクアセスメント、適切なプロケアの選択と介入—プロケアとセルフケアの協働作業、チームワーク—患者さんを生涯支える覚悟と思い、を掲げており、それぞれについて詳しくご解説いただきました。

大人の齲蝕予防ケアでは、個別対応のセルフケア処方を策定するために、ターゲットを知る—情報収集と情報分析—こと、そして、セルフケアアイテムを知る—製剤とツールの理解—ことで、ターゲットにあわせたアイテムを組み合わせています。 ターゲットを知るための検査は、現状を知る基本検査、原因を知るオプション検査からなり、患者のリスクタイプ、口腔内個性、患者個性、ステージを把握し、収集した情報は、すべて、口腔内写真をプリントしたものに書き込み、整理をしています。

齲蝕のマネジメントで重要なことは、齲蝕病変の検出、活動性の判定、時間軸の考慮であり、これらのさまざまな状況に対応したプロケアとセルフケアをチームワークで構築することで、予防に取り組んでいる、とのことです。

片山先生はご講演中、いくつかの書籍をお勧めしておりましたので、以下にご紹介します。



片山先生お勧め書籍

㈰ Selfcare Guide 歯周病ケア編 内山 茂, 片山 章子(ライオン歯材社)

㈪ 歯科衛生ケアプロセス実践ガイド 佐藤 陽子 (著), 齋藤 淳 (著)

㈫ ケア製剤に強くなる 患者さんに合わせた適剤適処 : 高輪歯科における院内処方の実際

加藤 正治 DH style 7(12), 21-43, 2013-11 デンタルダイヤモンド社

㈬ トータルカリオロジー (スウェーデンのすべての歯科医師・歯科衛生士が学ぶ)

ベンクト・オロフ・ハンソン (著), ダン・エリクソン (著), 西 真紀子 (翻訳)

㈭ エナメル質・象牙質・補綴物のプロフェッショナルケア 加藤 正治 (著)

NEWS(2016.6.4)
第83回会員研修会のお知らせ

平成28年7月30日、北海道歯科医師会館にて、歯科衛生士の片山章子先生をお招きして第83回会員研修会を開催します。奮ってご参加いただきますよう、よろしくお願い申し上げます。参加希望者は、直接会場へお越しください。受講料は無料となっております。

予防を考えるプロケアとセルフケア

「出会う方の歯を1本も失わない」使命を果たす1つの手段として構築した予防歯科の要は3つあります。1つはリスクアセスメントで個別対応のセルフケア処方、2つ目は適切なプロケアの選択と介入スピード、3つ目はチームワークです。

患者さんを生涯支えるメンバー全員の覚悟と思いは、患者さんが主体的にセルフケア行動をおこない医院へ通い続ける原動力となります。

私の臨床現場では大人のう蝕予防が中心ですが基盤は子供の歯を守る会皆様とおそらく変わりなく、会場で共に考える機としていただけましたら嬉しいです。

講 師 片山 章子
東京都・歯科衛生士
第2種滅菌技士
抗加齢医学指導士
医療法人社団純厚会 銀座デンタルケアークリニック勤務
日 時:平成28年7月30日(土)16時から17時30分
会 場:北海道歯科医師会館 第1会議室(4F )
会 費:無料
主 催:北海道子供の歯を守る会

NEWS(2016.5.14)
第33回定時総会記念講演会のご報告

平成28年4月16日、北海道歯科医師会館にて、北海道大学歯学研究科予防歯科学教室特任准教授の本多丘人先生をお招きして、第33回定時総会記念講演会が開催されましたのでご報告いたします。

本多先生には「これまでの予防歯科、これからの予防歯科」と題しましてご講演いただきました。当日は、本会会員を含む40名にご参加いただき、盛会のうちに終了いたしました。
本多先生は、1976年の北海道大学卒業後、40年間にわたり同大の予防歯科学教室に籍を置かれ、予防歯科臨床、教育・研究に携わってこられました。先生が医局に入られた頃は、3歳児のう蝕有病者率が80%にも及ぶような時代で、子供の歯内療法もかなり多かったとのことです。また、歯科医師の絶対数が不足しており、各地域より歯科健診の依頼が大学に寄せられ、多くの市町村における歯科保健対策に参画し、中でも日高管内のえりも町へは、現在に至るまで関わっていらっしゃるとのことでした。

また、アメリカイリノイ州への2年間の留学や、バングラデシュにおけるJICAの草の根支援事業、30年間ほど従事されておられる、羽幌町焼尻島への無歯科医地区離島歯科診療班の仕事のお話なども交え、これまでのご自身の歩みを紹介してくださいました。本多先生におかれましては、1時間の講演時間があっという間に感じられるほど、予防歯科に関わる多くの話題について、わかりやすく丁寧にご講演いただき、誠にありがとうございました。

予防歯科は、「すべての人」を対象とする診療科であり、子どもも大人も、そして障がいのある人も治療を終えた人も、皆を対象とするのが特徴です。予防歯科においては、「どうして(その患者は)むし歯(歯周病)になったのか」という原因に対するアプローチが、非常に大切です。そして、歯科疾患が発生する上では、生活習慣や社会的な環境が大きく影響することを忘れてはなりません。

アメリカやヨーロッパでは、う蝕罹患のピークは戦前であり、その後はフロリデーション等により、う蝕は大きく減少しています。我が国では、う蝕のピークは戦後しばらくしてからであり、当時は歯学部が少なかったため、国は歯科医師を増やそうと、全国に歯学部を次々と設置していきました。現在では、日本においても小児のう蝕は減少傾向にあり、う蝕治療そのもののニーズも減少してきています。

そこで国は、歯科医師数の抑制へと方向転換を図っており、国家試験の難易度を上昇させるなどして、毎年新たに誕生する歯科医師の数を制限しています。ただ、日本における歯科医師数は、先進国の中で、人口比では決して多い方ではありません。

我が国では、江戸時代より歯磨き粉が広く販売されるようになり、「虫歯予防デー」についても昭和3年からスタートしており、う蝕予防に関する歴史は浅くはありません。

う蝕予防については、プラークの付着自体がすべてう蝕の発生に結びつくわけではないにも関わらず、現在でも歯磨き信仰が根強くあるところです。一般の人はともかく、専門職である歯科衛生士においても、そのような考えを持っている人がまだいるようです。確かに、歯周病対策としては、ブラッシングが効果的ですが、う蝕は発生要因が複合的であり、ブラッシングを完璧にすれば大丈夫とか、キシリトールだけを摂取していれば良いとか、S、mutansの感染を完全にブロックできれば良い等の極端な考え方は、現実的ではありません。

子どものう蝕の罹患状況を示す指標である12歳児のDMFTは減少の経過を辿っており、学校保健統計では全国平均が0.9本と、ついに1本を切りました。現代は、う蝕が1本もない児童がけっして珍しくはない世の中になったのです。おそらく、8020についても、近い将来には多くの人が達成するようになるでしょう。

これからの予防歯科は、我々歯科保健医療に関わってきた者が、これまでの「頑張り」を大いにアピールするとともに、定期受診を柱とした患者の確保がカギになると考えます。日本では、今なお「治療が終了した」=「治った」と解釈し、再び症状が出るまで受診しない人が多い現状にあります。年に数回の定期受診により、健康度が下がりにくいことも明らかになっています。アメリカやカナダでは、歯科の治療費自体が日本よりかなり高いという背景もありますが、自覚症状がなくとも歯科を受診する人が70%以上とも言われています。
我々歯科医療従事者は、定期受診のメリットを広く患者に伝えるとともに、患者に対しては、良いところを褒め、評価し、心地良さを提供することが肝心です。かかりつけ歯科医は、時代の要請であるとともに、歯科保健と歯科医療は不可分であると考えられます。まさに、治療は予防であり、予防は治療であるともいえるでしょう。

(広報部 新里)
座長の丹下先生
座長の丹下先生
ご講演中の本多先生
ご講演中の本多先生

NEWS(2016.3.22)
第33回定時総会記念講演会のお知らせ

平成28年4月16日、北海道歯科医師会館にて、北海道大学歯学研究科予防歯科学教室特任准教授の本多丘人先生をお招きして、第33回定時総会記念講演会が開かれます。奮ってご参加いただきますよう、よろしくお願い申し上げます。参加希望者は、直接会場へお越しください。受講料は無料となっております。会員外の方の参加歓迎いたします。

北海道子供の歯を守る会 第33回定時総会記念講演会
「これまでの予防歯科、これからの予防歯科」

日時:平成28年4月16日(土)16:30〜17:30
場所:北海道歯科医師会館 4階 第一会議室 札幌市北区北1条西9丁目11番地
会費:無料 (申し込みは必要ありません)

NEWS(2016.2.27)
第82回会員研修会のご報告

平成28年2月27日、北海道歯科医師会館にて、愛知学院大学歯学部口腔衛生学講座 加藤一夫准教授をお招きして、第82回会員研修会が開催されましたので、ご報告いたします。

加藤先生には「口腔バイオフィルム—カリオロジーの立場から、齲蝕予防を考える—」と題しましてご講演いただきました。

当日は、本会会員を含む28名にご参加いただき、講演後には質疑応答が行われ、盛会のうちに終了いたしました。

私たちが毎日見ている、プラーク(口腔バイオフィルム)について「構造と性質」「口腔バイオフィルムを層別に見る」「フッ素と口腔バイオフィルム」という内容で進められました。講義が始まる前に以下の資料を見てついていけるかなと心配でしたが…以下資料より抜粋…

「歯垢は、歯面に付着し、多糖体に覆われ、多様な菌種から構成されるなどバイオフィルムとしての特徴を持つことから、最近では口腔バイオフィルムとも呼ばれています。そのため、齲蝕は歯周病とともに、バイオフィルム感染症として認知されるようになりました。

口腔バイオフィルムを構成する細菌は、菌体外多糖で覆われ、免疫細胞や抗菌物質に抵抗性を示すことから、物理的に除去することがプラークコントロールの基本です。そのため、プラークコントロールといえば、ブラッシングと同義語のように使われますが、本来の役割は、齲蝕予防の立場からいえば、口腔バイオフィルムの成長や成熟を抑制することにより、齲蝕誘発性の高い状態を低い状態に変える(または、齲蝕誘発性の低い状態を維持する)ことにあります。厚く成熟したバイオフィルムでは、細菌の栄養利用性、酸素濃度、pHなどの生態学的な因子は、深度特異的に劇的に変化します。バイオフィルムの構造と関連した細菌や基質の分布に関する情報は、化学的プラークコントロールによる治療的効果やエナメル質とバイオフィルムの界面で生じるミネラルの動態を理解する上で重要です。また、バイオフィルムとそれを取り巻く外的環境との間での、細菌の栄養分やフッ化物などの薬剤の浸透あるいは細菌の代謝産物の排出などの物質移動は、その齲蝕誘発性を左右する重要な要素です。その当たりに、口腔バイオフィルムを標的とした新たな齲蝕予防手段を研究する継続的なニーズがあります。この講演では、口腔バイオフィルムのコントロールに関する最近の話題を考察する予定です。」

講演では顕微鏡写真で口腔バイオフィルムのイメージでき、細菌の分布(死んだ細菌も含む)や、口腔バイオフィルムに薬剤が浸透していく様子、ニコチンがS.mutansを活性化させる実態、細菌が死んでいるバイオフィルムがバイオフィルムの再生を促すこと、フッ素との関係等等をビジュアル的に理解することができました。

抜粋資料にあった、口腔バイオフィルムの中で繰り広げられていることを理解することが患者さんの個別性に合わせ、より適切なプラークコントロールを提供できることにつながることを再認識できました。

NEWS(2015.11.22)
道民公開講座のご報告

平成26年11月21日、TKP札幌ビジネスセンター赤レンガ前にて、北海道医療大学歯学部教授齋藤正人先生と北海道上川保健所主任技師丹下貴司先生をお招きして、道民公開講座「8020歯っピーフォーラムin札幌」が開催されましたので、ご報告いたします。

齋藤先生には「なぜハミガキは必要?〜むし歯予防のための正しい歯の磨き方知っていますか?〜」と題しましてご講演いただきました。丹下先生には「北海道歯科保健医療推進計画(8020歯っぴぃプラン)って何?」と題しましてご講演いただきました。

当日は、小雨がぱらつくなか、本会会員を含む42名にご参加いただき、講演後には質疑応答が行われ、盛会のうちに終了いたしました。

講師の齋藤先生
講師の齋藤先生
齋藤先生のスライド
齋藤先生のスライド

歯磨きは「歯磨けよ」という言葉に代表されるように挨拶言葉になっており、正しい磨き方やその限界などは、あまり知られていません。歯みがきとは、むし歯、歯周病、口臭の原因となる細菌の寄り集まり(プラーク)をはがします。口臭は、「外国人の7割が日本人の口の臭いに不快感」という報告などもありますが、これの背景は欧米人との文化の違いがあります。日本人は体臭には敏感ですが、口臭は気にしない傾向がありますが、欧米人は口臭に敏感で、体臭を気にしない傾向があるのです。またプラークは1mgあたり3〜10億個の細菌が含まれますが、これは糞便の1mgあたり5000万〜3億個よりも多く、やはり、正しい歯磨きが大切ということが分かります。

日本人は1日2回以上歯を磨く人の割合が69%(平成23年歯科疾患実態調査)と世界で最も歯磨きをしているといわれる一方で、むし歯は、まだまだ少なくありません。たとえば8020を目指すうえで逆算すると、12歳のむし歯は1本以下、3歳では0本が必要と見込まれていますが、実際には3歳で0.6本、12歳で1.4本(平成23年歯科疾患実態調査)というのが現実です。歯磨きが普及した日本で、むし歯が十分には減らない理由は、正しい歯磨きとむし歯予防が広まっていないことにあります。たとえば、歯磨きとむし歯には関連がないこと、また甘いものとむし歯にも強い関連がないことが、あまり知られていないことが、影響しているのではないでしょうか。

エビデンスのあるむし歯予防であるフッ化物洗口を実践している佐賀県では、未実施だった1991年には3歳児の平均むし歯本数が全国で最多でしたが、小学区100%中学校50%以上に普及した現在では全国4位と、明らかな効果が表れています。このように虫歯の予防にはフッ化物応用が重要です。歯磨きにおいてフッ化物配合歯磨剤を有効に使う方法には、ダブルブラッシング法、イエテボリテクニックなどが提唱されています。

正しい歯磨きでプラークを落とすことは歯周病に対しても有効です。歯周病は歯と歯茎の境目のプラークが原因となっているため、境目にめがけて歯ブラシを当てることが大切です。また歯と歯の隙間のプラークを落とすにはデンタルフロスが有効です。デンタルフロスが普及しているアメリカでは、歯周病の患者数が、日本の約半分であるといわれています。歯周病対策では、メインテナンスも重要です。定期的に歯医者に通い、歯石除去・クリーニングを受けましょう。

講師の丹下先生
講師の丹下先生
丹下先生のスライド
丹下先生のスライド

北海道では、「北海道歯・口腔の健康づくり8020推進条例」に基づき、平成22年より北海道歯科保健医療推進計画「8020歯っぴいプラン」を策定し、歯・口腔の健康づくりの施策に取り組んできました。8020運動とは80歳で20本以上の歯を持とう!という運動です。実際のところ成人期の歯・口腔保健の状況として、一人平均現在歯数で評価すると北海道は11.0本(全国14.2本)、また8020達成者の割合は27.3%(全国40.2%)といずれも全国平均を下回っております。

科学的根拠のあるむし歯予防法はフッ化物応用とシーラントがあります。とりわけフッ化物応用によるむし歯予防は、世界保健機関(WHO)、国際歯科連盟(FDI)、国際歯学研究会(IADR)、欧州むし歯研究学会(ORCA)、日本では厚生労働省、日本歯科医師会、日本歯科学会、日本口腔衛生学会、その他米国、英国、カナダ等の数多くの団体・学会・機関により推奨されています。

現在北海道では、基本的目標として、フッ化物(フッ化物塗布、フッ化物洗口、フッ化物配合歯磨剤)の利用を普及させ、むし歯が原因で歯を失うリスクを低下させることを、また数値目標としてむし歯の無い3歳児を85.0%以上に、12歳児のむし歯を1.0本以下に、フッ化物洗う口実施市町村を179市町村にすることを掲げております。

質疑応答では、なぜ北海道ではむし歯が多いのか、なぜ人口の集中している札幌での対策が遅れているのかなど、活発な意見交換がなされました。(南出保)
会場の様子

NEWS(2015.11.22)
第81回会員研修会のご報告

平成27年9月26日、北海道歯科医師会館にて、医療法人おく小児矯正歯科の奥猛志先生をお招きして、第81回会員研修会が開催されましたので、ご報告いたします。

奥先生には「根拠に基づく齲蝕予防 リスクが違えば指導も変わる」—ステファンカーブで一人ひとりのう蝕リスクを「見える化」—と題しましてご講演いただきました。

当日は、本会会員を含む27名にご参加いただき、講演後には質疑応答が行われ、盛会のうちに終了いたしました。

講師の奥先生
講師の奥先生
会場の様子
会場の様子

9月26日北海道歯科医師会館で開催されました北海道子供の歯を守る会第81回会員研修会に於いて「根拠に基づくう蝕予防 リスクが違えば指導も変わる ?ステファンカーブで一人ひとりのリスクを「見える化」」との題にて鹿児島市で開業されている医療法人おく小児矯正歯科院長の奥猛志先生に講演していただきました。

おく小児矯正歯科ではオリジナルキャラクター「デンタマン」を掲げデンタランドという設定のもと、(1)リスク検査によるう蝕予防(2)恐くない治療(3)きれいな噛み合せの3つを医院の柱としています。院内には託児室(非常勤の保育士2名)を備えて子育て支援また除菌水やスリッパ廃止ほかの取り組みによる院内感染予防にも力を入れています。患者さまIDによる情報の一元管理を行い「保健指導」=「ステファンカーブの改善」と捉えて独自開発のう蝕食予防ソフト「ステファナリシス」を駆使した「リスクの見える化」により患者さんの口腔内環境の改善に取り組んでいます。

ステファナリシスは食事アンケートや各種酸産生検査によるスコアを入力して患者さんのステファンカーブを1152パターンの中から選び出すものです。スコアは(1)エナメル質の臨界pH(年齢、フッ化物使用状況)(2)ステファンカーブの最高値(オーラルpHテスト)(3)ステファンカーブの最低値(カリオスタット)(4)ステファンカーブの傾き(CAT21)(5)ステファンカーブの波の数(飲食の回数)から構成されます。私もステファンカーブを患者さんの指導に使っていましたがそれは一般的なモデルにすぎず、患者さんが本当に関心を持つのは自分自身のステファンカーブでしょう。ステファナリシスの様に自分自身のステファンカーブ(計算上近似したものであっても)を提示され「フッ化物歯磨剤を使い、間食を1回減らしたら1日の脱灰の割合が40%から15%に減りますよ」などと具体的な行動変容の方法と改善結果を示される事でモチベーション向上に大きな効果が得られると思いました。おく小児矯正歯科でもリスク検査を行った患者さんは1年後の定期健診受診率がリスク検査をしない患者さんと比較して2倍以上の成績を示したとの事です。今回の講演は多くの示唆を私に与えてくれました。(矢口敦久)

NEWS(2015.10.2)
道民公開講座のお知らせ

平成27年11月21日、TKP札幌ビジネスセンター赤レンガ前にて、北海道医療大学歯学部教授の齋藤正人先生と北海道川上保健所主任技師の丹下貴司先生をお招きし、「8020歯っぴーフォーラム in 札幌」を開催いたします。奮ってご参加いただきますよう、よろしくお願い申し上げます。参加希望者は、直接会場へお越しください。受講料は無料となっております。

「8020歯っぴーフォーラム in 札幌」

日時 11月21日(土)午後3時30分〜午後5時
会場 TKP札幌ビジネスセンター赤レンガ前 すずらんの間
   札幌市中央区北4条西6丁目1 毎日札幌会館5F
参加費 無料

講演1
「なぜハミガキは必要? 〜むし歯予防のための正しい歯の磨き方知っていますか?〜」
齋藤正人先生(北海道医療大学歯学部口腔構造・機能発育学系小児歯科学分野 教授)
 そもそも日本人は清潔好きで、毎日の洗顔、食事前谷トイレ後の手洗いインフルエンザなどの流行期にはうがいの慣行など、我々には素晴らしい習慣が数多くあります。また現在では毎日ハミガキを行っている日本人は95%以上に達するといわれ、これは世界的にみて驚くべき数字です。しかし、せっかくここまで普及したハミガキ習慣を意味あるものにしないと、ただの潔癖症といわれかねません。
 子供のむし歯は確かに減ってきましたが、10歳代の中頃から30歳代のむし歯はさほど減っていません。成人の80%近くは歯周病に罹っており、80歳で20本歯が存在する8020運動も未だ達成できていません。まだまだ口の中に問題を抱える人は数多くいて、残念ながらハミガキしている人の割合は世界で一番でも、口の中はまだまだ世界一には届きません。
 本講演では、毎日のハミガキが意味あるものになるよう、その意義や方法を改めて考えていただき、また、近年その重要性が唱えられている口腔ケアを含め、若年者、成人、高齢者などそれぞれのライフステージにあったハミガキについて、わかりやすくお話ししたいと考えております。

講演2
「北海道歯科保健医療計画(8020歯っぴぃプラン)って何?」
丹下貴司先生(北海道上川保健所主任技師)
 北海道では平成21年6月に全国で2番目となる歯科保健医療に関する条例(北海道歯・口腔の健康づくり8020推進条例)が施行され、 この条例に基づき、平成22年4月に第1期の「北海道歯科保健医療推進計画」を策定し、3年間にわたり道民の歯・口腔の健康づくりの施策に取り組んできました。平成25年4月からは第2期の「北海道歯科保健医療推進計画(8020歯っぴぃプラン)」を策定し、乳幼児から成人・高齢期までの各ライフステージと歯科疾患の特性との関連を踏まえた4領域の重点施策を掲げ、80歳になっても20本以上の歯を保ち、生涯にわたって食べる楽しみを享受できる生活の実現を目指して、各種の歯科保健医療施策を実施しています。
 今回は、この北海道歯科保健医療推進計画(8020歯っぴぃプラン)についてわかりやすく説明します。

NEWS(2015.8.25)
第81回会員研修会のお知らせ

平成27年9月26日、北海道歯科医師会館にて、医療法人おく小児矯正歯科の奥猛志先生をお招きして第81回会員研修会を開催します。奮ってご参加いただきますよう、よろしくお願い申し上げます。参加希望者は、直接会場へお越しください。受講料は無料となっております。

「根拠に基づく齲蝕予防 リスクが違えば指導も変わる」
—ステファンカーブで一人ひとりのう蝕リスクを「見える化」—
皆さん歯磨き指導とフッ化物塗布だけの定期検診を行っていませんか?
患者さんのう蝕予防に対する意識を高めるには、患者さん自身がう蝕を発症する仕組みやそのリスク因子を理解し、生活習慣を変えていくことが必要です。う蝕のリスク因子となる、う蝕原性菌の酸産生能、酸に対する唾液緩衝能、歯質の強弱などは人によって異なります。そのため、患者さんごとにリスク因子を分析して、総合的な保健指導をすることが有効と考えられます。
今回は、患者さんのリスク因子に応じてステファンカーブがどのように変化するか、そしてそれをもとにどのような指導を行えば良いか解説いたします。

日時:平成27年9月26日(土)17:00〜18:30
会場:北海道歯科医師会館 2F視聴覚室
講師:奥猛志先生(医療法人おく小児矯正歯科)
 略歴
 昭和61年8月 鹿児島大学 歯学部卒業
 平成10年4月 鹿児島大学小児歯科講師
 平成23年9月 医療法人おく小児矯正歯科開設

NEWS(2015.8.25)
第68回北海道歯科学術大会ワークショップのご報告

平成27年8月23日、札幌パークホテルで神奈川歯科大学大学院歯学研究科社会歯科学講座准教授山本龍生先生をお招きして、第68回北海道歯科学術大会ワークショップ(共催:北海道子供の歯を守る会)が行われました。以下に講演の要旨を紹介いたします。

日本では世界でもトップレベルの長寿国となりました。しかし、男女とも最後の約10年間は要介護に近い状態となり、日常生活に制限が出るといわれています。それを防止して健康寿命を延ばすことが課題となっています。

認知症や骨折・転倒は要介護になる原因のそれぞれ約16%、約12%です。最近の研究で歯が不健康であると、その後に認知症や転倒・骨折になり易いことがわかってきました。その原因として、歯を失うことで咀嚼による脳への刺激が減ったり、栄養素が不足することもありますが、最近注目されているのは、臼歯部の咬合接触を失い、下顎骨が不安定になることで、体のバランス機能も低下し、骨折・転倒を起こしやすくしている可能性です。骨折・転倒がきっかけで寝たきりになると認知症も進行しやすくなります。歯の本数が少ないと、その後に要介護状態になる可能性が高くなることがわかってきたのです。

歯を失う原因の約9割はむし歯と歯周病です。むし歯の予防にはフッ素入りの歯磨き剤による歯みがきやフッ化物洗口を行ってください。歯周病の予防には、歯肉の機械的なブラッシングが重要です。私達の研究で、ブラッシングを通じて歯肉に刺激を与えることで、歯肉の細胞の活性化され、歯周病菌に対する抵抗力が増大することが明らかとなっています。もちろん、歯間ブラシによる歯間部のブラッシングも大切です。

健康寿命を延ばすためにも歯の健康を心がけることが大切です。

NEWS(2015.5.22)
第32回定時総会記念シンポジウムのご報告

平成27年4月18日、札幌アスペンホテルで北海道保健福祉部健康安全局地域保健課の新里勝宏先生、北海道歯科医師会常務理事松崎弘明先生、旭川歯科医師会加我英史先生、札幌歯科医師会理事大森幹朗先生をお招きして総会記念シンポジウムが行われましたのでご報告致します。当日は本会会員を含む49名が参加しました。講演後には質疑応答が行われ、盛会のうちに終了致しました。

総会にてご挨拶いただいた富野晃北海道歯科医師会会長
総会にてご挨拶いただいた富野晃北海道歯科医師会会長

シンポジストの大森先生、加我先生、松崎先生、新里先生
シンポジストの大森先生、加我先生、松崎先生、新里先生

シンポジウムの様子
シンポジウムの様子

新里先生
ご講演中の新里先生

新里先生からは、フッ化物洗口普及事業の5年間?全市町村での実施を目指して?と題して講演いただきました。北海道の8020推進条例に基づく歯・口腔の健康づくりに関する基本的な計画の重点施策の一つである、保育所・小学校等におけるフッ化物洗口の推進の現状や今後の課題についてお話いただきました。

松崎先生からは、北海道歯科医師会のいままでの取り組みとこれからの課題と題して、フッ化物洗口の推進に至った経緯や、シンポジウムやセミナーの開催、ラジオCMやテレビCMの製作について、さらにはこれからの展開として水道水フロリデーションについてもお話いただきました。

加我先生からは旭川歯科医師会としての取り組みと題しまして、旭川がどのような経緯でフッ化物洗口が広まったかを地元の各団体とのやりとりを交えて詳細にわかりやすくお話いただきました。

大森先生
ご講演中の大森先生

大森先生からは札幌歯科医師会の現況報告と題しまして、保育園に対するフッ化物洗口の推進事業を中心に札幌歯科医師会としての取り組みについてお話いただきました。(中村光一)

NEWS(2015.1.20)
第32回定時総会記念シンポジウムのお知らせ

平成27年4月18日、札幌アスペンホテルにて、道庁、歯科医師会より4先生をお招きして、第32回定時総会記念シンポジウムが開かれます。奮ってご参加いただきますよう、よろしくお願い申し上げます。参加希望者は、直接会場へお越しください。受講料は無料となっております。

北海道子供の歯を守る会 第32回定時総会記念シンポジウム
「北海道のフッ化物洗口の今」
〜北海道歯・口腔の健康づくり8020推進条例制定5年を経過して〜

2009年6月に制定された所謂「8020推進条例」を特徴づけているのは保育所、学校等における集団フッ化物洗口の普及によるむし歯予防の推進に関する規定であります。
条例制定後さまざまな取り組みが実施され、実施市町村が急速に増加しているところでありますが、北海道のフッ化物洗口の現状とこれからの課題を、最前線で実践してきた皆さんにお集まりいただき、熱く語っていただきたいと思います。

日時:平成27年4月18日(土)15:30〜
場所:札幌アスペンホテル   札幌市北区北8条西4丁目
会費:無料 (申し込みは必要ありません)

講演1:フッ化物洗口普及事業の5年間 〜全市町村での実施を目指して〜
新里勝宏先生(北海道保健福祉部健康安全局地域保健課地域保健グループ 主任技師)

講演2:北海道歯科医師会のいままでの取り組みとこれからの課題
松崎弘明先生(北海道歯科医師会 常務理事)

講演3:旭川歯科医師会としての取り組み
加我英史先生(旭川歯科医師会 前副会長)

講演4:札幌歯科医師会の現況報告
大森幹朗先生(札幌歯科医師会 理事)

パネルディスカッション
「もっと、もっとフッ化物洗口を広めよう!」
コーディネーター: 千葉逸朗先生 (北海道医療大学歯学部 教授)

主催:北海道子供の歯を守る会
後援: 北海道歯科医師会  北海道歯科衛生士会

NEWS(2015.3.8)
講演会のご報告

平成27年2月14日、北海道歯科医師会館で医療法人S+すずき歯科クリニック理事長 鈴木淳一先生をお招きして、講演会が開催されましたわれましたので報告致します。鈴木先生には、予防歯科で歯科医院経営は成り立つのか?!についてご講演いただきました。以下にご講演の内容をご報告します。

当日は本会会員を含む42名にご参加いただき、講演後には質疑応答が行われ、盛会のうちに終了致しました。

会場の様子
会場の様子

講師の鈴木先生
講師の鈴木先生

講師の鈴木先生
講師の鈴木先生

歯を削る、詰め物をする、被せものをする、といった診療も必要ではあるが、まずむし歯や歯周病にならなければそのような治療の必要がなくなる、つまりは予防が重要である。しかし、現行の保険制度は疾病保険であり、予防は療養の給付に含まれず、予防の自由診療化が必須である。「健康な人も楽しく通える歯医者さん」をコンセプトとして、初診時には必ずカウンセリングを行い、How toではなくどうなりたいか、誰のために誰がする予防なのかを意識しながら、患者さんが生き甲斐を持って充実した日々が送れることを目指している。そのためには主観的な価値観を知ることが必要であり、患者さんがどんな生活をしているか、どんな不安を持っているか、とにかく患者さん個人に興味を持つことが大事である。

では予防を自由診療で行うためにどのようなことを行っているか。㈰スタッフ間でやることの整理と統一:保険診療ではない分、患者さん負担は大きくなる。そこでスタッフによって内容に差が出ないようにする必要がある。㈪クリーニングメニューの充実:患者さんの選択肢を増やす。㈫定期的に通いやすくする工夫をする。㈬定期ケア中断者へ働きかける。㈭定期ケアがなぜオススメなのかを伝える工夫をする。これらを中心に説明されました。

今後の課題としては、今行っている取り組みの継続、他院との連携、一般市民に対する予防の重要さの啓蒙、そして保険に予防の概念が組み込まれるための活動をするなどを挙げられていました。(中村光一)

NEWS(2015.1.20)
講演会のお知らせ

平成27年2月14日、北海道歯科医師会館4階第1会議室にて、医療法人S+すずき歯科クリニック理事長の鈴木淳一先生をお招きして、講演会が開かれます。奮ってご参加いただきますよう、よろしくお願い申し上げます。参加希望者は、直接会場へお越しください。受講料は無料となっております。

演題 「予防歯科で歯科医院経営は成り立つのか?!」

講師 医療法人S+すずき歯科クリニック理事長
   鈴木淳一先生

日時 平成27年2月14日(土曜日)16:00〜18:00
会費 講演会は無料
主催 北海道子供の歯を守る会

 歯科医療の最前線を担っている開業医が、今苦境に立たされています。
 治療だけでは世の中の求めに添えない時代になりました。予防を基礎とする診療が地域で求められていることは明らかですが、具体的に予防歯科をオフィスに定着させるには先生の力だけではできません。
 とすればスタッフ(歯科衛生士、歯科助手、受付)の力とマネージメントが重要になりそうです。
 そのような中で、今回は歯科医院経営を予防歯科の観点から見つめたお話をして頂きます。スタッフの皆様とともにご一緒に参加いただければより効果的な受講ができると思います。

略歴
北海道八雲町生まれ
1985年 北海道大学歯学部卒業
1985年から1990年 北海道大学歯学部第一ほてつ学講座入局
1990年 すずき歯科クリニック開設
1998年 医療法人社団S+ すずき歯科クリニック理事長就任

NEWS(2014.12.11)
道民公開講座のご報告

平成26年11月29日、余市町中央公民館3階301会議室にて、北海道大学病院・歯科診療センター講師 兼平孝先生、北海道倶知安保健所主任技師 高橋収先生をお招きして、道民公開講座「8020ハッピーフォーラムin余市」が開催されましたのでご報告いたします。

当日は本会会員を含む25名にご参加いただき、講演後には質疑応答が行われ、盛会のうちに終了致しました。

講師の兼平先生
講師の兼平先生

兼平先生からは、「私たちは忘れていないか?噛むことの大切さ」と題しましてご講演いただきました。ソフトフードの蔓延により現代人の噛む回数は低下し、食事時間が短くなっている現状についてお話されました。よく噛まないことにより、1.口の中が汚くなる、2.肥満になりやすくなる、3.消化管の働きが悪くなる、など健康に支障をきたします。さらに、なぜ噛まなくなったか、食育とは何か、唾液の役割とはについてのお話があり、よく噛むことが健康にどのように結びつくのか説明されました。

講師の高橋先生
講師の高橋先生

高橋先生からは、「北後志の子どもたちの歯科保健の状況」と題しましてご講演いただきました。3歳児、6歳児、12歳児のむし歯の罹患状況について、特に北海道平均や全国平均と比較してお話されました。むし歯が多い現状を踏まえ、むし歯の発生原因や予防について、おやつの頻度・仕上げ磨きの頻度・フッ化物の応用を中心に説明されました。

質疑応答では、なぜむし歯予防が大切なのかをもっと啓蒙していく必要があるのではないかなど、活発な意見交換がなされました。(中村光一)

NEWS(2014.11.27)
研修会のご報告

平成26年10月25日、北海道歯科医師会館5階会議室にて、「北海道歯科医師会の公衆衛生事業と方向性について」と題しまして、北海道歯科医師会元専務理事紺野純一先生、北海道歯科医師会常務理事松崎弘明先生をお招きして、研修会が開かれましたので、ご報告いたします。

当日は、出席者は本会会員を含む32名にご参加いただき、研修後には、質疑応答も行われ、盛会のうちに終了いたしました。

講師の紺野先生
講師の紺野先生

紺野先生は平成13年1月から、北海道歯科医師会のフッ化物応用検討委員会の委員として活動され、平成14年に「フッ化物応用に関する北海道歯科医師会の見解」を作成しております。研修会では、当時の委員会の人間関係や内情についてまじえながら、作成までの経緯についてお話いただきました。また平成21年6月26日公布・施行の北海道条例第62号「北海道歯・口腔の健康づくり8020推進条例」の制定とその第11条効果的な歯科保健対策の推進の条例文中に「フッ化物洗口の普及」への道の措置が明記されていることについて、また北海道歯科保健医療推進計画の重点項目の一つとして「保育所・小学校等でのフッ化物洗口の推進」があげられていることについてお話しいただきました。

また北海道歯科医師会の主な取り組みとして、第62回北海道歯科学術大会(平成21年8月23日)での「フッ素洗口シンポジウム」の開催、第65回北海道歯科学術大会(平成24年8月19日)での「フッ化物洗口推進ワークショップ」の主催、北海道教職員組合との懇談、フッ化物洗口普及研修事業の実施、「フッ素でぶくぶく」テレビCM、ラジオCMの製作、平成22年から23年度でのラジオ番組でのフッ化物洗口のアピール、「フッ素で歯ヂカラUP!」リーフレット作製、についてお話しいただきました。とりわけ『歯ヂカラUP』の文言には『歯の強化』と『端から(地域のすみずみから)強化』をかけた、紺野先生の強い思いがこもっているとお話しいただきました。

今後の公衆衛生活動の方向性として、関係諸団体との協働活動の強化、イベント志向から対面活動による普及へのシフト、フッ化物洗口の目標設定の変更(現在の「道内の各市町村にて1施設以上実施」から「道内の全児童・生徒の50%普及」へ)についてお話しいただきました。

講師の松崎先生
講師の松崎先生

松崎先生は、北海道歯科医師会の常務事理として活動されております。研修会では、フッ化物洗口の推進における北海道、北海道教育委員会、北海道歯科医師会の連携についてお話しされました。

北海道はフッ化物洗口推進への取り組みとして、北海道歯・口腔の健康づくり8020推進条例における第11条、北海道歯科保健医療推進計画の重点施策(平成22〜24年)、歯科保健医療推進のための施策における重点施策のそれぞれにフッ化物洗口の推進を明記しています。北海道教育委員会はフッ化物洗口推進への取り組みとして、推進指定校等の指定、研修会での周知・啓発、啓発資料の作成配布、関係諸団体への働きかけをしています。北海道歯科医師会の取り組みは、紺野先生のお話しされた通りとなっております。

フッ化物洗口の実施市町村数は、全179市町村のうち、平成21年で実施28、未実施151だったのが、平成23年で実施90、未実施89と、平成25年末で実施159、未実施20と、着実に「道内の各市町村にて1施設以上実施」達成へ歩みを進めています。

最後に、むし歯予防の最も優れた方法として水道水フロリデーションをあげ、その特徴として、最も経済的で効果的である、最も安全である、広範囲に恩恵をもたらす、生涯を通じてう蝕予防ができる、簡便である、平等に利用できる、との説明がありました。

質疑応答では、1歳6ヶ月健診などでのフッ化物塗布の推進についてや、フッ化物応用推進の理念と予算の現実について、またTVコマーシャルの継続の要望など、活発な意見交換がなされました。(南出保)

NEWS(2014.9.29)
道民公開講座のお知らせ

平成26年11月29日、余市町中央公民館にて、道民公開講座「8020ハッピーフォーラム in 余市」−8020は子供の笑顔から−が開催されます。参加希望者は、直接会場へお越しください。受講料は無料となっております。

日時 平成26年11月29日(土曜日)15:00〜16:30
会場 余市町中央公民館3階301会議室(余市町大川町4-143)

プログラム
講演1「私たちは忘れていないか?噛むことの大切さ」
   兼平 孝 先生(北海道大学病院・歯科診療センター 講師)
 よく噛むことは、唾液の分泌を高めることで、さまざまな味覚を感じる、食べ物の消化・吸収を良くする、口の中をきれいにするなどの効用があります。その他、よく噛むことは、肥満防止や精神状態の安定、認知症の予防など様々な有効性があります。“噛むこと”は“歩くこと”と同じくらい、私達の健康の維持増進にとって重要なことなのです。しかし現代の日本では、核家族化の進行により、家庭から「良く噛んで食べなさい!」という言葉が消えてしまいました。また、市販の加工食品は軟らかいものばかりで、私達は本当に噛まなくなっています。今回は、今注目を集めている食育の観点から、噛むことの意義を皆様にお伝えしたいと思います。

講演2「北後志の子どもたちの歯科保健の状況」
   高橋収先生(北海道倶知安保健所 主任技師)
 よく噛むためには、歯や歯ぐきを健康に保つことが大切です。歯を失うおもな原因である、むし歯や歯周病を予防するためには、子どもの時からの取り組みが欠かせません。今回は、北後志地域の子どもたちの歯科保健の状況、特に小児期に多いむし歯について、予防方法も含めて紹介します。

主催 後志歯科医師会、北海道子供の歯を守る会
共催 北海道倶知安保健所
後援 北海道歯科医師会、北海道歯科衛生士会、余市町

NEWS(2014.9.29)
第5回北海道口腔保健学会総会・学術総会のお知らせ

平成26年11月15日、北海道大学学術交流会館にて、第5回北海道口腔保健学会総会・学術総会が開催されます。多くの皆様のご参加を期待しております。

日時 平成26年11月15日(土) 12:30〜17:00(予定)(受付開始12:00〜)
会場 北海道大学学術交流会館(札幌市中央区北8条西5丁目)
大会テーマ 「若手研究者の完成を通じて考える、持続可能な保健政策」
大会長 南出保(札幌市開業)
会費 会員学会参加費 500円 非会員学会参加費 1,000円
学生(大学院生を除く)は無料
事務局 北海道大学大学院歯学研究科 口腔保健科学講座 予防歯科学教室

NEWS(2014.9.29)
研修会のお知らせ

平成26年10月25日、北海道歯科医師会館5階会議室にて、北海道歯科医師会の公衆衛生に精通したお二人の講師をお招きして下記の演題についてお話していただく予定です。ぜひ公衆衛生及び学校歯科の担当理事及び関係者の先生方の出席をお待ちしております。

演題 「北海道歯科医師会の公衆衛生事業と方向性について」
会場 北海道歯科医師会館5階第5会議室
日時 平成26年10月25日(土)16:15〜18:00
講師 北海道歯科医師会 元専務理事 紺野純一 先生
   北海道歯科医師会 常務理事 松崎弘明 先生
受講料 無料
    参加ご希望の方は、当日会場にお越しください。

NEWS(2014.6.9)
設立30周年記念特別講演会のご報告

平成26年4月26日、札幌アスペンホテルにて、北海道子供の歯を守る会設立30周年記念特別講演会ならびに記念式典が開かれましたのでご報告いたします。

特別講演会では、福岡歯科大学名誉教授、NPO法人日本むし歯予防フッ素推進会議会長の境脩先生と8020推進財団専務理事の深井穫博先生にご講演を賜りました。 以下に講演会と式典、祝賀会の写真を掲載いたします。(南出保)

■設立30周年記念特別講演会
ご講演中の境脩先生
ご講演中の境脩先生

境脩先生のスライド
堺先生のスライド

境脩先生のスライド
堺先生のスライド

境脩先生からは「フッ化物応用—比類なきその高い公衆衛生特性」と題しまして、新潟大学予防歯科にて開発されたフッ化物洗口プログラムが弥彦小学校からはじまり、全国に普及し、WHOに認められ、本邦の都道府県の口腔保健条例に結実するまでの歴史を、歯切れよくご紹介いただきました。また参加者への宿題として、フロリデーション中のフッ化物濃度と海のフッ化物濃度がほぼ等しいのは偶然か否か、と投げかけられました。

深井先生のスライド
深井先生のスライド

深井先生のスライド
深井先生のスライド

ご講演後の深井先生
ご講演後の深井先生

深井穫博先生からは「21世紀の口腔保健戦略」と題しまして、長寿化と社会保障について、そして本邦の主な保健政策の節目について、ご紹介いただきました。また歯科口腔保健の推進に関する法律に「口腔の保健が国民が健康で質の高い生活を営む上で基礎的かつ重要な役割を果たしている」という文言を入れることができた意義について、また平成24年の『医療計画について』においても「歯科口腔保健は、患者の生活の質を維持していく上で基礎的かつ重要な役割を果たすもの」と明記された意義についてご解説いただきました。そして歯と口腔の機能低下の最大の要因が歯の喪失であり、その主な原因がう蝕と歯周病にあることから、これらの口腔疾患の予防は個人はもとより社会が取り組むべき課題である、そのために口腔と全身の関係を踏まえたより効果的、効率的な社会保障、社会保険制度の再構築が求められると結ばれました。

■記念式典
ご来賓席
ご来賓席、右より北海道保健福祉部健康安全局地域保健課地域保険グループ主幹、北海道歯科医師会会長富野晃様、北海道歯科衛生士会会長武藤智美様

北海道保健福祉部健康安全局地域保健課地域保険グループ主幹より来賓祝辞
北海道保健福祉部健康安全局地域保健課地域保険グループ主幹より来賓祝辞

北海道歯科医師会会長富野晃様へ感謝状贈呈
北海道歯科医師会会長富野晃様へ感謝状贈呈

北海道歯科衛生士会会長武藤智美様へ感謝状贈呈
北海道歯科衛生士会会長武藤智美様へ感謝状贈呈

■祝賀会
葭内顕史会長よりご挨拶
葭内顕史会長よりご挨拶

NEWS(2014.3.10)
設立30周年記念特別講演会開催のご案内

北海道歯科医師会及び皆様方のご支援を戴きまして北海道子供の歯を守る会は此度設立30周年を迎える事ができました。心より感謝申し上げます。

設立30年記念特別講演会を下記の予定で開催いたしますので是非御出席下さいますよう、ご案内いたします。



日時 平成26年4月26日(土)
   PM3:00〜4:50

講師 ㈰福岡歯科大学名誉教授
    NPO法人日本むし歯予防フッ素推進会議会長 境脩 先生
    『フッ化物応用 − 比類なきその高い公衆衛生特性』
   ㈪日本歯科医師会理事
    8020推進財団専務理事 深井穫博 先生
    『21世紀の口腔保健戦略』

会場 札幌アスペンホテル(札幌市北区北8条西4丁目)

会費 無料

NEWS(2014.2.10)
道民公開講座のご報告

平成26年2月8日、苫小牧市のグランドホテルニュー王子にて、オリンピック女子平泳ぎ元日本代表田中雅美さん、北海道上川保健所主任技師丹下貴司先生、苫小牧歯科医師会公衆衛生学校担当理事三上格先生をお招きして、道民公開講座「8020スマイルフォーラム in 苫小牧」が開催されましたのでご報告いたします。

田中雅美さんには「アスリートとお口の関係」と題しまして、現役時代の経験などにつきまして、ご講演いただきました。当日は、出席者は本会会員を含む82名にご参加いただき、講演後には、パネルディスカッションも行われ、盛会のうちに終了いたしました。

以下に内容をご報告させていただきます。

■苫小牧歯科医師会会長挨拶
ご挨拶中の加藤清志先生
ご挨拶中の加藤清志先生

はじめに、苫小牧歯科医師会会長加藤清志先生より8020運動についてのお話がありました。8020運動は26年前に愛知県豊田市からスタートした歯科保健についての運動であることについて、そして、8020の実現には、子供のころからの予防が大切であることについてお話がありました。


■アスリートとお口の関係(田中雅美さん)
ご講演中の田中雅美さん
ご講演中の田中雅美さん

オリンピック女子平泳ぎ元日本代表田中雅美さんからは、アスリートと健康について、現役時代の失敗談を交えて、お話いただきました。現在では、アスリートはオリンピック代表に選ばれると国立スポーツ科学センター(totoの資金にて設立されたそうです)にて健康診断を受けることになりますが、2000年シドニーオリンピック前年の、1999年のパンパシフィック選手権では、そのような健康診断は必須ではありませんでした。アスリートは、健康に気を使う一方で、限界まで体を追い込んでトレーニングを行います。そのような状況もあり、歯の治療を放置している部分があったのですが、そのせいで、パンパシフィック選手権のためタスマニアにてトレーニング中に、歯の痛みと微熱が出てしまいました。そのときは結局、現地の病院で解熱をしてもらったり、現地の歯科で抜歯をすることになってしまい、大会では思うような結果を残せませんでした。しかし、翌年のシドニーオリンピックでは地元からFaxなどの応援もあり、個人では6位と7位の成績でしたが、メドレーリレーでは、銅メダルを獲得することができました。

日本は、ロンドンオリンピックから選手村の近くに、マルチサポートハウスと呼ばれる施設を準備し、そこでの食堂ではおいしい日本食が用意され、疲労回復のための交代浴、マッサージ室など、選手をサポートするさまざまな環境が整えられており、日本は過去最多38個のメダルを獲得しました。しかし、歯の痛みがあれば、食事も摂れず、このような施設があっても、疲労回復は不十分になることでしょう。

8020運動を知ったのは3年前のことですが、子供たちの夢の達成のためにも、歯を守る運動が広がるとうれしいと思います。


■北海道の8020推進条例ってなに?(丹下貴司先生)
ご講演中の丹下貴司先生
ご講演中の丹下貴司先生

歯の健康は全身に影響することが知られています。日本は男女合わせると世界一の長寿国ですが、日本が更なる長寿国を目指すうえで、歯を失う理由であるむし歯と歯周病はともに予防できる病気であるため、これらの対策が重要となってきます。

8020運動とは80歳まで20本以上歯を残そうという歯科保健運動です。北海道のむし歯の現状は、3歳児健診の時点で全国より虫歯が多く、12歳児では全国の一人当たり1.1本のところ、北海道では一人当たり1.5となっています。また成人期の歯の本数の平均は全国で14.2本のところ、北海道では11本、8020達成者は全国で40.2%のところ北海道では27.3%と、すべてのライフステージにおいて北海道は全国平均を下回っています

8020条例では科学的根拠に基づいたむし歯予防である、フッ化物を用いたむし歯予防を推進しております。道内でフッ化物洗口を1施設以上行っている市町村は、条例制定前の28市町村(平成22年4月)だったところ、現在では159市町村(平成25年12月)となりました。

これからも道内でのフッ化物洗口事業がいっそう普及しますよう、皆様のご協力をよろしくお願いします。


■苫小牧をむし歯のない子供が多い街にしたい(三上格先生)
パネルディスカッション中の三上格先生
パネルディスカッション中の三上格先生

子供の歯は幼稚園、小学校、中学校と進級するにつれ、乳歯、混合歯列、永久歯と代わります。その変化を通じて、生涯にわたり健康でいて欲しい、生涯にわたり自分の歯で食べて欲しいと思います。そのためには、やはり健康な歯が大切となります。

平成25年の12歳児むし歯本数は、全国で1.1本、北海道で1.5本、苫小牧で1.75本となっています。また、この数字には乳歯の虫歯が入っていないため実際の口の中のむし歯の本数はもっと多くなっています。また苫小牧では40%の児童に未処置の虫歯があり、これは家庭環境の違いを反映しているものと思われます。

苫小牧市は、フッ化物洗口を行っている新潟県村上市の10年前のむし歯の本数となっており、これらの差を縮めるためには、全学童に平等に恩恵のあるフッ化物の応用が必要だと思われます。フッ化物の応用法には、フッ化物配合歯磨き剤の利用、水道水へのフッ化物添加などがあります。健康を守るためにフッ化物を上手に利用しましょう。(南出保)

NEWS(2014.1.6)
道民公開講座のご案内

平成26年2月8日、グラントホテルニュー王子(苫小牧市)にて、道民公開講座「8020スマイルフォーラム in 苫小牧」−8020は子供の笑顔から−が開催されます。参加希望者は、直接会場へお越しください。受講料は無料となっております。

日時 平成26年2月8日(土曜日) 15:30〜17:00
会場 グランドホテルニュー王子 苫小牧市表町4丁目3−1

14:30〜15:15 お口のケア“チェック&アドバイス”セルフコーナー
       フッ化物洗口体験コーナー
プログラム
15:30〜16:00 特別講演「アスリートとお口の関係」
       田中 雅美さん スポーツコメンテーター、オリンピック女子平泳ぎ元日本代表
       アスリートにとっても、歯は大切です。歯の状況でパフォーマンスにも影響が出てしまいます。現役時代を通して感じたこと、体験したことなど、アスリートとお口の関係をお話します。

16:00〜16:20 講演1「北海道の8020推進条例ってなに?」
       丹下 貴司先生 北海道子供の歯を守る会理事(北海道上川保健所主任技師)
       北海道では平成21年6月に全国で2番目となる歯科保健医療に関する条例(北海道歯科・口腔の健康づくり8020推進条例)が施行されました。条例とは地方自治の精神に基づき、地方自治体が定めることのできる地方独自の政策を実現するための地方の法律です。道ではこの条例に基づき、むし歯予防のためのフッ化物洗口法の普及など具体的な施策を実施しています。今回は、この8020推進条例制定の背景、具体的施策などについて説明します。

16:20〜16:40 講演2「苫小牧をむし歯のない子供が多い街にしたい」−苫小牧のフッ化物洗口事業について−
       三上 格先生 苫小牧歯科医師会公衆衛生学校担当理事
       “子ども達が健康に育って欲しい”これは子をもつ親、共通の願いです。むし歯は子どもの病気の第一歩であり、年を取ったときに歯を失う原因もまた小さなむし歯から始まります。むし歯を作らないことが健康な生涯につながり、その基礎は幼児期から学童期にかけて築かれます。フッ化物は歯が生えて間もない“新しい歯”に最も高い効果が現れます。フッ化物洗口を推進し、苫小牧市は『むし歯のない子どもが多い街』と言われる“健口苫小牧の街づくり”を進めることを提案します。

16:40〜17:00 パネルディスカッション「子供の笑顔を守り、8020を達成するためには」
       コーディネーター 馬場 宏治先生 北海道歯科医師会常務理事

NEWS(2013.10.21)
会員研修会のご報告

平成25年10月19日、北海道歯科医師会館5階会議室にて、北海道大学大学院歯学研究科口腔機能学講座小児・障害者歯科学講座 八若保孝教授先生をお招きして、会員研修会が開催されましたのでご報告いたします。

八若先生には「吸指癖 − もっとも大変なアプローチ」と題しまして、吸指癖についての従来の知見、そして最新の知見につきまして、ご講演いただきました。当日は、出席者は本会会員を含む27名にご参加いただき、講演後には、活発な質疑応答も行われ、盛会のうちに終了いたしました。

以下に内容をご報告させていただきます。

■ 指しゃぶりの影響

吸指癖、指しゃぶりは、口腔周囲組織のさまざまな形態と機能に、次のような影響のサイクルをもたらします。

 指しゃぶりの持続から、歯列への影響→不正咬合への移行→口輪筋の緊張異常→口腔機能の異常→発音への影響→歯列への影響→…

歯列への影響には、V字歯列、上顎前歯唇側傾斜、下顎前歯舌側傾斜があります。不正咬合への移行には、上顎前突、開咬があります。口輪筋の緊張異常には、上唇翻転、口唇閉鎖不全があります。口腔機能の異常には、舌突出癖、異常嚥下癖、口呼吸があります。発音への影響には、サ行、タ行、ナ行の発音、顎発育への影響があります。これらの影響はさらに心理的な影響を招きます。また、心理的な影響がこれらの機能に影響及ぼすこともあるかと思われます。

開咬には、垂直的開咬と水平的開咬があります。垂直的開咬は片側性交叉咬合、水平的開咬は上顎前突となってあらわれます。

■ 指しゃぶりの考え方

指しゃぶりの考え方は、立場により見解が異なります。小児歯科医は、不正咬合の進行を防止し、口腔機能を健全に発達させる観点から、早くやめさせたい、小児科医は、指しゃぶりは生理的な人間の行為であるので、無理にはやめさせない、臨床心理士は4歳以上まで指しゃぶりが持続する場合には、背景に生活環境が影響しているので、問題行動のひとつとして対応する、という見解を示しています。

平成18年には、小児歯科学会と小児学会からなる「小児科と小児歯科の保健検討委員会」が指しゃぶりについての考え方について見解(http://www.jspd.or.jp/contents/main/proposal/index03_05.html)を示しています。そこでは幼児期は、指しゃぶりの消失を見守る、学童期ではより積極的なアプローチ、明らかな要因への対応が必要というスタンスになっています。

■ 小児歯科での対応

小児歯科では、指しゃぶりとその影響に対して、指・口・舌へアプローチすることになります。

指へのアプローチは、しゃぶることの阻止を目的としており、物理的アプローチと味による対応があります。物理的アプローチは、指しゃぶりに使う指にテープ・サビオを巻く、両手を丸手袋・ハイソックスで覆う、ネイルアートを施す、ドクターサムなどの商品をつかう、などがあります。これらのアプローチは、指をしゃぶれなくする効果や(しゃぶっても口腔内を陰圧にできないため)指しゃぶりの満足感・充足感を妨げることによる指しゃぶり消失への期待があります。味による対応には、苦味つきのマニキュア塗布、わさび・からしなど刺激性の薬味塗布があります。これらは、指しゃぶりに不快感を付与することによる指しゃぶり消失への期待があります。

口へのアプローチは、指の挿入の阻止を目的としており、マスクや口腔内への装置(習癖防止装置)があります。親指を口蓋に挿入する指しゃぶりでは、上顎に装置を装着します。指を曲げて口腔底に挿入する指しゃぶりでは、下顎に装置を装着します。

舌へのアプローチは、舌習癖の除去を目的をしており、舌癖除去装置があります。舌癖除去装置はタングガード、タングクリブ、パラタルクリブがあります。これらは筋機能療法(MyoFunctional Therapy)と併用が効果的です。MFTの教本には、わかば出版の舌のトレーニングなどがあります。

吸指癖はなかなか除去できません。忍耐強く子どもと向き合いましょう。焦らないこと見守ることが重要です。実践できたことはほめてあげてください。(南出保)

ご講演中の八若先生
ご講演中の八若先生

ご講演中のスライド
ご講演中のスライド

NEWS(2013.10.3)
会員研修会のお知らせ

平成25年10月19日、北海道歯科医師会館5階会議室にて、北海道大学大学院歯学研究科口腔機能学講座小児・障害者歯科学講座の八若保孝教授をお招きして会員研修会が開かれます。奮ってご参加いただきますよう、よろしくお願い申し上げます。

演題 「吸指癖 − もっとも大変なアプローチ」

講師 北海道大学大学院歯学研究科
   口腔機能学講座小児・障害者歯科学講座 八若保孝教授

日時 平成25年10月19日(土曜日)
   16:15〜17:45
会場 北海道歯科医師会館5階会議室
受講料 無料
    参加ご希望の方は、当日会場にお越しください。

NEWS(2013.9.15)
恵庭市の小学校でフッ化物洗口が開始!

平成25年7月から、恵庭市恵内の全小学校で実施されているフッ化物洗口の記事がありましたので、ご紹介します。

http://www.tomamin.co.jp/2013072260

虫歯にならないぞ! 恵庭市の小学校でフッ素うがい (2013年 7/3)

虫歯の予防効果があるとされるフッ化物洗口(うがい)が、7月から恵庭市内の全小学校で実施されている。当面は4〜6年生を対象に行い、秋に1〜3年生に拡大する。市教委の穂積邦彦教育長は「児童の虫歯予防になれば」と話している。

記事へのリンク

NEWS(2013.8.7)
会員研修会のご報告

平成25年7月20日、北海道歯科医師会館2階視聴覚室にて、滋賀県南部健康福祉事務所(草津保健所)主任技師若栗真太郎先生をお招きして、会員研修会が開催されましたのでご報告いたします。

若栗先生には「正しく理解して、伝えたい!ミュータンス菌の垂直感染 〜食器の共用、口移しを防ぐことでう蝕は予防できるのか〜」と題しまして、ミュータンス菌の垂直に関しましての知見の変遷と最新の知見につきまして、ご講演いただきました。当日は、出席者は本会会員を含む38名にご参加いただき、講演後には、活発な質疑応答も行われ、盛会のうちに終了いたしました。

以下に内容をご報告させていただきます。

講演では現時点での垂直感染予防に関する誤解を紐解くにあたり、19世紀に遡り1960年代Keysの研究から新生児の無菌的口腔にS.mutans「いつ」・「どこから」感染するかの研究が始まったことを示し、年代毎に齲蝕が感染症であること、生活習慣病と捉えられるようになったきっかけの研究の一部を抜粋され、母子垂直感染研究を裏付ける研究を紹介された。それらの研究から「食器の共有と齲蝕との関連なし」「食器の共有と口腔内のS.mutans量との関連なし」「食器の共有とS.mutans定着との関連あり」「食器の共有による齲蝕発生への影響あり」「キスの習慣とS.mutans定着との関連あり」と示唆された。そして「垂直感染予防行動と齲蝕発生」の関係が明らかになっていない状況から2011年若栗先生と昨年度健康格差について講演したいただいた相田先生との研究タイトル『保護者の垂直感染予防行動と3歳児の齲蝕との関連』が報告され「垂直感染予防行動と齲蝕発生とは関連ない」という新たな知見が報告された。

これらの知見から、何をすれば、あるいは何をしなければ母子垂直感染を防ぐことができるのかは、明らかにはならなかったが【「母子垂直感染」=「子供の齲蝕が発生」とはいえない】、【「垂直感染予防行動」=「子供の齲蝕予防」とはいえない】と結論づけられた。

確かに齲蝕は母子間での垂直感染が原因の1つと考えるが、齲蝕を防ぐにはミュータンス菌等の齲蝕病原性菌量のコントロールと同様に、食生活等の生活習慣のコントロールが大切である。つまり、齲蝕病原性菌や歯周病原性菌等による生物学的な要因だけではなく、食生活や口腔衛生習慣等の生活習慣や行動による要因を同時に考え、母親に生活の中で知恵を絞り、工夫してもらうことがより賢明であろう。

私毎ではありますが1995年に長男を生んでいます。母子歯科保健指導が話題となっている時期だったので、齲蝕経験歯数12本の私は、母子垂直感染を防ぐ為に乳歯崩出8カ月頃から離乳食の温度や柔らかさを口腔で確かめることができない事やスプーンや食器の共有を控えるようにする事、咳・くしゃみにも気をつける等々普段の生活行動が限られてくることへのイライラ感や、祖父母が我が子にスキンシップする行為をハラハラしながらその限界を感じ、カイスの輪を基本としステファンカーブを思い浮かべ仕上げ磨きを徹底しようと誓ったことを覚えています。

先生は専門家の責務としてこまめなエビデンスのアップデートを心がけ、新しい情報に基づく、自分の保健指導、治療方針を準備する。そして行政の立場から一般の人々が解釈しえない情報を吟味し、相手の予防や治療の選択技を広げたうえで最良と考える指導、治療を提示し、相手に判りやすく伝えることであるとまとめられた。まだ評価の定まらない新しい研究結果や科学的議論が報道される昨今、我が体験を振り返り、謙虚に研鑽する必要があると感じた。(角田裕子)
ご講演中の若栗先生
ご講演中の若栗先生

ご講演中のスライド
ご講演中のスライド

NEWS(2013.7.13)
会員研修会のお知らせ

平成25年7月20日、北海道歯科医師会館2階視聴覚室にて、滋賀県南部健康福祉事務所(草津保健所)主任技師若栗真太郎先生をお招きして、会員研修会が開かれます。
歯科衛生士3月号の内容を直接ご解説いただく、とってもタイムリーな研修となっております。奮ってご参加いただきますよう、よろしくお願い申し上げます。

近年、複数の研究により齲蝕病原性菌の母子垂直感染が裏付けられてきました。以来、母子垂直感染を防ぐ為に口移しや食器を共有しないなどの予防方法が多くの育児書などで一般に啓発されています。しかし現在までのエビデンスを検証してみると、「垂直感染予防行動=むし歯予防」にならないと示唆する研究論文も発表されています。

今回は「歯科衛生士」3月号でそんな疑問に答えてくれた、若栗先生をお招きして、今あるエビデンスを検証しながら、お母さん達への適切な伝え方を整理していただきます。
多くの方々のご参加を、お待ちいたしております。

正しく理解し、伝えたい ミュータンス菌の垂直感染
  〜食器の共有、口移しを防ぐことでう蝕は予防できるのか?〜

講師 滋賀県南部健康福祉事務所(草津保健所)主任技師 若栗真太郎 先生
日時 平成25年7月20日(土曜日)
   14:15〜16:15
会場 北海道歯科医師会館2階視聴覚室
受講料 無料

NEWS(2013.4.20)
定時総会時記念講演会のご報告

平成25年4月20日、札幌エルプラザ3階ホールにて、神奈川歯科大学大学院口腔衛生学講座荒川浩久教授をお招きして、第30回北海道子供の歯を守る会定時総会時記念講演会が開かれましたのでご報告いたします。

荒川教授には「各ライフステージにおける口腔管理の進め方〜歯科口腔保健法の推進に関する法律〜」と題しまして、歯科口腔保健の推進に関する法律の解説ならびに新しい様式に生まれ変わった母子健康手帳について、そして口腔管理の実際に関して、ご講演いただきました。当日は、総会出席者は本会会員38名、講演会出席者は本会会員を含む62名にご参加いただき、講演後には、活発な質疑応答も行われ、盛会のうちに終了いたしました。

以下に内容をご報告させていただきます。

本日は、各ライフステージにおける口腔管理の進め方と題してお話しますが、最も大切なのはフッ化物の応用です。

平成23年8月2日、第177会国会で可決・成立した「歯科口腔保健の推進に関する法律」では、(目的において)「口腔の健康が健康で質の高い生活を営む上で基礎的かつ重要な役割を果たしている」と明記されており、そのうえで(基本理念として)「乳幼児期から高齢期までのそれぞれの時期に於ける口腔とその機能の状態及び歯科疾患の特性に応じて、適切かつ効果的に歯科口腔保健を推進すること」、このため(歯科医師等の責務として)「国及び地方公共団体が歯科口腔保健の推進に関して講ずる施策に協力するよう努めるものとする」とされています。さらに(歯科疾患の予防のための措置等において)「国及び地方公共団体は、個人的に又は公衆衛生の見地から行う歯科疾患の効果的な予防のための措置その他の歯科口腔保健のための措置に関する施策を講じるものとする」となっており、実際には平成20年度から現在28都道府県において成立している口腔保健法・条例を後押しする内容を含んでいます。

この歯科口腔保健の推進に関する法律に基づき定められた「歯科口腔保健の推進に関する基本事項」(平成24年7月23日公表)では、ライフステージごとの特性を踏まえ乳幼児期、学童期、成人期(妊産婦である期間を含む。)、高齢期に分けて目標・計画を設定していますが、この全てのライフステージの計画に明記されているのがフッ化物の応用です。また平成24年度に改定された母子健康手帳でも、うがいやむし歯予防の有効な手段としてフッ化物の利用について記載されました。平成25年2月には8020推進財団が「歯は一生のパートナー むし歯0作戦!」というリーフレットを作成しましたが、このリーフレットでもやはりフッ化物応用について明記されており、フッ化物配合歯磨剤の正しい使い方、フッ化物洗口、フッ化物歯面塗布、フロリデーションについての解説があります。

昨年度に開かれた第61回日本口腔衛生学会・総会のメインテーマとして“プラークコントロールマイニング”を掲げました。このプラークコントロールマイニングとはプラークの除去、形成抑制、病原性のコントロールからなりますが、この病原性のコントロールはプラークを除去しきれない可能性を認めたうえで、病原性をコントロールしようという概念ですが、ここでもやはりフッ化物の応用をかかすことはできません。

 ライフステージごとの口腔管理

乳児期の口腔保健管理では、ガーゼなどにより口腔・歯面を清拭する。また低濃度フッ化物液による歯磨き、あるいは泡状フッ化物配合歯磨剤(Check-up form)の利用が、寝かせ磨きに適している。

幼児期の口腔管理では、擦りつける程度の少量のフッ化物配合歯磨剤でみがく。小さな子どもでも受け入れられる低香味の製剤を選択する。3歳以降では自身による歯磨きの練習が必要になる。自分で磨くシミュレーションのためには、背後からフッ化物配合歯磨剤を利用して磨くとよい。またフッ化物歯面塗布は「トレー法」に準じ、塗布時間は4分間とするのが望ましい。

4歳からはフッ化物洗口もできるようになる。厚生労働省フッ化物洗口ガイドラインは、フッ化物洗口について、4歳から老人まで適応されるが、とくに4歳から14歳までの継続実施が望ましい、他のフッ化物局所応用と併用実施しても安全上問題ないし、アレルギーや骨折、ガンなどとの関連もない、としている。

学齢期の口腔保健管理では、小学生は混合歯列になり、う蝕感受性が高く、中学生では歯肉炎の急増や歯周炎の発生する時期であることから、フッ化物配合歯磨剤を利用した歯磨き・フッ化物洗口の継続とともに、デンタルフロスの併用が薦められる。日本人は1日の歯みがき回数は多いがヘッドの小さいブラシを好むため、歯磨剤使用量が少なくなることが問題点として挙げられる。効果的なフッ化物配合歯磨剤の使用法として、0.5g以上の使用、15mlによる3〜4秒の洗口を1回、1日2回以上、ブラッシング中の吐き出しは控える、継続使用すること、がある。

成人期の口腔保健管理では、隣接面や歯頚部からのう蝕発生と歯周炎が問題となる。

妊娠期における口腔管理の進め方では、女性ホルモンの関係から、歯肉炎を起こす菌が増加し、プラーク付着は少量でも歯周病のリスクが高まる。妊婦の歯周病は早産リスクが7.5倍高く、低体重児出産のリスクを高める可能性があるために注意を要する。

超高齢社会を迎えた日本における歯科問題には、根面う蝕があり、その処置の難しさから予防が重要である。

現在のフッ化物応用のグローバルスタンダードは、すべてのう蝕リスクのすべての年齢の人々に、水道水フロリデーションをはじめとするフッ化物全身応用と、1日2回以上のフッ化物配合歯磨剤の使用、う蝕リスクに応じたフッ化物歯面塗布とフッ化物洗口の追加である。日本では、フッ化物の全身応用が実施されていないので、歯の萌出とともに1日2回のフッ化物配合歯磨剤の利用、1歳半からのフッ化物歯面塗布、4歳からのフッ化物洗口を組み合わせる。(南出保)

総会にてご挨拶いただいた富野晃北海道歯科医師会会長
総会にてご挨拶いただいた富野晃北海道歯科医師会会長

ご講演中の荒川教授
ご講演中の荒川教授

NEWS(2013.3.9)
定時総会時記念講演会のご案内

予防関係で各界で広くご活躍されている荒川先生をお迎えし、下記の演題で興味あるご講演を戴くことになりました。年度初めでお忙しいこととは存じますが、ぜひご参加くださいます様、ご案内申し上げます。

第30回北海道子供の歯を守る会定時総会時記念講演会のご案内

演 題 『各年代に於ける口腔管理の進め方について』
講 師 神奈川歯科大学健康科学講座 口腔保健学分野 教授 荒川 浩久 先生
日 時 平成25年4月20日(土) PM2:45〜4:45
場 所 札幌エルプラザ3Fホール(札幌市北区北8条西3丁目)
受講料 無 料

NEWS(2013.2.25)
主催研修会のご報告

平成25年2月23日、北海道歯科医師会館4階第1会議室にて、本会理事で北海道保健福祉部健康安全局主任技師の丹下貴司先生、 北海道宗谷保健福祉事務所保健福祉部の高橋収先生をお招きして、北海道子供の歯を守る会主催研修会が開かれました。当日の天候にも恵まれ、本会会員を含む25名にご参加いただき、講演後には、活発な質疑応答も行われ、盛会のうちに終了いたしました。以下に内容をご報告いたします。

新学期に向けておさらいしよう?フッ化物洗口のQ&A?

北海道では幼稚園、小学校におけるフッ化物洗口が普及してきており、新年度を迎えるにあたって、再度フッ化物洗口に対する知識を各テーマに分けて復習しました。

A. フッ化物・フッ化ナトリウム
薬局で購入できるのか?
ガラスを溶かすと聞いたが本当か?
フライパン等のフッ素コーティングとは違うものなのか?

B. 昨今のフッ化物応用
国内や道内の実施状況はどうか?
日本でも水道水フッ化物濃度調整をしていたそうですが、なぜやめたのか?
どうしてフッ化物洗口が普及しないのか?

C. むし歯の状況
世界のむし歯の状況
日本・北海道のむし歯

D. むし歯予防
お茶による洗口
フッ化物配合歯磨剤

E. 安全性
WHOのテクニカルレポート
米国のフロリデーション

F. 環境問題
各種法規との関係
廃棄について

G. 試薬と市販製剤
試薬の採用
製剤の倍量使用

H. 薬剤の分包・洗口液の調整
薬剤の計量・分包
指示書

I. 薬剤の保管(管理)
フッ化物洗口剤の管理
洗口液の使用期限

J. フッ化物洗口の位置づけ
フッ化物洗口は医療行為か

以上のテーマにおける、フッ化物洗口に関する素朴な疑問に対して、詳細な解説が行われました。(中村光一)


ご講演中の丹下先生
ご講演中の丹下先生

ご講演中の高橋先生
ご講演中の高橋先生

NEWS(2013.2.20)
水道水フロリデーション研修のお知らせ

日本むし歯予防推進会議のホームページにて水道水フロリデーション研修のお知らせがありましたのでご紹介いたします。

http://www.nponitif.jp/newpage170.html

NEWS(2013.1.10)
主催研修会のお知らせ

平成25年2月23日、北海道歯科医師会館4階第1会議室にて、北海道子供の歯を守る会主催研修会が開かれます。参加希望者は、直接会場へお越しください。

北海道子供の歯を守る会主催研修会

平素より本会の活動にご協力を賜り誠にありがとうございます。道内でもフッ化物洗口を行う幼児、児童が増えてきています。今後、教育関係者を初め多くの一般の方々から、フッ化物及び洗口に関する質問が増えてくると考えられます。それらの質問に、わかり易く的確に答えられる様、研修会を開催いたしますので、多くの方々の参加を、お待ちいたしております。

テーマ 「新学期に向けておさらいしよう、フッ化物洗口のQ&A」
講師 本会理事 丹下 貴司先生
   本会理事 高橋 収先生
日時 平成25年2月23日(土曜日)
   16:00〜18:00
会場 北海道歯科医師会館4階第1会議室

NEWS(2013.1.10)
道民公開講座のご報告

平成24年12月8日、小樽経済センタービル4Fにて、道民公開講座「0歳から100歳までの歯っぴーフォーラム」が開催されました。講師として北海道大学病院歯科診療センターの兼平孝先生をお招きし、子どもの歯と顎の発達、口腔乾燥症、口臭、咬む健康法についてお話いただきました。以下に内容をご報告させていただきます。

子どもの歯を顎の健全な発達において重要なことには、健康増進に関することと、虫歯の予防に関することがあります。健康増進においては、成長発育に必要なホルモンの分泌が乱れないように早寝、早起きの生活習慣を確立すること、そして、1日3回の食事、とりわけ朝食においてバランスの取れた栄養を摂取することが大切です。また外遊びや適切な運動も大切で、これらは、骨や筋肉などの成長に必要な刺激と日光によるビタミンDの活性化をもたらします。

食事をよくかむことは、むかしから、消化に良い、美味しく食べられる。発育に良い、唾液分泌を促す、口の中をきれいにする、という意義が知られていましたが、近年では、肥満の防止、精神状態の安定、脳の血流量の増加、認知症の予防などに関連することが、明らかになってきています。

虫歯の予防においては、正しい歯磨き、間食の適切な摂取、かかりつけの歯科医をもつこと、フッ素の応用、唾液を出す生活が大切です。虫歯予防にはフッ素の応用が有効であり、北海道も、北海道歯・口腔の健康づくり8020条例において、フッ化物洗口の普及をうたっています。

 口腔乾燥症の話

年をとるとともに唾液がでなくなることがあります。ドライマウス、口腔乾燥症とよばれる症状です。これは口渇、いわゆる「のどの渇き」とはことなり、唾液の量が減ることによる、持続的な口の乾燥であり、水を飲んでも効果は一時的なものにとどまります。典型的な症状には、口の渇き、乾いたものが食べにくい、虫歯や歯周病の悪化、ひどい口臭、摂食嚥下の困難、味覚や嗅覚の異常があります。原因として、口呼吸、薬の副作用、全身の病気、加齢、ストレス、食生活の変化、放射線治療後の後遺症があります。ドライマウスへの対応は、原因に応じて、原因除去、対症療法、生活指導などがありますが、治療はまだ発展途上という面もあります。

 口臭の話

いわゆる口臭とは、口の臭いと吐く息の臭いの混じったものであり、しゃべる、食べる息を吐くなど、口を開けた時に出る臭いです。通常無臭または軽度の臭いであり、これは生理的な口臭と呼ばれます。口臭の原因には、口の中の乾燥、歯磨きの不良、歯や歯茎の病気、膿栓、特定の病気がありますが、しばしば複数の要因が関与しています。また生活が不規則な人やしゃべるのが仕事の人、唾液を減らす可能性のある薬を服用する人は、口の中が乾燥しやすく、やはり口が臭くなりやすい傾向があります。また朝起きときや緊張のあと、お腹がすいたときは誰でも口が臭くなりやすいです。さらに気にしていた臭いが、口臭ではなく加齢臭ということもあります。口臭の対策としては、健康増進、唾液の出る生活が重要であり、また口の中の垢をスポンジブラシで落とすことも効果的です。

 かむ健康法

ホーレス・フレッチャーは健康法において、本当に空腹を感じるまで食べないこと、よく噛むことを提唱しました。また日野原重明先生は「病気にならない15の食習慣」において、よくかむことで、脳が活性化されると説いています。地三郎先生は「100歳時代を生き抜く力」にて、よく噛むと身体まで健康になる、長生きしたければ「ひとくち30かみ」、認知症予防もかむことから、とかむ大切さを説きました。(南出保)

ご講演中の兼平先生
ご講演中の兼平先生

会場の様子
会場の様子

当日の小樽は、あいにくの強い吹雪に見舞われましたが、地域住民や学生、地元の報道機関をふくむ42名にご参加いただき、兼平先生の講演後には、活発な質疑応答も行われ、道民公開講座は、盛会のうちに終了いたしました。

NEWS(2012.11.13)
道民公開講座のご案内

平成24年12月8日、小樽経済センタービル4Fにて、道民公開講座「0歳から100歳までの歯っぴーフォーラム」が開催されます。参加希望者は、直接会場へお越しください。受講料は無料となっております。

日時 平成24年12月8日
会場 小樽経済センタービル4F

プログラム
8020(80歳で20本以上の歯を残す)を達成するには、0歳からの予防対応が大切です。自分の歯でよく食べ、良く噛み笑顔で一生涯健康でいられる為の効果的な予防法をお話しいたします。

15:30〜15:45 開講のあいさつ
        北海道子供の歯を守る会 会長 葭内顕史
15:45〜16:45 「子供から大人までのお口の健康法」
        北海道大学病院 歯科診療センター予防歯科講師 兼平孝先生

 お口は「健康の源」とも言われているようになってきました。それは、心と身体の間に密接な関係があるように、お口と全身疾患にも関係があることが証明されてきているからです。
 今回は、子供から大人までのお口の健康法のポイントをお話させて頂きます。例えば、中学生までだとフッ素洗口の効果、キシリトールの効果、生活習慣の重要性などがあげられます。高齢になるにつれ、口腔乾燥や口臭などが気になってきますので、その対処法をお話しさせていただきます。

16:45〜17:00 参加者を交えての座談会
17:00    終講

申込要領:直接会場へお越しください
受講料:無料

主催:北海道子供の歯を守る会
後援:社団法人北海道歯科医師会・社団法人北海道歯科衛生士会・一般社団法人小樽市歯科医師会
   社団法人北海道歯科衛生士会小樽支部・小樽歯科衛生士専門学校同窓会

NEWS(2012.11.06)
会員研修会のご報告

平成24年10月13日、北海道医療大学サテライトキャンパス12Fにて第75回会員研修会が開催されました。講師として、旭川市で歯科医院を経営している副院長林晴美先生を招きし、「頑張りすぎない歯科予防」という演題で講演していただきました。

参加者は32名でした。以下に内容をご報告いたします。

1989年、林医院開設から現在の予防歯科体制になるまでの経営とシステムの変化とプロセスについて講話された。当初はユニット6台、歯科医師2名、歯科衛生士3名、受付1名で開設。しかし同年12月に挫折、歯科医師以外のスタッフが定着せず、原因はスタッフとの距離感がなくなった事、理念がない事に気づき、1992年4月から新しいスタッフに経営方針を伝え定着するためにPDCAサイクル(play do check action)を導入、研修システムを確立していくが人を育てるのは時間がかかり、2004年ウェルビーイング、2005年CHP、2006年つがやす歯科医院研修会にも参加し、システムをモデリングすることから始める。また歯科大学で学べなかった経営学について2009年4月小樽商科大学ビジネススクールに通い2011年経営法MBAを取得。マーケティングに対する経営方針と方法を学ぶ。

林歯科医院の理念である【もてなす】心を大切したいという思いから医院が開いている時間に患者さんが通ってもらうのではなく、患者さんが通える時間に医院を開ける(夜間診療・日曜診療)。また1997年7月から通えない患者さんにはこちらから出向く訪問診療を開始し現在6台の車で訪問を行っている。

2011年1月現在の場所に移転しDr9名、歯科衛生士20名・助手13名・技工士2名・受付事務11名総勢55名(非常勤含む)で一般歯科、小児、矯正、インプラント、審美歯科、メインテナンス、往診、口腔ケアなど患者さんの幅広い要望に答えられる体制を整えている。

良い医療を行う為には 歯科医院の経営方針である理念を持ち、医療のコアとそれに向かう組織力が必要である。患者さんには最優先に耳を傾け、最高の環境で最高の技術を提供し続けることが笑顔と満足感を与えメインテナンスに来院、経済に繋がっていると思われる。(角田裕子)


ご講演中の林先生
ご講演中の林先生

ご講演中の林先生
ご講演中の林先生

NEWS(2012.10.05)
第3回北海道口腔保険学会総会・学術大会のご案内

平成24年11月10日、かでる2・7にて北海道口腔保健学会の総会が開かれます。奮ってご参加下さい。

日時 平成24年11月10日(土)12:30-16:30
会場 かでる2・7 北海道道立道民活動センター
   札幌市中央区北2条西7丁目 道民活動センタービル
大会テーマ 北海道の子どもたちの健康格差の解消を目指して

プログラム
大会長挨拶 12:30-
総会 12:40-
一般口演 13:10-

シンポジウム テーマ「健康格差解消とフッ化物洗口」
趣旨説明 14:05- 座長 丹下貴司
基調講演 14:10- 「健康格差と社会的決定要因」
         東北大学大学院准教授 相田潤先生
パネルディスカッション 15:05-16:30 「道内におけるフッ化物洗口の普及について」
 ○歯科医師会の立場から    社団法人旭川歯科医師会副会長 井合典郎先生
 ○大学の立場から       北海道大学病院歯科診療センター講師 兼平孝先生
 ○道行政の立場から      空知総合振興局保健環境部保健行政室主任義歯 秋野憲一先生
 ○北海道教育委員会の立場から 渡邉祐美子先生  
 ○導入した施設の立場から   社会福祉法人常徳会 平岸興正保育園保健師 竹林友紀先生

学会参加費
会員500円、非会員1000円
北海道歯科医師会会員は無料です

NEWS(2012.9.25)
会員研修会のご案内

平成24年10月13日、北海道医療大学サテライトキャンパスにて林歯科医院の林春海先生をお招きして、会員研修会を開催いたします。

日時 平成24年10月13日(土曜日)17:00-18:30
演題 「頑張り過ぎない予防歯科」
場所 北海道医療大学サテライトキャンパス
   札幌市中央区北4条西5丁目アスティ45 12階
講師 旭川市開業 林歯科医院 林春美先生

NEWS(2012.8.28)
フッ化物洗口ワークショップのご報告

平成24年8月19日、札幌パークホテルにて北海道歯科医師会の上田昇先生をお招きして、フッ化物洗口ワークショップが行われました。

以下にワークショップの内容をご紹介させていただきます。

フッ化物洗口推進ワークショップ報告
1 日 時 平成24年8月19日(日)11:00〜12:30
2 場 所 札幌パークホテル
3 従事者 
(1) 講  義:上田 昇(北海道歯科医師会)、葭内顕史(北海道子どもの歯を守る会)
(2) 寸劇スタッフ:阿部浩保、行木隼人、中村光一、兼平 孝、藤澤雅子、瀧川裕子(北海道子どもの歯を守る会)、木下隆二、魚津修二(北海道歯科医師会)、渡邉祐美子(北海道教育庁学校教育局)
(3) 解  説:丹下貴司、高橋 収、新里勝宏(北海道子どもの歯を守る会)
(4) 司  会:樋口俊夫(北海道子どもの歯を守る会)

4 内 容 上田先生の講義では、主に歯科医師会のフッ化物洗口に取り組むスタンス等のお話があり、葭内先生の講義では、フッ化物洗口法をなぜ学校で実施しなければならないか等のお話がありました。寸劇では、寸劇のなかの発言に潜む問題点をグループで討議したものを発表し、それに対する解説がありました。以下に問題となった発言と解説の要点を記載します。

㈰「フッ化物洗口を受けていれば、歯磨きしなくてもむし歯になりにくくなります。」
→解説:う蝕予防に対するエビデンスが低いことから、口腔清掃を否定するのは不適切。

㈪「児童全員にフッ化物洗口を受けていただく予定としております。」
→解説:フッ化物洗口は全員に強制する事業ではない。

㈫「校長先生が職務として命令したら従うのでは?」
→解説:「業務が増えることは確かだが、子どもたちのむし歯予防、一生の健康を作る礎となるというメリットを理解して、何とか折り合いをつけていただきたい。」と理解を求める。

㈬「むし歯は伝染病ではありませんが、むし歯菌の感染による感染症です。」
→解説:「感染予防に力を注ぐべき」との意見が出る可能性があります。

㈭「濃度を倍にして900ppmにするとか、450ppmの週1回法で済ませるとか」
→解説:450ppmの週1回法では十分な効果は期待できませんし、2倍量にして900ppmとすることは、用法・用量を逸脱するので、推奨できません。

㈮「貧困家庭では、むし歯が多い上に治療も受けていない・・こういった子ども達のため」
→解説:「治療費の補助を手厚くすべき」など、かえって反発が強くなる恐れがあります。

㈯「フッ化ナトリウム試薬は特に保管を厳重に行う必要はない」
→解説:鍵のかかる場所で保管し、管理者を明確にし、出納簿をつける必要があります。

㉀「学校で試薬を計量する」
→解説:学校薬剤師または歯科医師が計量します。

㈷「薬品を溶かす作業を私(養護教諭)が行って良いものなのでしょうか?」
→解説:薬品を溶かす作業は特に資格を必要としません。

㉂「何かあったときの責任は」
→解説:万が一事故等が発生した場合は、個人の責任が問われることはありません。

5 感想等 女優陣の迫真の演技がすばらしかったという声が多かったです。(中山司)

ご講演中の上田先生
ご講演中の上田先生

ご講演中の葭内先生
ご講演中の葭内先生

寸劇の様子
寸劇の様子

ご講演中の相田先生
寸劇の様子

NEWS(2012.7.21)
会員研修会のご報告

平成24年7月21日、北海道歯科医師会館で東北大学大学院歯学研究科相田潤准教授をお招きして、研修会が行われましたので報告致します。

相田准教授には、健康格差とフッ化物洗口“社会疫学からの示唆”についてご講演いただきました。以下にご講演の内容をご紹介させていただきます。

健康日本21(第二次)の方向性に、貧困等の様々な生活条件への配慮や健康格差の縮小が掲げられた。3歳児のう蝕有病者率をみると明確な地域格差が認められる。この傾向は複数の報告が出された20年程前から概ね変わっていない。地域ごとに高低が明確で、地域により20%以上もの格差が存在する。有病者率が低い地域も数多く存在する以上、高い地域の有病者率を同水準まで下げることは物理的に不可能なことではないはずだ。本来有病者率が低い地域においては避けられているう蝕の発生が、高い地域では避けられずに相対的に有病者率が高くなっているのである。これだけでも格差の減少に取り組むべき理由になる。また、このような格差は所得や学歴といった社会経済状態が比較的良好な地域ではう蝕有病者率が低く、そうでない地域では高いことが明らかとなっている。こうした社会的決定要因は個人の健康を左右し、健康格差の最も大きな原因となる。

健康格差解消のためには社会的決定要因への働きかけが必要で、例えば、学校でのヘルスプロモーション、タバコの規制などが考えられる。健康に良くない社会環境で健康に良い行動をとるよりも、健康に良い社会環境の中で、健康に良い行動をとるほうが健康にとっては良く、そのためにも社会的決定要因への働きかけが重要であり、歯科でいえばフロリデーション(水道水へのフッ化物添加)や幼稚園、学校などでのフッ化物洗口など、共生への発想の転換が必要である。(中村光一)

ご講演前の相田先生
ご講演前の相田先生

ご講演中の相田先生
ご講演中の相田先生

NEWS(2012.7.15)
健康安全局による資料のご案内

北海道庁保健福祉部地域保健課健康安全局のページにて、歯科保健の各種資料が公開されていますので、ご紹介します。

北海道庁保健福祉部地域保健課健康安全局

 →平成24年4月の組織機構改正により、健康安全局地域保健課となりました。

北海道歯・口腔の健康づくり8020推進条例第8条に基づいた「北海道歯科保健医療推進計画」

その他にも
・「北海道市町村歯・口腔の健康づくりガイドライン」
・「北海道フッ化物洗口ガイドブック【実践編】(第2版)」
・「フッ化物洗口でむし歯予防」(リーフレット)
・市町村母子歯科保健指導マニュアル[第2版](平成18年3月発行)
など、各種資料がpdfで公開されています。

NEWS(2012.7.1)
会員研修会のご案内

平成24年7月21日、北海道歯科医師会館にて、東北大学大学院歯学研究科相田潤准教授をお招きして、会員研修会が開かれます。

日時 平成24年7月21日(土曜日)16:00-18:00
演題 「健康格差とフッ化物洗口−社会疫学からの示唆−」
場所 北海道歯科医師会館 第一会議室
講師 東北大学大学院私学研究科 相田潤 准教授

NEWS(2012.6.8)
道民公開講座のご報告

平成24年4月21日、アスティ45にて、北海道保健福祉部健康安全局地域保健課地域保健グループ丹下貴司主任技師と北海道大学大学院歯学研究科八若保孝教授をお招きして、道民公開講座が開かれましたので報告いたします。

丹下主任技師は、北海道の口腔保健とフッ化物洗口の普及状況について解説されました。北海道は平成22年度において、1人平均むし歯本数が1歳6ヶ月児で全国41位、12歳児で46位(平成23年度では40位)、成人が歯を失い始める年齢は全国平均と比較して10歳早い、8020達成者割合は、全国平均の6割未満、とのことです。またフッ素洗口の普及につきましては、北海道8020推進条例の施行により、平成22年4月に28市町村であったのが現在90市町村まで広がっているとのことでした。

八若教授には、お母さんから見たお口の健康と赤ちゃんからみたお口の健康について、ご講演いただきました。以下にご講演の内容をご紹介させていただきます。

女性は妊婦さんになると、肉体だけではなく、子供を授かった高揚感・マタニティーブルー、パートナーとの関係など精神的にも変化をします。今年は10年ぶりに母子健康手帳が改正され、このようないろいろな変化の書き込みが可能になりました。また北海道歯科医師会では母と子の健口パスポートとして、母子健康手帳では補えない歯科的問題点に焦点を当てた手帳も市町村へ配布しています。

妊婦さんの栄養については、いまどきは、やせすぎの妊婦さんが増加しており、切迫早産・早産・低出生体重児を分娩リスクが高くなってきています。厚労省・農水省の食事バランスガイドを目安に、食塩を少なく、カルシウムや鉄の豊富な食事を意識することが大切です。妊婦さんのお口の中のトラブルには口腔衛生の不良による妊娠性歯肉炎、不良な詰め物やむし歯の影響する妊娠性エプーリス、ビタミンB不足やホルモンバランスが影響する口内炎などがあります。妊婦さんは、おなかの赤ちゃんの成長にともない胃が圧迫され、一回の食事量の減少と食事・間食回数の増加により、口腔衛生が不良になりがちです。たばこやアルコール、薬や病気が、胎児に影響して、早産や低出生体重児のリスクを高めるといわれていますが、最近進行した歯周病から放出される炎症物質もこれらのリスクを高める可能性が指摘されています。妊娠中はバランスのとれた食生活、定期的な健診や歯石の除去などお口のケアを受けることが大切です。また出産後は授乳中の服薬にも注意しましょう。

赤ちゃんからみたお口の健康では、授乳時に問題となる先天性歯(リガ・フェーデ病)があります。これは哺乳障害の原因となり、脱水や栄養障害を招くほかに、母親の乳首に創傷をつくるため、治療が必要になることもあります。また口唇裂・口蓋裂も哺乳障害の原因となります。摂食機能が発達し、吸綴(吸いかつすすること)、捕食(口にくわえること)ができるようになると、離乳・卒乳の時期になります。厚労省は1歳6か月を目安にしていますが、小児科・小児歯科では2歳までを目安としています。母乳の摂取は、赤ちゃんにとって最高の精神的満足であり、離乳時期の延長傾向が認められてきていますが、2歳6か月以上になるとう蝕が多くなるため注意が必要です。

赤ちゃんのお口の清掃は、ガーゼでの拭掃、ガーゼになれてきたら小さい歯ブラシ、奥歯が生えてきたら小児用歯ブラシへと段階的に歯ブラシへと慣れさせながら行います。むし歯の予防には、ミュータンス菌の減少、歯質の強化、糖分のコントロールが重要です。子供へのミュータンス菌の伝播は遅いほど虫歯予防には有効ですが、スキンシップとのバランスが大切です。フッ化物は歯質の強化・再石灰化の促進だけではなく、最近への作用もあり、生育抑制・酸酸性を抑制しむし歯を予防します。シーラントにより小窩裂溝を封鎖し、最近侵入を防止することができます。またフッ化物の徐放による予防効果も期待されます。

八若教授の講演後には、活発な質疑応答が行われ、道民公開講座は、盛会のうちに終了いたしました。

道民公開講座後には、総会も行われ、堅田前会長の退任と名誉会長への就任、葭内新会長の選任など、重要な案件があったものの、スムースに取り決められ、幸先よく平成24年度の運営が執り行なわれました。

NEWS(2012.3.20)
会員研修会の報告

平成23年2月25日、北海道母子福祉センターにて、北海道医療大学の斎藤正人教授をお招きし、会員研修会が開かれました。以下に研修会の内容を紹介させていただきます。

「MIに基づくう蝕予防」

FDAの提唱するMIの概念は、2000年の「いかに侵襲を減らすか?」というものから2002年の「MIによるう蝕管理」へと変化してきています。「MIによるう蝕管理」には、非う窩性病変の再石灰化を促す、という原則があります。これは言い換えるなら、フッ化物の効果が表れやすいような口腔内環境の整備が重要である、ということとなります。

口腔内環境の整備の前処置として欠かせないのが、フィッシャーシーラントです。シーラント材には、レジン系のものとグラスアイオノマー系のものがあります。

レジン系シーラント材にはティースメイト(クラレメディカル)などがありますが、処置歯がう蝕になることが多々あります。この原因として、う蝕原生菌が多い、口腔内環境が悪い、う蝕の上にシーラントを行ってしまった、シーラント材の気泡混入や練和不足などが考えられていますが、斎藤先生の臨床経験からは、リン酸エッチング処理の煩雑さ、過剰な歯質脱会のリスクなどが関係しているのではないか、ということです。

グラスアイオノマー系シーラント材には、フジ㈽(松風)などがありますが、防湿に敏感ではない、フッ化物がリチャージされる、フッ化物イオン放出による抗菌効果、過脱灰が必要ではない、といった利点があります。グラスアイオノマー系シーラント材の欠点としては、練和作業が必要、審美性が低い、接着性が低いといった部分があります。

近年、レジン系とグラスアイオノマー系の長所を備えたシーラント材の開発が進んでいます。ビューティーシーラント(松風)は、過脱灰ではなくホスホン酸系モノマーによる脱灰の抑制とキレート結合による接着、S-PRGフィラー含有によるフッ化物イオン放出などの特徴を備えています。


研修会の最後には、斎藤教授と参加者との間で、活発な質疑応答が行われ、盛会のうちに終了いたしました。(南出保)

NEWS(2012.1.26)
8020推進条例の報告のご紹介

本会顧問の佐々木健先生(北海道保健福祉部健康安全局)による「北海道歯・口腔の健康づくり8020推進条例がもたらした施策へのインパクト」の報告が、保健医療科学に掲載されてます。

フッ化物洗口実施市町村の年次推移(条例施行後の急速な増加)など、最新の情報が掲載されております。ぜひご覧ください。

http://www.niph.go.jp/journal/data/60-5/201160050004.pdf

NEWS(2011.11.19)
会員研修会のご案内

平成23年2月25日の会員研修会のご案内です。

日時:平成24年2月25日(土曜日)15:30〜17:30
会場:北海道母子福祉センター(札幌市中央区北1条東8丁目)
講師:北海道医療大学歯学部 口腔構造昨日発育系小児歯科学分野教授 斎藤正人先生
演題:「MIに基づくう蝕予防」
会費:無料

出席者は直接会場にお越しください。

NEWS(2011.11.19)
第72回会員研修会の報告

平成23年11月12日、北海道母子福祉センターにて、財団法人新潟県歯科保健協会より山田智子事務局長をお招きして、第72回会員研修会が行われました。以下に、研修会の内容をご紹介させていただきます。

「受診者に持続的行動変容をもたらすコミュニケーション技術〜標準的な成人歯科健診プログラム・保健指導マニュアルに基づく効果的な支援方法について〜」

これまでの歯科健診における歯科医師の役割は主に、口腔内診査でしたが、新しい歯科健診では、従来の疾病発見型から、行動・環境リスク発見型・行動変容型への転換が求められるようになりました。この新しい健診の指針として、日本歯科医師会では、標準的な成人歯科健診プログラム(以下「生活歯援プログラム」)を推進しています。

この生活歯援プログラムでは、質問用紙に記入された答えを類型化し、どのような支援が必要かを決定します。そのため、歯科医師・歯科衛生士は、受診者とのコミュニケーションがこれまで以上に求められます。

生活歯援プログラムを理解するため、参加者は、アイスブレイキング(自己紹介)として、「自分について好きなところ3つとその理由」の書きだし、コミュニケーション基本スキルとして、コミュニケーションと聞き手の態度の関係のシミュレーションを行いました。また保健指導のkey pointとして、思いつく限りのほめ言葉の書き出し、アサーティブ(非攻撃的)コミュニケーションのためのDESC法(Describe:客観的描写、Empathize:相手の気持ちに共感、Specify解決策、妥協策の提案、Choose:選択)、傾聴(心で聴く)、オウム返し・復唱(キーワードを読み解く)、ペーシング(同調)、質問法(オープン/クローズドクエスチョン)の使い分け、想像力を引き出す(未来を見る、問題の解決方法を追求する)コーチングの技法、(外界・内面・解釈・決定に関する)思考の壁を打ち破る質問、マイルドな表現に言い換える方法などの実習を行い、五感を使って外部と内部を観察し、相手に寄り添う「支援」についての理解を深めました。

現在は保健センター等の機関での健診に用いられている「生活歯援プログラム」ですが、今後は、地域の歯科医院でのフォローアップが必要となります。そのためにも、歯科医師・歯科衛生士のコミュニケーション能力の向上が求められています。今度とも、継続的に研修を行い、コミュニケーションのスキルアップに努めなければいけないと、感じられました。(南出保)

NEWS(2011.10.21)
第72回会員研修会のお知らせ

11月12日の第72回会員研修会の概要をお知らせします。

受信者に持続的行動をもたらすコミュニケーション技術
〜標準的な成人歯科検診プログラム(生活歯援プログラム)に基づく効果的な支援方法について〜
講師 財団法人新潟県歯科保健協会事務局長 山田智子 先生
定員 60名
受講料 無料
お問合せ先 子供の歯を守る会事務局

NEWS(2011.2.23)
日弁連意見書について

「NPO 法人日本むし歯予防フッ素推進会議は、日本弁護士連合会「集団フッ素洗口・塗布の中止を求める意見書」に関して、以下の見解を表明しておりますので、ご紹介させていただきます。

オリジナルは日本むし歯予防フッ素推進会議のサイトにあります。

 平成23年2月16日

 各位

 NPO法人日本むし歯予防フッ素推進会議

 会長 境 脩

 春寒の候、皆様におかれましては、ますますご健勝のこととお慶び申し上げます。
 平成23 年1 月21 日付、日本弁護士連合会「集団フッ素洗口・塗布の中止を求める意見書」(以下「意見書」)を詳細に検討しましたところ、医学的見地から見て「誤謬に満ちたもの」であること、社会的影響が少なくないことを認識し、ここに本会としての見解を表明いたします。
 そもそも弁護士の方々は、医学・歯学の専門職でなく、何かを主張する人の代弁者として法律の専門職といえます。今回の「意見書」では、私たち歯科保健の専門職としての立場から拝見しますと、文末に列挙されている文書、文献、またその引用原著論文の部分的な記述のみが取り上げられ、本旨や結論が無視され、「明らかな誤り」となっているところが多々見受けられました。
 さらに、「意見書」の趣旨として、フッ化物利用の「安全性に問題がある」としていながら、個人利用やすでに普及しているフッ化物配合歯磨き剤については問題視していません。「安全性に問題ある」ならば、利用方法の如何を問わず問題とす べきであり、「意見書」そのものに矛盾が生じます。以上、フッ化物応用の「安全性や有効性に問題がある」とする根拠に乏しいことから、むしろ「意見書」趣旨の後段にある「フッ化物洗口の実施現場で強制、自己決定権が侵害されている」、と断 じていることに主張が込められているのではないかと推察されます。しかし、全国の事例から、フッ化物洗口実施施設において、90%以上が実施希望である一方、数%の未実施者がいることは、事実上自己決定権が保障されている証拠になっています。
 願わくは、今回の話題が、全国で公衆衛生活動に専心している関係者の願い「日本の将来を背負う子供たちが世界一むし歯の少ない歯並びと健康を持って欲しい」という希望が、日本中に届けられる好機となって欲しいと考えます。
 以下、添付文書「NPO 法人日本むし歯予防フッ素推進会議の見解」をご参照いただけましたら幸いに存じます。なお、フッ化物洗口・フッ化物歯面塗布に関する疑問、質問がありましたら、下記連絡先までお寄せ下さい。

[連絡先]
NPO 法人 日本むし歯予防フッ素推進会議 事務局
〒271-0061 松戸市栄町西2-870-1 日本大学松戸歯学部社会口腔保健学講座
TEL&FAX: 047-360-9356

日本弁護士連合会「集団フッ素洗口・塗布の中止を求める意見書」に関する
「NPO 法人日本むし歯予防フッ素推進会議の見解」

1) 安全性
 日弁連「意見書」で、フッ化物洗口・歯面塗布は「安全性に疑問ある」としている論拠を精査したところ、長年にわたり医学・歯学の専門領域で蓄積されてきた科学的知見が公正に考慮されておらず、事実誤認や不合理な論旨が多々見受けられる。 その結果、国内外の医学・歯学専門機関の見解と相違した趣旨となっている。
 1日1回または1週1回のフッ化物洗口に際して、飲み込まれるフッ化物は少量で、WHO が推奨する水道水フッ化物濃度調整(フロリデーション)で摂取されるフッ化物量に比べて5 分の1 程度と少なく、国際的に推奨されている必要栄養素の基準に満たない量である。また、フッ化物歯面塗布は年に2〜4 回と実施頻度が少なく、専 門家の責任で実施されているもので、用量用法に従えばフッ化物の過剰摂取の心配は無く、安全性が高い。実際、国際的に見ても、長年に亘りフッ化物洗口、フッ化物歯面塗布を用量用法に従って実施している地域から、有害性の報告はない。

2) 有効性(予防効果)
 国内外の広範囲な調査結果から、フッ化物洗口、フッ化物歯面塗布のむし歯予防効果は、時代背景やフッ化物配合歯磨き剤の普及状況によって幅があるものの、30〜80%の予防率が期待でき、今日もなお有効であるとの評価が得られている。わが国において、フッ化物洗口を40 年前から実施している地域からの報告によると、小児・学童期に経験した成人のむし歯は全国平均に比べて半分以下の結果となっている。

3) 必要性
 今日、わが国でも小児のむし歯は減少、12歳児でも2本以下となった。しかし、先進国に比べ依然として高く、未だ先進諸外国の約2倍のレベルにある。また都道府県格差、地域格差、個人格差も強く残っている。小児期に発生した1本のむし歯は、生涯にわたって増大し続ける負担となる。また、口腔の健康が全身の健康や生活の質に大きく係わっていることは医学専門機関の一致する見解となっている。
 仮にここでフッ化物洗口を中止したとすれば、そのグループでのむし歯数の増大という健康被害が生ずることを認識しなければならず、さらに、当然のことながら莫大なむし歯治療費負担が増すことも容易に予測される。今後とも、フッ化物洗口をわが国で普及する意義が高い。

4) 施設での実施について
 学校・園等施設において行われるフッ化物洗口は、児童・教員・保護者に対して、その必要性、有効性、安全性、安全な実施方法などの説明がなされ、保護者の同意を基に実施することとなっており、学校保健管理として位置付けがなされている。
 フッ化物洗口は国際的にも広く普及しており、禁止している国は一つもない。このような方法に沿って実施されるフッ化物洗口の普及を図るため、厚生労働省は「フッ化物洗口ガイドライン」(2003年)を示している。

5) 最後に
 「フッ化物を用いたむし歯予防方法は、高い安全性が認められており、最も有効な公衆衛生的方策である」との結論は、WHO 他、世界150 を超える医学・歯学・保健専門機関により合意されている。わが国においても、日本歯科医学会(1999 年)、日本歯科医師会(2000 年)、日本口腔衛生学会(2002 年)、厚生労働省(2003 年)、日本学校歯科医会(2005 年)により、本方法の有用性と安全性が一貫して確認され、表明されている。本会はこれら見解を全面的に支持するものである。

NEWS(2011.1.31)
道民公開講座のお知らせ

平成23年4月16日、札幌エルプラザにて、本会の主催にて道民公開講座が開催されますので、以下に概要をお知らせいたします。

道民公開講座
フッ化物洗口で守ろう歯の健康
-8020は子供の笑顔から-

日時:平成23年4月16日(土)
   開場 14:00 開講 14:30〜終講 16:15

会場:札幌エルプラザ 3階 大講堂
   札幌市北区北8条西3丁目(札幌駅北口より徒歩5分)

受講料:無料
    (当日は直接会場にお越し下さい)

主催:北海道子供の歯を守る会
後援:社団法人北海道歯科医師会・社団法人北海道歯科衛生士会

プログラム
8020(80歳で20本以上の歯を残す)を、達成するには、小児期からの予防対応が大切です。一生涯健康で、よく食べ、良く噛み、笑顔で生活するための効果的な方法をご紹介します。

14:30〜14:40 開園の挨拶 北海道子供の歯を守る会 会長 堅田 進
14:40〜15:25 科学的根拠に基づいたこれからのむし歯予防
       〜北海道歯・口腔の健康づくり8020推進条例とフッ化物洗口
       北海道空知総合振興局保健環境部保健福祉室(岩見沢保健所)
       主任技師 秋野 憲一 先生

       平成21年6月、道議会において「北海道歯・口腔の健康づくり8020推進条例」が成立し、「学校等におけるフッ化物洗口の普及」が条文に明記されました。北海道の子どもたちは、全国平均に比べむし歯が非常に多い状況が続いており、道外で顕著な成果を上げているフッ化物洗口を北海道でも普及することを目指しています。子供たちの歯の健康を守るための「決め手」として条例にまで明記されたフッ化物洗口について解説します。

15:25〜16:10 歯並び、噛み合わせのかぎ 六歳臼歯を守ろう
       北海道医療大学歯学部小児歯科 教授 五十嵐 清治 先生
       乳歯と交換するのではなく、乳歯の歯並びの奥に生えてくる六歳臼歯(第一大臼歯)は、永久歯の歯並びや噛み合わせを決める大事な歯です。そのため六歳臼歯は「咬合の鍵」と言われます。六歳前後に生えてくる永久歯なので六歳臼歯とも呼ばれます。永久歯の中では最も噛む力が強く、自分の体重を支える程の力があります。ところが永久歯のなかで最初に虫歯になり、最初に失われる率の高い歯でもあります。そこで今回は、何故六歳臼歯(第一大臼歯)が「咬合の鍵」と言われるか、そして何故虫歯になりやすく、永久歯の中で何故最初に失われるのかを解説したいと思います。

16:15 終講 

会員研修会(2010.11.13)
斉藤仁先生 会員研修会(2009年11月13日)報告便り

今年の会員研修会は、平成22年11月13日、アスティ45にて「ゼロからはじめる予防歯科」と題して、さいとう歯科室の斉藤仁先生をお招きして開催されました。私事ですが、筆者が大学を卒業して、歯科医師1年目で最も印象に残った研修会が、斉藤先生の研修会で、それ以来「開業するときは斉藤先生の診療スタイルを目標にしたい」と思っておりましたが、9月に開業したばかりの私が、こうしてスタッフを連れて、もう一度斉藤先生のお話を聞けるというのは、(勝手ながら)なんらかの縁を感じずにはいられません。

それはさておき、簡単に研修会の内容をご紹介させていただきます。

「ゼロからはじめる予防歯科」

斉藤先生は1991年春に大学をご卒業された後、96年には札幌で分院長を経験され97年に夕張郡栗山町にご開業されました。そこで歯科医師の治療レベルの向上が患者さんの健康を守る、と考え、手を抜かず丁寧な修復治療を心がけていたとのことです。しかし、臨床の中で、「修復物の脱離や歯根破折、歯肉縁下カリエス、義歯の難症例に遭遇すると、技術が悪いのか?更なる技術の向上が必要なのか?一生懸命やっても何かすっきりしない、悶々とした日々を感じるようになってきた」、とのことでした。

そのような状況で当時「予防」というキーワードで、日本ヘルスケア歯科研究会や福岡予防歯科研究会(現ウェルビーイング)といった活動が全国的になる中で、斉藤先生は、設立趣旨にて「医療は、いつの時代にあっても、常に医療を受ける人々の利益となることを第一義とし、人々の健康で快適な生活に貢献するものでなければならない…(中略)…しかしながら、現在の医療、とくに歯科医療について語ろうとするとき、果たして私たちは、胸を張って社会に貢献していると言えるだろうか」と謳う日本ヘルスケア歯科研究会に参加されました。そして、う蝕・歯周病の発症を予防し、進行を抑制するための最大限の努力をしなければならないと考え、医療人としての自覚を強め、予防ベースの歯科診療室への決意を固めたとのことでした。

あなたにもできる予防ベースの歯科診療室の作り方
ここでは、斉藤先生による予防ベース歯科診療室を作るうえでのSTEPをまとめます。
STEP 1
歯科医師が予防の重大さに気がつき、予防ベースの診療室を作ることを決意する
従来型の臨床に予防診療をくっつける、あるいは並列させるのではなく、従来型の臨床の基礎の部分に予防を据えることが重要。そのためには、歯科医師の強い決意が欠かせない。
STEP 2
チーム医療の確立
チーム医療を確立するために、「悪くなってから修復を繰り返す従来型の歯科医療ではなく、疾病を未然に防ぎ、口腔の健康を守り育てる歯科医療を行う」という診療理念と「う蝕の発症を予防する。軽症・中等度の歯周病を確実に治す」という診療方針をスタッフと共有する。院内ミーティング、勉強会、セミナー、講習会に院長とスタッフが一緒に参加することが重要。
STEP 3
システムを構築し診療の流れを確立する
さいとう歯科室では、問診表記入、口腔内診査、主訴の解決、口腔内写真、デンタル10枚法、食生活問診表、カリエスリスク、歯周組織検査、プラークレコードなどの診療の流れをシステムとして構築。さらに治療終了後にはSOT(Supportive Oral Therapy)としてメインテナンスに移行する前にホームケアとプロフェッショナルケアの意義を理解してもらうためのサポート期間を設けている、とのことです。

最後に「予防ベースの診療室は口腔の健康を通じて患者さんの全身の健康、 QOLの向上に寄与でき、患者さんに寄り添いながらともに人生を歩み続けることが大切」として、研修会をまとめられました。

久しぶりにお聞きした斉藤先生のお話は、前にもまして予防ベースの歯科診療室の未来を確信されている様子で、とても心強く感じられました。

南出保記す

NEWS(2010.9.10)
第34回むし歯予防全国大会ついて

9月25日(土)に、第34回むし歯予防全国大会が開催されます。今年は北海道で開催!!のため、北海道子どもの歯を守る会の会員も一部、開催に協力しております。奮ってご参加いただきますよう、よろしく申し上げます。ご不明な点につきましては、第34回むし歯予防全国大会事務局まで、お問い合わせをお願いいたします。

2. 大会テーマ
「地域保健の新たな潮流 」フッ素で歯ヂカラUP!〜8020推進条例を基盤として〜!

3. 主催 NPO法人日本むし歯予防フッ素推進会議(略称:NPO日F会議)

4. 共催 北海道歯科医師会、北海道歯科衛生士会、北海道子供の歯を守る会

5. 後援(予定) 日本歯科医師会、8020推進財団、日本学校歯科医会、日本歯科衛生士会、日本口腔衛生学会、日本WHO協会、北海道、北海道教育委員会、札幌歯科医師会、北海道歯科技工士会、北海道医師会、 北海道薬剤師会、北海道栄養士会、北海道新聞社、旭川歯科医師会、空知歯科医師会

6. 協賛 日本歯磨工業会

7. 開催日時 平成22年9月25日(土)13:30〜

8. 会場 北海道歯科医師会館2階ホール
  札幌市中央区北1条東9丁目11番地 TEL: 011-231-0945

9. 対象 歯科医師、歯科衛生士、保健師、学校教育関係者、一般道民

10. 申込先 大会事務局:〒932-0231
  北海道石狩郡当別町金沢1757
  北海道医療大学歯学部保健衛生学分野内
  第34回むし歯予防全国大会事務局
  電話・FAX: 0133-23-1595
  メール: i-chiba@hoku-iryo-u.ac.jp

第34回むし歯予防全国大会プログラム

13:00     受付開始
13:30〜14:00 開会挨拶 第34回むし歯予防全国大会長        富野 晃
            NPO法人日本むし歯予防フッ素推進会議会長  境 脩
       祝辞   北海道知事                高橋はるみ
            北海道教育委員会教育長          高橋教一

シンポジュウム
第㈵部 14:00〜15:20 「北海道歯・口腔の健康づくり8020推進条例」に基づくフッ化物洗口の推進について
     パネラー  北海道歯科医師会              川原敏幸
           登別市教育委員会教育部長          内藤繁
           北海道空知保健福祉事務所保健福祉部     秋野憲一                        
10分間休憩

第㈼部 15:30〜16:30 現場で役立つ 説得力のあるフッ化物のQ & A
           進行     北海道子供の歯を守る会
10分間休憩

第㈽部 16:40〜17:50 日本各地におけるフッ化物洗口の現況から学ぶ              
           秋田県ではなぜ急速に実施人数が増えたのか
             秋田県健康保健部健康推進課主査     田村光平
           島根県における問題解決型のフッ化物洗口の普及
             島根県雲南保健所総務保健部課長     梶浦靖二
           洗口実施児童率全国一の佐賀県からの最新報告
             佐賀県伊万里保健福祉事務所所長     岩瀬達雄

18:00 閉会挨拶  北海道子供の歯を守る会 会長          堅田 進

18:30〜20:30 懇親会(サッポロビール園までバスで移動)

NEWS(2010.3.30)
愛知県におけるフッ化物洗口実践の評価について

愛知県の公式ウェブサイトでは、学校現場における10年間のフッ化物洗口の取組みと事業評価の事例をまとめ、「フッ化物洗口実践集〜学校現場の取組みと工夫&事業評価〜」を作成・公開しています。

「フッ化物洗口実践集〜学校現場の取組みと工夫&事業評価〜」を作成しました

NEWS(2009.12.20)
平成21年6月16日の道議会本会議について

北海道議会の公式ウェブサイトでは、「平成21年6月16日の本会議」が公開されました。「北海道歯・口腔の健康づくり8020推進条例案」の修正議決に至る会議録が公開されましたので、お知らせしておきます。

平成21年6月16日の本会議(すべて文書化されています)

平成21年6月16日の本会議(音声が公開されています)

当サイトでは、フッ化物洗口につきましては、特集 集団フッ化物洗口にて扱っております。厚生労働省医政局長・健康局長連名でのフッ化物洗口ガイドラインや学校実施での洗口の法的根拠、フッ化物洗口 北海道教育委員会の議会答弁などもご紹介しておりますので、あわせてご覧くださいませ。

会員研修会(2009.10.25)
中村譲治先生 会員研修会(2009年10月25日)報告便り

2009年10月の会員研修会では、2008年11月の築山先生に引き続き、予防歯科を通じて明るい歯科医院づくりをめざしているという、NPO法人well-beingの中村譲治先生をお招きし、医療の最終目的や歯科医療の目指すものについて、お話しいただきました。特に予防歯科につきましては、スタンダードや原則、システムから実際まで、きめ細やかにお話しいただき、さっそく明るい歯科医院づくりを目指し始めている参加者も数多いのではないでしょうか。

以下に内容をかいつまんで、まとめました。

大好き予防歯科〜明るい歯科医院づくりをめざして〜
 講師:中村譲治 先生 福岡市 なかむら歯科医院 院長
 日時:平成21年10月25日(日) 9:45〜11:45
 会場:札幌市教育文化会館 3階 研修室 305

■医療の最終目的は健康な住民を増やすのが目的です
中村先生は、まず、歯科医師法第一条にある「国民の健康な生活」という表現を評価し、健康な住民を増やすことが医療の最終的な目的である、と強調しました。

■健康ってなに?
「健康な生活」を評価するため、Smith(1983)の整理した4つの健康モデルを示され、なかでも4つめにあたる健康モデル(Eudaimonistic Model, Maslo)から、健康とは、健やかに生きる(well-being)、自己実現(self-realization)ができている状態である、とのことでした。

■歯科医療がめざすものは?
これらの整理から、歯科医療が目指すのは、健康(health)を通じた生活の質(QoL)の向上であり、また人々の幸福(well-being)の追求である、と示され、人々の誕生から寿命を迎えるまで、全てのプロセスで元気で幸せに暮らせるようにすること、そのため環境(家庭、職場、学校、地域)の整備に専門家として関わることが重要である、とのことでした。

■予防歯科のスタンダードとは
ここからは、開業医の誰もができる予防歯科をめざして、というサブテーマで、予防歯科のスタンダードについてお話いただきました。

■臨床予防歯科の原則
導入部分の知見から、予防歯科の原則として、以下のようにまとめられました。1)ゴールはwell-being。2)主役は患者自身。3)長期に継続した来院。4)健康教育と環境整備を視野に入れる。5)予防のベースはフッ化物。

■予防歯科のスタンダードなシステムとは
同様に、予防歯科のスタンダードなシステムとして、1)治療終了から定期健診につなげるオリエンテーション。2)定期的なリコールを無駄なく確実に来院者に伝えるインフォメーション。3)継続的サポートを的確なものとする記録のファイリング。4)診断結果に基づく予防処置を実施する診療体制。5)スムースで無駄のない健康教育が実施できるようにするスタッフ間のコミュニケーション、が必要とのことです。

■予防歯科に必要な知識と技術
同様に、予防歯科に必要な知識と技術として、1)基礎的なう蝕と歯周病の病因論。2)健康教育の理論とその技術。3)効果的な健康教育を可能にするコミュニケーションの理論と技術。4)的確な予防計画が立案できるための診断能力。5)フッ素塗布、シーラント、プロービング、PTCを実施できる理論と技術、を挙げられました。

■システムづくりに必要な作業
まとめとして、このようなシステムづくりに必要な作業として、1)院内のコンセプトづくり。2)定期健診のオリエンテーションの内容の検討。3)定期健診の説明パンフレットやオリエンテーション時のプレゼンの媒体作成。4)定期健診予約カードのデザイン及び作成。5)治療開始から入金、リコールまでの流れ図とシステムづくり。6)定期健診開始時の問診表の作成。7)定期健診用カルテの作成。8)来院から健診、予防処置、次回予約までの流れと各スタッフの役割の決定、等を挙げられ、予防歯科のスタンダードとは院内のコンセプトづくりからはじまる、包括的な取り組みであると理解しました。
ご講演中の中村先生1

ご講演中の中村先生2

南出保 記す

NEWS(2009.9.8)
地方自治体オリジナルのフッ化応用マニュアルについて

仙台市青葉区によりますと、平成20年度、仙台市内の幼稚園・保育所(園)では51箇所がフッ化物洗口法を実施していますが、その仙台市の諸団体の参画している歯と口の健康づくりネットワーク会議は、平成16年度に、全ページカラーで編集された、色鮮やかなフッ化物応用マニュアルを公開しています。

歯と口の健康づくりネットワーク会議
仙台市、(社)仙台市医師会、(社)仙台市歯科医師会、(社)仙台市薬剤師会
仙台市教育委員会、仙台市市立幼稚園連合会
仙台市PTA協議会、仙台市保育所連合会、東北大学大学院歯学研究科
宮城県歯科衛生士会、宮城県産業保健推進センター

歯と口の健康づくりマニュアル
フッ化物応用マニュアル html版 pdf版

鳥取県西部地区では、保育園・幼稚園に「フッ化物洗口」を普及させることを目的として、「強い歯つくるフッ化物洗口事業」を実施しており、そこで、マニュアル、パンフレット、チラシを作成しています。

鳥取県西部総合事務所福祉保健局福祉企画課
フッ化物洗口実施マニュアル
フッ化物洗口実施マニュアル(1,309KB)
お口ブクブク大作戦パンフレット(1,514KB)
フッ化物洗口ちらし(1,129KB)

埼玉県では平成12年度から8020運動推進特別事業の一環として、埼玉県歯科医師会に委託し、フッ化物洗口事業を行っており、埼玉県歯科医師会ではフッ化物洗口の実務マニュアルを作成して、よりいっそう集団洗口の普及支援をはかっています。

埼玉県フッ化物洗口事業
「フッ化物洗口の実務マニュアル」について

長崎県では、平成12年度に「歯なまるスマイル21プラン」を策定し、各種う蝕対策を実施しています。

長崎県の歯科保健対策について
長崎県が実施したフッ化物応用に関する事業及び作成したマニュアルの一覧

NEWS(2009.8.26)
登別市と千歳市のフッ化物洗口導入までの経過について

先日、伊達市のフッ化物洗口導入までの経過についての資料を掲載いたしました(NEWS(2009.8.4)伊達市フッ化物洗口導入までの経過について)が、登別市と千歳市についての資料もありましたので、公開しておきます。

道の条例が北海道知事により平成21年6月26日に公布、同日より施行されておりますので、このような事例が1つでも多く報告されることが期待されます。

登別市におけるフッ素洗口の歩み

昭和53年登別小学校・当時の文部省のむし歯予防研究推進校に指定される
昭和54年6月登別小学校・学校歯科医指導のもとフッ素洗口開始(現在も週1回法で実施)
平成元年〜5年モデル事業として、市立の幼稚園・保育所にフッ素洗口が導入される
(現在も4・5歳児を対象に週5回法で実施)
平成12年2月厚生省(当時)<健康日本21>各都道府県に通知
これにより8020運動が国の政策として位置付けられた
平成13年9月市教委による教員対象の学習会実施
平成15年1月厚生省<フッ化物洗口ガイドライン>各都道府県に通知
「4歳から14歳間でフッ化物洗口を継続することが望ましい」
    9月市教委による管理職対象の学習会実施。導入に向けた具体的な話はなし。
平成16年3月登別市議会においてフッ素洗口について質疑が行われる
    6月市教研養護部会に市教委員訪問「フッ素洗口について率直な意見を聞きたい」
登別市PTA連合会と教育長懇話会の席上での教育長の発言
「フッ素洗口を全市的に実施したい。フッ素は安全である。」
    7月市教研養護部会三役がフッ素洗口について申し込み
「市の方針として小学校へのフッ素洗口導入をけんとうしている。
それに向けて保護者・学校関係者を対象にした学習会を実施し理解を得たい」
    9月チラシ配布(市内全世帯対象)
    6月むし歯予防(フッ素洗口)事業に係る合同学習会
主催:室蘭保健所、室蘭歯科医師会、登別市
    10月登別市議会において市立幼稚園・保育所のフッ素洗口について質疑が行われる
市校長会に学校歯科医2名が参加
各小学校単位で学習会実施要請
    11月市議会議員との懇談会
    12月「広報のぼりべつ」掲載:特集 みんなで進める「8020運動」
「第1回フッ素を考える市民集会」テーマ;フッ素は本当に安全で有効なの?
主催:「フッ素洗口を考える会」(事務局;北教祖登別支部)
温泉小学校PTA主催の学習会
平成17年3月若草小学校PTA会長から教育長に対し「フッ化物実施に関する要望書」
及びアンケート調査の結果が提出される
    4月幌別町学校PTA会長からアンケート調査の結果が提出される
    9月「歯の健康を考えるシンポジウム」
パネルディスカッション(健康な歯を残す秘訣)
主催:北海道歯科医師会、室蘭歯科医師会、登別市
    10月「第2回フッ素を考える市民集会」テーマ;フッ素は安全?有効?
    11月幌別小学校PTA会長から教育長に対し「PTA役員の見解」が提出される
平成18年6月フッ化物洗口実施事前説明会の開催:幌別小、幌別東小、若草小で実施
    7月フッ化物洗口実施希望申込書を保護者へ送付(各学校)
    8月学校教職員を対象とした実施手順説明会の開催
    9月幌別東、幌別小学校でフッ化物洗口スタート
    10月若草小学校でフッ化物洗口スタート
平成19年5月新たに青葉小学校PTA主催の学習会が開催される

千歳市におけるフッ素洗口の歩み

昭和49年より千歳保健所でフッ素塗布開始
平成元年「むし歯予防デー」千歳歯科医師会主催 千歳市共催 歯科担当は保健師1名
平成7年千歳市 第2種非常勤歯科衛生士 3名配置(乳幼児健診など月数回)
平成9年歯科保健推進会議を開始
(千歳歯科医師会・教育委員会・児童家庭課・子ども療育課・保健所・健康推進課)
育児相談で歯科相談実施
第2種非常勤歯科衛生士4名配置
「むし歯予防デー」千歳歯科医師会主催 千歳市共催 歯科担当は保健師1名
「健康祭り」で無料フッ素塗布開始
平成10年第1種非常勤歯科衛生士の配置
道のフッ素塗布事業移管で千歳市でフッ素塗布・歯科相談事業始まる
平成12年歯科担当職員4名(母子・成人・高齢者担当保健師各1名、第1種非常勤歯科衛生士)
口腔衛生学会(全国大会 札幌)で発表
フォーカスグループインタビューを実施。ミドリ理論を用いた乳幼児歯科保健計画開始
歯科通信1号発行(歯科医師へ市の状況やイベント結果の紹介)
平成13年歯科保健計画で保育所長と打ち合わせ(保育所歯科検診集計把握開始)
口腔衛生学会(地方会 室蘭市)で乳幼児歯科保健の取り組みを発表
フッ素と乳幼児健診の同時実施に向け平成14年1月よりアンケート実施
(1歳6ヶ月児健康診査、3歳児健康診査対象者)
市立保健所で子どもに対する歯科の健康教育開始
平成14年保育所でのフッ素塗布に向けて市立保育所4ヶ所で12月にアンケート実施
千歳幼稚園でフッ化物洗口に向けて調整するも事業は見送り
平成15年乳幼児健診、保育所、幼稚園、小中学校での歯科検診の統一
1歳6ヶ月児健康診査、3歳児健康診査でフッ素塗布同日実施
市立保育所(4ヶ所)で4歳、5歳児希望者にフッ素塗布を実施
民間保育所4ヶ所にも推奨、各自実施
第2種非常勤歯科衛生士8人配置
平成16年おやつ対策調査実施
「むし歯予防デー」のちらし配布時に、各幼稚園にむし歯予防教室のPRを実施
保育所長、保育課と調整し、フッ化物洗口事業保育所職員向け説明会実施
平成17年子どものおやつ対策アンケート、おやつ教室の実施
私立幼稚園への歯科健康教育開始
フッ化物洗口事業実施調整つかず1年延期
実施主体、実施方法など歯科医師会、保育課、保育所長とさらに調整し
平成18年度に保育所4歳5歳児対象に実施することが決定
フッ化物洗口事業 保育所職員向け説明会実施
平成18年フッ化物洗口事業 市立保育所4ヶ所・民間保育所5ヶ所で実施
保護者説明会を歯科医師会歯科医師、保健師、保健推進課歯科衛生士が担当し実施
ミラノール使用(週2回法 450ppm)

NEWS(2009.8.13)
佐賀県掛園先生より情報提供です

佐賀県にて精力的に活動なさっております、掛園先生より、佐賀新聞についての情報提供です。記事の最後では、北海道の条例についても触れております。

佐賀県の掛園です。

佐賀新聞に下記の記事の投稿がありました。
対応策は完了済みです。

フッ素、本当に安全ですか
佐賀新聞掲載日2009年08月05日 <自>
〈フッ素、本当に安全ですか〉

 佐賀市 堤純子(44)

 フッ素洗口がわが子の小学校で実施されていますが、安全性について調べると、虫歯を予防するというただ一つの利点の一方で副作用が何項目もありました。私は少しでも体に有害ならば子どもの体に入れたくなくて、やめさせました。
 フッ素は自然界にもあり、食べ物からも摂取されているから安全という人もいます。では、フッ素洗口のフッ素は自然界のものから抽出された天然のものでしょうか。化学合成された物質は天然のものと似せているけれど、体内に微量に蓄積され、いつか人間をかく乱し障害を起こします。
 体に安全という基準は人によって違います。微量といえども、子どもたちはフッ素以外にも数えきれない化学物質を生活の中で摂取していて、その積み重ねが現在、病気や異常行動、障害の一因となっているとは考えられないでしょうか?
 私たち親は、もっとフッ素についても興味を持ち、知り、賛否両論を聞き、納得の上、フッ素洗口許可の印を押すべきではないかと私は思うのです。

佐賀県の掛園です。
 下記の記事を佐賀新聞に掲載しました。

むし歯予防のフッ素、害なし

 8月5日の本欄の「フッ素、本当に安全ですか」という堤純子様の疑問にお答えします。

 むし歯予防に使うフッ素は、食品の中にも含まれています。日常生活の中でフッ素を取る量が一番多いのが主食である米やパンです。ですから、もしむし歯予防に使う程度のフッ素が危険ならば、野菜も肉も水道水もミネラルウォーターにもフッ素が含まれているので、何も飲食出来なくなります。
 フッ素洗口に使うフッ素は自然界のものから抽出された天然の物ではないかもしれないので、危ないかもとご心配されていますが、フッ素(NaF)は、2個の原子が結びついた簡単な構造ですので、食塩(NaCl)と同じで、化学的に合成しようが、天然素材から抽出しようが、製法は違っても同じものしか出来ません。
 今年6月、北海道議会は、むし歯予防にフッ素を利用していくことを議決しました。

 むし歯予防に使うフッ素は安全で何の害もありません。安心してむし歯予防にフッ素を使って下さい。

NEWS(2009.8.12)
平成21年3月18日の道議会本会議について(続報)

NEWS(2009.3.30)の「平成21年3月18日の道議会本会議について」にて、北海道議会の公式ウェブサイトでは、「北海道歯・口腔の健康づくり8020推進条例案」に関する会議録が公開されましたので、お知らせしておきます。

平成21年3月18日の本会議(すべて文書化されています)

平成21年3月18日の本会議(音声が公開されています)

当サイトでは、フッ化物洗口につきましては、特集 集団フッ化物洗口にて扱っております。厚生労働省医政局長・健康局長連名でのフッ化物洗口ガイドラインや学校実施での洗口の法的根拠、フッ化物洗口 北海道教育委員会の議会答弁などもご紹介しておりますので、あわせてご覧くださいませ。

NEWS(2009.8.6)
ヘルスプロモーションの伝道師にして予防歯科のカリスマ 中村譲冶先生の講演会のお知らせ

10月25日の会員研修会の案内が公開されましたので、お知らせいたします。

主催/北海道子供の歯を守る会
ヘルスプロモーションの伝道師にして予防歯科のカリスマ 中村譲冶先生の講演会のお知らせ

大好き予防歯科
〜明るい歯科医院づくりをめざして〜
演者が所属しているNPO法人ウェルビーイングが予防歯科に取り組んで35年が経ちました。ウェルビーイングには全国至る所からメールや電話で予防歯科に関する相談があります。またスタッフの方を連れて遠方から泊まりがけでで見学にも来られます。これらの方々の悩みや相談の内容は、
 ・リコール率がだんだん下がってきます、どうしたらいいのでしょうか ?
 ・中学生になるとリコール率がさがります
 ・いろいろやることが多すぎて来院者とコミュニケーションを取る暇がないのですが、、、
 ・予防をやっているのですが効果がなかなか実感できません。
 ・なかなかいうことを聞いてくれない中年の方にはどう対処したら良いのですか ?
 ・担当を任せた歯科衛生士さんが次々に辞めていくのですが、何がいけないのでしょう?
などなどです。このような悩みを解決するために、これまでの経験と実績から培われたノウハウをみなさんにお伝えしようと思います。実際に臨床の予防歯科に取り組んでいるがあまりうまくいってないと感じられている方々、これから取り組もうと考えている方々、スタッフのみなさんとご一緒に是非、参加してください。

*講師 中村 譲治 先生 福岡市 なかむら歯科医院 院長
 経歴 昭和50年 九州歯科大学卒業
    NPO法人ウェルビーイング理事
    医療法人ウェルビーイング理事長
    九州歯科大学臨床教授
    鶴見大学歯学部非常勤講師
    熊本大学医学部非常勤講師
 著書 ・明日からできる診療室での予防歯科 編著 医歯薬出版 (1998)
    ・実践予防歯科予防歯科臨床教育協議会編 分筆 医歯薬出版 (1999)
    ・かかりつけ歯科医のための新しいコミュニケーション技法 編著 医歯薬出版 (2000)
    ・地方分権時代の健康政策実践書 編著 ライフ・ サイエンス・センター (2001)
    ・フッ化物ではじめるむし歯予防 分筆 医歯薬出版 (2002)
    ・明日からできる地域での予防歯科 編著 医歯薬出版 (2003)
    ・楽しくできる予防歯科 編著 医歯薬出版 (2009)
* 日時:平成21年10月25日(日) 9:45〜11:45
* 会場:札幌市教育文化会館 3階 研修室 305
    札幌市中央区北1条西13丁目(地下鉄東西線西11丁目駅、1番出口から徒歩5分)
* 会費:無料
* 定員:先着150名
* 締め切り:平成21年10月15日(木)
* 申し込み先及びお問い合わせ先
北海道子供の歯を守る会札幌事務局 葭内歯科医院 〒004-0802 札幌市清田区里塚2条3丁目9-1
Tel&Fax 011-883-5456 e-mail:higu@amber.plala.or.jp
郵送、Faxまたはe‐mailにてお申し込みください。
歯科医師、歯科衛生士、歯科助手他、予防歯科に興味のある方の参加、歓迎いたします。

NEWS(2009.8.6)
滋賀県フッ化物洗口実施マニュアルについて

平成19年度につきましては79施設10162人のフッ化物洗口の実績のある滋賀県は、全ページカラーで編集された、色鮮やかな滋賀県フッ化物洗口実施マニュアルを公開しています。

まんべんなく優れた内容ですが、とりわけ5章のQ&Aは、量・質ともに充実しており、読み応えがあり、おすすめです。

滋賀県フッ化物洗口実施マニュアル
http://www.pref.shiga.jp/e/kenko-t/sika/f-manual/index.html

第1章 はじめに(PDF:717KB
第2章 むし歯予防の基本的知識(PDF:903KB
第3章 フッ化物洗口の基本的知識(PDF:935KB
第4章 フッ化物洗口の実際(PDF:747KB
第5章 フッ化物応用 Q&A(PDF:632KB
参考資料(PDF:2,305KB

NEWS(2009.8.6)
「第73回 全国学校歯科保健研究大会 2009京都」について

京都にて開催される第73回全国学校歯科保健研究大会の自由集会(フロアシンポジウム)にて「食育・・・学校歯科の やくわり」をメインテーマとしてフッ化物洗口についての討論会が開かれるようです。

フッ化物洗口が、食育を支える大黒柱として認識されるきっかけになることを期待します。

第73回 全国学校歯科保健研究大会 2009京都 公式サイト

サブテーマ1
「フッ化物洗口がもたらすものとは?・・・豊かな心と体をはぐくむために」

趣旨
 フッ化物洗口は優れたむし歯予防の一手段として、今日多くの学校で行われるようになってきました。でも、学校でフッ化物洗口が行われる理由は、単にむし歯を減らすことだけにあるのでしょうか?
 子どもたちの豊かな心と体をはぐくむための、学校歯科保健におけるフッ化物洗口の持つ意味について考えてみませんか。

1ーa フッ化物洗口の基礎、意義
 なぜ学校でフッ化物洗口なのか?
 学校でフッ化物洗口を行うということは、単にむし歯の減少を目的とするだけでなく、ヘルスプロモーションの理念に基づいた「生きる力」を育むための、優れた歯科保健教育の教材として意義があり、また、フッ化物洗口を通じて、地域や家庭を含めた学校歯科保健活動全般の活性化にも繋がるものと考えます。
 ここでは、学校におけるフッ化物洗口の意義について語り合いましょう。

1ーb フッ化物洗口の普及
 京都府では昭和51年に北部の小さな小学校で始まったフッ化物洗口が、平成20年末で306施設、78,226人の子どもたちが実施するまで普及しました。当初は行政や学校の先生に協力を求め、保護者の理解を得るために色々な問題に出会いました。しかしその出会いの中で本音をぶつけ、正しい知識を持っていただくことで、よき理解者になっていただきました。
 実施して数年が経ちますと、子どもたちの口の中、そして歯そのものへの関心が、明らかに変ってきます。むし歯予防で大事なのは、「フッ素」「歯みがき」と答えてくれる子どもたちがここにはいます。
 卒業する時に、「先生、僕の歯を丈夫に大事にしてくれてありがとう」と子どもたちが言ってくれる喜びを、皆さんとともに分かち合いましょう。

NEWS(2009.8.5)
佐賀県の掛園先生より情報提供です

佐賀県の掛園です。
 フッ素洗口について佐賀新聞に掲載しました。

虫歯の予防にフッ素利用を
佐賀新聞掲載日2009年07月27日

 鹿島市 掛園浩

 07月4日付佐賀新聞で「12歳児の虫歯 初めて 全国平均下回る」との報道がありました。虫歯が減った最大の理由は、学校でフッ素洗口(フッ素を溶かした水でブクブクうがい)を取り入れたことです。フッ素は、歯の表面を強くして、ミクロの虫歯を修復する働きがあります。
 フッ素を利用した虫歯予防方法は、1969年にWHO(世界保健機関)によって紹介され、1970年、日本で最初に虫歯予防にフッ素を導入した新潟は、フッ素の恩恵を受け、現在3人に2人が虫歯が1本もない状態になりました。
 佐賀でのフッ素洗口の導入は、1989年に鹿島市の若草保育園とことじ保育園で始まりました。
 虫歯予防にもっとも効果的で安価なのが水道水へのフッ素の添加です。現在、この方法は欧米、豪州、韓国など60カ国以上で採用され、国内では米軍基地内と群馬県下仁田町のふれあいセンターで導入されています。
 虫歯予防にフッ素を利用して虫歯を防ぎましょう。(歯科医師、43歳)

NEWS(2009.8.4)
「デンタルタイムス21」より

歯科時報新社の発行する「デンタルタイムス21」の平成21年6月25日号にて北海道歯・口腔の健康づくり8020推進条例についての記事がありましたので、紹介しておきます。

“北海道歯・口腔の健康づくり8020推進条例"可決 フッ化物洗口の普及等を明記 民主党も賛成に廻る

NEWS(2009.8.4)
伊達市フッ化物洗口導入までの経過について

伊達市のフッ化物洗口導入までの経過についての資料がありましたので、公開しておきます。

道の条例が北海道知事により平成21年6月26日に公布、同日より施行されておりますので、このような事例が1つでも多く報告されることが期待されます。

伊達市フッ素洗口導入までの経過について

昭和54年3月7日伊達市学校保健会成立総会
    9月18日歯科医と学校保健担当者との合同研修会の開催
・内容/「学校現場における歯磨き指導等について」
・フッ素洗口法について、初めて、学校関係者に「試験的に何校か実施してはどうか」と提案
昭和55年9月14日歯科部会の開催
・議題/フッ素洗口について
・実施する方向で資料収集を行うことを決定し、資料収集を開始する。
昭和56年7月17日室蘭歯科医師会第7回理事会
・伊達市学校保健会が実施を予定していたフッ素洗口について了承。
    10月15日歯科部会の開催
・議題/フッ素洗口について
・種々の意見が出されるが、中でも毒性についての意見が多数出される。
・フッ素の安全性についての質問状に対する回答(北海道衛生部長、昭和55年2月2日)
    11月20日フッ素洗口説明会の開催
・対象/学校関係者(PTA含む)
    12月16日伊達市学校保健会役員会
・来年度からのフッ素洗口の導入の是非について、会長が導入の方向を示す。
昭和57年5月20日伊達市学校保健会総会
・会長が、57年度からフッ素洗口を実施することを表明。
    6月18日歯科部会の開催
・フッ素洗口実施に向けて活動スケジュール等の決定。
・1学期〜学校現場の協力を得る。
・2学期〜父母の理解を図る。
・3学期〜問題点を集約し、解決にあたる。
    7月 学校保健会開放に「フッ素洗口について」の説明を2回掲載。
    9月登別小学校見学
    12月3日 フッ素洗口の実施について協議
・経過報告と今度の取組みについて。
・実施希望校〜4校(長和小、関内小、伊達小、黄金小)
・3学期から実施。
・全身疾患、アレルギーがある児童について〜役員会において結論を出す。
    12月14日伊達市学校保健会役員会
・全身疾患、アレルギー疾患にあっても、問題なしとの結論。個々の例については、学校医に相談。
・実施日等 伊達小 火・水・木 8:20〜8:35
      関内小   土   8:20〜8:35
      長和小   土   8:20〜8:35
      黄金小   土   8:20〜8:35
・フッ素洗口希望申込書の作成。
昭和58年1月フッ素洗口開始

NEWS(2009.7.28)
北海道歯・口腔の健康づくり8020推進条例案の関連資料について

平成21年6月16日、北海道議会にて修正議決されました「北海道歯・口腔の健康づくり8020推進条例案」の関連資料がありますので、いくつか公開しておきます。

北海道議会におけるフッ化物洗口の質疑に関する見解

以下一部引用です。

1)厚生労働省は「フッ化物洗口ガイドライン」(2003年)によって、フッ化物洗口の有効性と安全性を確認して推奨している。本学会はこれを全面的に支持するものである。

2)条例案に反対する質問者が引用したフッ化物洗口に関する有害性や副作用は、科学情報の誤認や論旨の不合理なところが多数見受けられる。

3)国内外の広範囲な調査結果から、フッ化物洗口事業のむし歯予防効果については、約30~80%の予防率が期待でき有効であるとの評価が得られている。

4)適切に行われるフッ化物洗口での1日あたりフッ化物の摂取量は、WHO(世界保健機関)が推奨する水道水フッ化物濃度調整(フロリデーション)の場合に比べても1/4~1/5であり安全性は高い。国内外の広範囲な調査結果から、心配される全身的な影響の証拠は認められていない。

5)WHO、FDI(国際歯科連盟)、PHS(米国公衆衛生局)等をはじめとする世界の歯学医学保健専門機関が合意している「フッ化物応用は安全で、むし歯予防に有効な歯科公衆衛生手段である」との結論が得られている。またわが国において、日本歯科医学会(1999年)、日本歯科医師会(2000年)、日本口腔衛生学会(2002年)、厚生労働省(2003年)、日本学校歯科医会(2005年)等により本方法に関する学術的、技術的検討が行われ、その有用性が確認されてきている。

6)今日、わが国でも小児期・学齢期のむし歯は減少傾向となってきている。しかし、むし歯経験歯数は依然として高く12歳児で比較すると先進諸外国の約2倍のレベルにあり、また都道府県格差、地域格差、個人格差も強く残っている。口腔の健康が全身の健康や生活の質に大きく係わっていることは医学専門機関の一致する見解となっている。したがって、公衆衛生特性の高いむし歯予防法であるフッ化物洗口をわが国で普及する意義は大きい。

平成21年5月10日に有限責任中間法人日本口腔衛生学会理事長米満正美名義にて、自民党・道民会議北海道議会議員会政策審議委員会委員長柿木克弘殿に報告された、フッ化物洗口の質疑に関する見解です。

20ページありますが、最初にまとめがついていたり、後ろに引用文献がまとめられていたり、とても丁寧な体裁の報告書です。

「北海道歯・口腔の健康づくり8020推進条例案」に対する2009/05/12北海道議会保健福祉委員会意見陳述人成田憲一氏の「陳述の問題点」についての意見書

添付参考資料図 1 フッ化物洗口風景

添付参考資料図 2 フッ化物洗口の安全理由

参考資料 1 氾濫する健康情報を正しく選択するには?

参考資料 2 急性中毒や慢性中毒症とフッ化物の量との関係図

参考資料 4 米国はフッ化物を有益な栄養素とし、一日に摂るべき目安量を設定(意見書P32に記載)

参考資料 5 健康情報の信頼性を判断する6段階のフローチャート

参考資料 6 歯のフッ素症について解説した図

以下一部引用です。

又この度は、これからの道民の健康にフッ化物洗口が必要であることをご理解いただき、2009年6月16日道議会において、100対2という圧倒的多数の賛成により、「北海道歯・口腔の健康づくり8020推進条例」が成立するのにご尽力いただきましたことに心から感謝申しあげます。

また、保健福祉委員会において成田氏は、約30分間の陳述の間に26箇所の「誤りや不適切な問題ある陳述」、委員会での陳述と重複しない「配布文書の中での大きな誤りと問題点」5箇所、合計31箇所の「問題ある陳述」を道議会に対していたしております。

その一方でほんのわずかな反対者だけが“論争がある”と主張するにすぎません。それはフッ化物利用に対する科学的団体の見解を示しているのではありません。

平成21年6月に北海道子供の歯を守る会会長堅田進、並びに日本口腔衛生学会北海道地方会幹事長千葉逸朗名義にて、道議会議員に報告された、2009/05/12の成田憲一氏の「陳述の問題点」についての意見書です。

陳述の問題点31箇所について詳細に指摘している本意見書は36ページあり、また一部レイアウトの崩れている部分もありますが、フッ化物応用に関連した「論争」の実態を学ぶ絶好の意見書となっています。

NEWS(2009.6.30)
北海道歯・口腔の健康づくり8020推進条例案の修正議決!

遅れましたが、平成21年6月16日、北海道議会にて「北海道歯・口腔の健康づくり8020推進条例案」が修正議決されました。北海道議会の公式サイトでは、修正議決された条例案が公開されています。

会議案一覧
2.北海道歯・口腔の健康づくり8020推進条例案

以下、骨子をまとめました。フッ化物の応用として具体的に「フッ化物洗口」という表現、5年ごとの実態調査、知事による毎年度の報告などが盛り込まれています。

(効果的な歯科保健対策の推進等)
第11条 道は、幼児、児童及び生徒に係る歯・口腔の健康づくりの推進を図るため、学校等におけるフッ化物洗口の普及その他の効果的な歯科保健対策の推進に必要な措置を講ずるものとする。
(道民歯科保健実態調査)
第14条 道は、道民の歯・口腔の健康づくりの推進を図るため、おおむね5年ごとに、道民歯科保健実態調査を行うものとする。
(財政上の措置)
第15条 道は、歯・口腔の健康づくりに関する施策を推進するため、必要な財政上の措置を講ずるよう努めるものとする。
(年次報告)
第16条 知事は、毎年度、議会に、歯・口腔の健康づくりに関する施策の推進状況に関する報告を提出しなければならない。

NEWS(2009.4.2)
H20 No.5 事務局だより

遅れましたが、平成21年3月13日付の事務局だよりです。

北海道子供の歯を守る会 事務局だより H20 No.5(平成21年3月13日)

今後の事業予定
※日本口腔衛生学会北海道地方会 平成21年3月28日(土)13:00〜
 場所:北大学術交流会館 ※本会からも発表があります。ぜひご参加ください。
※第26回定時総会 平成21年4月25日(土)17:00〜18:00
 場所:北海道医療大学サテライトキャンパス(中央区北3西4 日本生命札幌ビル5F)
 議事:1)平成20年度事業および会計決算の承認を求める件
    2)平成21年度事業計画案に関する件
    3)平成21年度会計予算案に関する件
 懇親会:『北の路』(中央区北5西5センチュリーロイヤルホテル9F)
※平成21年度道民公開講座 平成21年4月25日(土)15:00〜16:50
 場所:北海道医療大学サテライトキャンパス(中央区北3西4 日本生命札幌ビル5F)
   “子供の笑顔を守ろう!”〜8020は子供の笑顔から〜
 後援:社団法人北海道歯科医師会 社団法人札幌歯科医師会 社団法人北海道歯科衛生士会
 講師:北海道医療大学歯学部教授 五十嵐清治先生
    北海道医療大学歯学部教授 古市 保志先生
 受講料:無料

NEWS(2009.3.30)
平成21年3月18日の道議会本会議について

北海道議会の公式ウェブサイトでは、「北海道歯・口腔の健康づくり8020推進条例案」に関する説明と質疑が公開されております。

平成21年3月18日の本会議
音声再生(0:30:26〜1:33:04)(Quicktime形式)

フッ化物洗口がテーマとなっている部分が63分ありますので、タイムテーブルを簡単にまとめておきます。

0:30:34 柿木議員
「北海道歯・口腔の健康づくり8020推進条例案」の説明
0:36:40 高橋(亨)議員:
0:48:05 柿木議員:
0:58:38 高橋(亨)議員:
1:06:35 柿木議員:
1:10:29 高橋(亨)議員:民主党の新しい法案でのフッ化物応用の削除について。道民への周知不足の問題、安全性の問題を指摘。
1:15:35 真下議員:ブラッシングなどの歯科保健指導が基本ではないか?インフォームドコンセントと副作用について質問
1:19:42 柿木議員
1:28:00 真下議員

「フッ化物洗口について賛否両論があることから慎重に行うべき」という立場で質疑を行いました高橋議員のサイトでは、質疑応答が一部削除された上でpdfとして公開されています。

北海道議会議員高橋とおる公式ホームページ
保健福祉委員会協議会での質疑応答の内容(pdf形式)

当サイトでは、フッ化物洗口につきましては、特集 集団フッ化物洗口にて扱っております。厚生労働省医政局長・健康局長連名でのフッ化物洗口ガイドラインや学校実施での洗口の法的根拠、フッ化物洗口 北海道教育委員会の議会答弁などもご紹介しておりますので、あわせてご覧くださいませ。

会員研修会(2009.2.24)
斎藤亮先生 会員研修会(2009年2月28日)報告便り

このたびの会員研修会では、岩手医科大学より講師としてご活躍の齋藤亮先生をお招きし、小児の発達を考慮した機能と形態回復について、お話いただきました。特に発達につきましては、胎生期から授乳・離乳、摂食・嚥下やかみ合わせ(咬合)・構音の獲得まで、各ステージにおけるポイントを押さえつつ、歯科医療関係者の指導や介入のあり方を提起するもので、改めて小児歯科臨床の奥深さと面白さを認識した参加者も多かったのではないでしょうか。

以下に内容をかいつまんで、まとめました。

■最近の小児の課題
最近の小児におけるお口の機能の課題として、かまない、かめない、飲み込めない、口に余る、口いっぱいにつめこむ、水で流し込む、食器をうまく使えない、食べ物の好き嫌い、偏食などがあります。これらの背景には、むし歯やかみ合わせ、味付けが関係していることがありますが、もうひとつ重要な視点として機能的問題があります。今日は、小児の顎口腔について形態と機能の関係について考えてみたいと思います。

小児歯科臨床では、形態的機能的障害があると、どこが障害されているのか(形態→う蝕・不正歯列・不正咬合/機能→動き・力の制御)、いつ障害されたのか(形態→歯の萌出期・咬合完成期/機能→離乳期・乳歯列期)、どの程度障害されたのか(可逆・不可逆)、形態を治せば機能も治るのか、機能を治せば形態も治るのか?といったことの把握が重要となります。特に形態に異常がない場合で機能に異常がある場合には、どのような対応が必要となるのでしょうか?

■機能獲得の原則とは
機能獲得には、よく発達関係の教科書に記載される、以下のような原則があります。
☆相互作用:赤ちゃんによるはたらきかけと親による適切な刺激、この循環が発達をもたらす。たとえば、親は2本足で歩いている、という刺激がないと歩けるようにはならない。
☆最適期(適時性):内発的はたらきかけ。1.5-2歳が発達には重要な時期であり、この時期に言語や食器の使い方を覚えないと、成長してから獲得するのは難しい。
☆一定の発現順序(順序性):粗大運動(首据わり→お座り→つかまり立ち→つたい歩き→一人歩き)の発現には一定の順序がある。咀嚼能力の場合は「唇食べ」→「舌食べ」→「歯ぐき食べ」→「乳歯食べ」
☆予行性(レディネス):次に進む用意ができていないと、次に進まない
☆直線的ではない:停滞したり、後戻りしたり、ある日突然進んだりする。
☆個人差が大きい:人間の発達の個人差は大きい。家庭などの育児環境や、食べるための器官の成長などが関わっている。
☆機能獲得には練習が不可欠であり、機能は順序だった練習により獲得される。最初から複雑な機能を営むことはできない。

■機能獲得は胎生期から始まっている
A Child is Born (Lennart Nilsson、邦題「生まれる」) では、胎内の観察から、胎生期でも赤ちゃんは指しゃぶりをしており、指を乳首にみたてて指しゃぶりの練習を、羊水を飲み込んで嚥下の練習をしている場面が、見られます。妊娠中に臨月を待つことなく取り上げられた新生児の観察から、月経齢8週間には口唇への刺激に対する(頭部体幹の屈曲といった)反応が備わっていることがわかっており、月経年齢24-29週には口唇への刺激に対し吸啜反応を示すことがわかっています。

■授乳・哺乳から咀嚼機能の獲得へ
舌・口唇・顎の動きの発達は、この3要素の一体動作による吸啜から、分離動作による咬断・咀嚼・圧塊運動・嚥下といった複雑な動きの獲得へ進みます。ここで重要なのが、原始反射(探索反射・口唇反射・吸啜反射・咬反射)についての理解であり、原始反射が消失していなければ、月齢6ヶ月といえども、離乳の準備ができているとは判断できません。
☆離乳初期5-6ヶ月ころ(離乳食開始):上唇の形変わらず、下唇が内側に入る。口角あまり動かない。口唇閉じて飲み込む。舌の前後運動にあごの連動運動。
☆離乳中期7-8ヶ月ころ(乳歯萌出):上下唇がしっかり閉じて薄く見える。左右の口角が同時に伸縮する。数回もぐもぐして舌で押しつぶし咀嚼する。→この時期に硬いものを与えると、丸のみせざるを得ず、丸のみ習慣が形成されます。
☆離乳後期9-11ヶ月ころ(上下顎の咬合):上下唇がねじれながら協調する。咀嚼側の口角が縮む。舌の左右運動。

■小児期に見られる発音障害と獲得
発音・構音獲得には臨界期があります。舌小帯強直症や反対咬合は、機会を逃さずに適切に対応しなければ、後から構音獲得するのは、困難です。

■まとめ
以上のように、形態と機能は表裏一体ではなく、機能獲得には練習と時間が必要です。対応がおくれると機能障害は大きくなり、小児と保護者の苦労は無用に大きくなります。小児専門医は形態と機能のバランスに注意し、適切なアドバイスをしましょう。

ご講演中の斎藤先生

質疑応答中の斎藤先生


南出保 記す

NEWS(2009.1.14)
斎藤亮先生 会員研修会のお知らせ

平成20年度第3回 北海道子供の歯を守る会 会員研修会のお知らせです。

「顎口腔機能の発達から考えるお口の健康について」

小児歯科臨床の多くは歯冠修復に代表されるように形態の回復が中心の診療になっています。その根拠として、形態と機能は表裏一体で、形態の回復が機能の回復につながると信じられています。しかしながら、小児期の機能の獲得には臨界期があり、時期を逸すると獲得に苦労が伴います。今回は、形態と機能の関係について少し考えてみたいと思います。

日   時:平成21年2月28日(土) 午後4時30分〜6時30分
場   所:北海道歯科医師会館(札幌市中央区北1条東9丁目)
講   師:岩手医科大学歯学部小児歯科学講座 講師
      斎藤 亮 先生

(講師の斎藤先生ご略歴)
平成 2年 東京医科歯科大学歯学部卒業
同年    東京医科歯科大学歯学部小児歯科学教室入局
平成 8年 東京医科歯科大学大学院修了(歯学博士取得)
同年    東京医科歯科大学歯学部小児歯科学教室医員
平成13年 岩手医科大学歯学部小児歯科学教室助手
平成14年 岩手医科大学歯学部小児歯科学教室講師
現在に至る
日本小児歯科学会評議員
日本小児歯科学会認定専門医・指導医

受 講 料:無  料
お申し込み:直接会場へお越し下さい。

会員以外の方の参加 歓迎いたします。
日歯会員の方は生涯研修ICカードご持参ください。

問い合わせ
北海道子供の歯を守る会事務局
〒073-0016  北海道滝川市一の坂町東3丁目3-9 アヒコ歯科医院
          TEL 0125-24-8711  FAX 0125-22-2249

会員研修会(2008.11.08)
「ここだったら行きたい!ここで働くのは楽しい♪〜予防をスタンダードに〜」

平成20年度第2回(第64回)会員研修会報告
企画研修部 角舘 直樹
「ここだったら行きたい!ここで働くのは楽しい♪〜予防をスタンダードに〜」

北海道子供の歯を守る会、社)岩見沢歯科医師会主催
平成20年11月8日 ホテルサンプラザ(岩見沢市)

講師:築山雄次 先生 福岡市 つきやま歯科医院 院長
司会:樋口俊夫 先生 北海道子供の歯を守る会

平成20年度第2回会員研修会では、「予防の達人、ヘルスプロモーションの雄」としてご活躍の築山先生をお招きいたしました。築山先生はヘルスプロモーションについて、診療室と事業所に分けて様々な理論と実践例を示されながらわかりやすく講演していただきました。
講演は、以下の要素から構成されており、㈰〜㈫の順にお話しされました。

㈰「健康ってなん?」
マズローという学者は、仕事、心理、愛、芸術を人の生きていく上での目的価値とし、健康とお金は手段価値と位置づけているそうです。そのようなことから、築山先生は「健康は目的ではなく、自分がなりたいこと、したいことを成就するための手段であり、主観的な健康観を重要視すべきである。」とおっしゃっていました。また、ヘルスプロモーションのゴールは健康ではなく、QOLであり、健康はそのための手段であるというお話をされていました。

㈫「ヘルスプロモーションってなん?」
築山先生はヘルスプロモーションのプロセスを、「住民自身がゴールであるQOLに向かって人生という長い坂道をHealth(健康)号という自転車を使って登っていく」という図を用いてご説明されていました。われわれ専門家はその支援をしていくというお話です。臨床現場においては、患者さんの主観をよく聞いてあげることが重要であるとのことでした。また、それを実践することで「こんなに聞いてもらったのは初めてです!」と患者が感激し、担当の歯科衛生士がとても信頼されたとのことでした。実は、患者さんは自分の虫歯がガンではないかと心配来院されていたようです。そして、患者さんのお話をよく聞いてあげることで自らの気付きを促すことが重要であるとのことでした。「ここで働くのは楽しい」の集大成は「帰っていく患者さんの笑顔」であり、「自分が必要とされる、役に立つ仕事って素晴らしい」と思うことであるようです。

㈫「ミラーを置いて外に出よう‐産業歯科の取組み‐」
ある造船所での職域におけるヘルスプロモーションについてのお話でした。築山先生らは事業所において、集団を対象にするのではなく部署単位でターゲットを決めて少人数に対して保健指導を行い、その結果、医療費の削減を達成したという報告でした。これは日本ではきわめてまれな事例であり、グループ学習が効果的であることが理解できました。そしてこのモデルは他の保健事業にもつながると思われ、とても大きな示唆をいただくことができました。

最後に築山先生は、ヘルスプロモーションにおいて一番必要なのは、高い志であるとおっしゃっていました。

悪天候の中、180人を超える参加者が集まり、熱心に耳を傾ける会場の雰囲気から、北海道における今後のクリニカルヘルスプロモーションの発展を期待させる講演会でした。

岩見沢歯科医師会鍵谷隆一会長よりご挨拶

180人を超える参加者

壇上の築山先生

NEWS(2008.10.22)
フロリデーションについてのシステマティックレビュー

NPO法人日本むし歯予防フッ素推進会議公式サイト(http://www.nponitif.jp/)にて、フロリデーションについてのシステマティックレビューが紹介されていますので、引用します。

オーストラリアの保健省の国立保健医療研究委員会が2007年にフロリデーションに関するシステマティックレビューを公表しています。 そのシステマティックレビューの結論として「水道水フロリデーションは、むし歯予防に最も効果的で社会的に適正な手段である」と記述されています。

また、システマティックレビューの中では、オーストラリアの水道水フロリデーション実施率が2005年で約76%と記載されています(図1)。

わが国においても、歯の寿命の延長、QOLの向上のために水道水フロリデーションや集団におけるフッ化物洗口のさらなる普及を期待します。


原文はこちらへ
http://www.nhmrc.gov.au/publications/synopses/eh41syn.htm

NEWS(2008.10.21)
ヘルスプロモーションの雄、予防の達人 築山先生 岩見沢にて講演!

社)岩見沢歯科医師会 北海道子供の歯を守る会主催 特別講演会 好評につき申し込み締め切り延期のお知らせ

「ここだったら行きたい!ここで働くのは楽しい♪」
ー 予防をスタンダードに ー
歯科医療の最前線を担っている開業医が、今苦境に立たされています。私たちの仕事は「健康で幸せな住民を増やすこと」と中村譲治先生は語られています。治療だけでは世の中の求めに添えない時代になりました。予防を基礎とする診療が地域で求められていることは明らかですが、具体的に予防歯科をオフィスに定着させるには先生の力だけではできません。とすればスタッフ(歯科衛生士、歯科助手、受付、奥様)の力とマネージメントが重要になりそうです。

地域の人が「ここだったら行きたい」、働くスタッフや院長が「ここで働くのは楽しい」、というようなオフィスづくりをみんなでするには、どういうプロセス(段取り)が必要かというお話をしたいと思います。スタッフの皆様や奥様とご一緒に参加いただければより効果的な受講ができると思います。

*講師 築山 雄次 先生 福岡市 つきやま歯科医院 院長

*日時:平成20年11月8日(土)
 講演会 16:00-18:00
 懇親会 18:30-20:30
*会場:北海道グリーンランド ホテルサンプラザ
    岩見沢市4条東1丁目6-1 JR岩見沢駅から徒歩10分
*会費:講演会 無料、 懇親会 5000円
*後援:社)北海道歯科医師会、社)北海道歯科衛生士会
*定員:先着200名(先着順)
*申し込み締め切り 平成20年10月18日大好評につき延期して受け付けます
*申し込み先及びお問い合わせ先
 岩見沢歯科医師会
 〒068-0024 岩見沢市4条西2丁目フレンズビル3階   
 TEL 0126-25-1191
 FAX 0126-35-6110
 e-mail: ganshi@h6.dion.ne.jp
郵送、Faxまたはe-mailにてお申し込みください。
歯科医師、歯科衛生士他デンタルスタッフ、ヘルスプロモーションに興味のある方の参加、歓迎いたします。

NEWS(2008.10.20)
「第32回むし歯予防全国大会 in 大分」のお知らせ

NPO法人日本むし歯予防フッ素推進会議公式サイトにて「第32回むし歯予防全国大会 in 大分」の開催要項が公表されています。

今大会のテーマは「健康格差の是正を目指すこれからの歯科保健〜フッ化物応用による健康づくり〜」とのことです。

第32回むし歯予防全国大会の大会内容決定!!(日F会議公式サイト)
http://www.nponitif.jp/newpage68.html

第32回むし歯予防全国大会in大分
日時:平成20年11月22日(土曜日)14:00〜18:00
場所:「コンパルホール」1階文化ホール 
大分市府内町1丁目5番38号  TEL 097-538-3700
* 懇親会(トキハ会館)18:30〜 大分市府内町2-1-4 TEL 097-538-3111

関連サイト
(主催)日本むし歯予防フッ素推進会議 http://www.nponitif.jp/
(共催)大分県 http://www.pref.oita.jp/
(共催)大分県歯科医師会 http://www.oita-dental-a.or.jp/organization.html

NEWS(2008.10.18)
2008年の集団応用フッ化物洗口実態調査確定値の公表

NPO法人日本むし歯予防フッ素推進会議公式サイトにて、2008年の集団応用フッ化物洗口実態調査確定値が公表されました。この実態調査は日F会議とWHO口腔保健協力センター、財団法人8020推進財団の共同調査です。

2008年の集団応用フッ化物洗口実態調査確定値(日F会議公式サイト)
http://www.nponitif.jp/newpage89.html

関連サイト
日本むし歯予防フッ素推進会議 http://www.nponitif.jp/
WHO口腔保健協力センター http://www.dent.niigata-u.ac.jp/prevent/japanese/collaborating.html
財団法人8020推進財団 http://www.8020zaidan.or.jp/

NEWS(2008.9.20)
ヘルスプロモーションの雄、予防の達人 築山先生 岩見沢にて講演!

社)岩見沢歯科医師会 北海道子供の歯を守る会主催 特別講演会 のお知らせ

「ここだったら行きたい!ここで働くのは楽しい♪」
ー 予防をスタンダードに ー
歯科医療の最前線を担っている開業医が、今苦境に立たされています。私たちの仕事は「健康で幸せな住民を増やすこと」と中村譲治先生は語られています。治療だけでは世の中の求めに添えない時代になりました。予防を基礎とする診療が地域で求められていることは明らかですが、具体的に予防歯科をオフィスに定着させるには先生の力だけではできません。とすればスタッフ(歯科衛生士、歯科助手、受付、奥様)の力とマネージメントが重要になりそうです。

地域の人が「ここだったら行きたい」、働くスタッフや院長が「ここで働くのは楽しい」、というようなオフィスづくりをみんなでするには、どういうプロセス(段取り)が必要かというお話をしたいと思います。スタッフの皆様や奥様とご一緒に参加いただければより効果的な受講ができると思います。

*講師 築山 雄次 先生 福岡市 つきやま歯科医院 院長

*日時:平成20年11月8日(土)
 講演会 16:00-18:00
 懇親会 18:30-20:30
*会場:北海道グリーンランド ホテルサンプラザ
    岩見沢市4条東1丁目6-1 JR岩見沢駅から徒歩10分
*会費:講演会 無料、 懇親会 5000円
*後援:社)北海道歯科医師会、社)北海道歯科衛生士会
*定員:先着200名(先着順)
*申し込み締め切り 平成20年10月18日
*申し込み先及びお問い合わせ先
 岩見沢歯科医師会
 〒068-0024 岩見沢市4条西2丁目フレンズビル3階   
 TEL 0126-25-1191
 FAX 0126-35-6110
 e-mail: ganshi@h6.dion.ne.jp
郵送、Faxまたはe-mailにてお申し込みください。
歯科医師、歯科衛生士他デンタルスタッフ、ヘルスプロモーションに興味のある方の参加、歓迎いたします。

NEWS(2008.8.25)
新潟県歯科保健推進条例が県議会で可決

「新潟県歯科保健推進条例」が7月11日の県議会で可決されました。自民党からの議員立法でした。論点はフッ化物応用を入れるかどうかでした。活発な議論の末、自民党、公明党、共産党の賛成多数で可決されました。そして8月8日午後から記念シンポジュームが新潟市で開催されました。シンポジストは泉田知事、大久保日歯会長、葭原実行委員長をはじめ、5名でした。

圧巻は知事の30分の講演でした。パワーポイントを使って、原稿なしで、きっちり30分。これまでの県のやってきたこと、その実績、そしてそれがもたらした全身の健康。これらを自分の体験を交えながら、とても分かりやすく、説得力のある講演でした。

その後に登った大久保日本歯科医師会会長も率直に圧倒されたと言っていました。30年以上に渡る新潟県の皆さんの努力がこうした形で実を結びました。

会員研修会(2008.7.6)
「食育」のススメ〜心と体の健全な発育のために〜
中尾卓嗣先生 凄く暑い日に凄く熱い講演

場所 2008年7月6日(日)13時〜16時 北海道歯科
講師 ボランティア食と環境教育アドバイザー 中尾卓嗣先生

平成20年7月6日の北海道子供の歯を守る会会員研修会では、「食育」をテーマとしてボランティア食と環境教育アドバイザーである中尾先生をお招きいたしました。講師の中尾先生は、人間は、自然界の動物と同様に、生態系の一部であり、自然を無視して生きていくことはできない、ということを、食を通じた様々な事例・具体例を示されながら語ってくださいました。以下に要旨を示します。

・玄米一粒の重さを想像できますか?このようなことでも、子供には、答えをただ与えるだけではなく、自ら考させることが大切なのです。

・子供たちの集団遊びが減少し、遊びの中にある社会勉強の側面を学ぶ機会が失われてきています。このような食や起床時間、交友関係といった生活スタイルの急激な変化が健康にもたらす影響は、決して限定的なものではなく、現在の子供たちは親より体格は立派でも身体能力は劣ってきています。

・肉食動物や草食動物、魚食動物などの糞からわかりますように、食性と歯には深い関係があります。人間は歯種(前歯・犬歯・臼歯)のバランスから、野菜と穀物中心の生活が基本なのです。コンビニ弁当中心の食生活は、確かに便利ですが、野菜の摂取量が足りないのです。

・子供が好むおやつは、味が濃く、柔らかく、脂肪分量の多いという特徴があります。子供が脂肪分を好むのは、動物として高カロリーな栄養源に引きつけられていることの現れですが、このような脂肪摂取過多は倹約遺伝子を持つ日本人には、内蔵脂肪の堆積をもたらします。インスタントでもよいからダシの香り中心の食生活(和食)を刷り込みましょう。

・アパレルショップにあるようなマネキンは日本人の平均的体型とは差があり、マネキンの体型を目指すと、栄養失調となります。ミロのヴィーナスでさえ、身長160cmとするとウエストは73cmです。母親の栄養失調は、子供の胎内での発育不全を通じて一生の健康に影響をもたらします。マネキンを目指すダイエットは、やめましょう。

・ピーマンに入っている白い種。これは芽を吹くことはできません。なぜでしょうか?ピーマンは成熟を迎えると赤く実ります(パプリカじゃありませんよ)。でもこれが店頭に並ぶことはありません。なぜでしょうか?ピーマンは種を成熟させるまえに収穫されるからです。ピーマンは苦く子供に嫌われますが、なぜ芽を吹かないのか、収穫されずに成熟した赤いピーマンの存在と比較させながら考えさせると、子供たちはピーマンの苦みを忘れピーマンを口にするようになります。食べ物はただ大切にしなさいというのではなく、なぜ大切なのかを子供たち自身に考えさせる機会を与えることが大切なのです。

・旬の野菜は、おいしい、たくさんとれる、安い、栄養価が高いといったさまざまな利点がありますが、現在の気候変動をふまえると生産に必要なエネルギーが少ないというメリットがあります。

・法隆寺は、斑鳩の森でとれた木で建築されています。寺の南側の木には、南斜面の木を、生えていたときと同じ方向に向けて利用しているそうです。そうすることで、木を長持ちさせるのだそうです。これは建築における地産地消と呼ぶこともできるでしょう。

・食における地産地消は、土地でとれたものをその土地で食することで、新鮮で、栄養価が損失の少ない状態でいただくことができます。またそれだけではなく、環境への負荷も少ない(フード・マイレージ=食品の輸送距離が小さい)というメリットがあります。

・子供は、家族の食べるものを見てどの食べ物が安全なのかを学びます。この繰り返しが食生活・食文化として定着してきているのです。

・子供には、運動と我慢をさせて、ソクラテスが「最上のソース」と呼ぶ空腹を覚えさせた上で食事を与えることで「我慢の後には褒美がある」という躾の原点を身につけさせることができるのです。

・電気工学の基礎を作ったファラデーは「この試験管にある一滴の液体の成分は、科学的に分析すればただ少量の水分と塩分であるかもしれない。しかし、この一滴の液体は、科学では分析できない尊い深い愛情のこもった母の涙である。そのことがわからなければ、この液体のことがわかったとは言えない」というような言葉で、心で見る価値の大切さを表現しました。

・日本人全員が一粒のご飯を残すと、0.02gx1.3億=2.6t=30kgの米袋87袋分の残飯となります。現在地球では8億人が飢餓に苦しみ、5秒に1人、飢餓のため失われる子供の命があります。

中尾先生は、遠路はるばる和歌山より、7日からの洞爺湖サミットもあり交通機関の混雑するなか、高級作務衣を身にまとい来道され、前日の夜より食育にとどまらず、生活スタイルや子供の環境について、さまざまな想いを語られ、帰っていきました。折しも7月の5日6日は最高気温が30度31度と真夏日の熱気に包まれた札幌ですが、多数の参加者を前に、先生も負けじと熱い想いをぶつけられたのではないかと思います。

NEWS(2008. 5.15)
北海道 集団フッ化物洗口施設191、10,510人に

最近の全国調査では、北海道は2年前より54施設、2,670人増加し、 191施設、10,510人になった。

北海道もいよいよ増加傾向に転じたことと期待出来る。

NEWS (2008. 5.13)
京都市の180の全小学校でフッ化物洗口

静岡の榎田先生から以下の報告がありました。

皆様

5月11日に行われた京都市ので公開講演会「子どもの歯の健康と食育」ーフッ化物洗口・京都からの発信ーに参加しました。以下、講演会の概略をご報告します。

冒頭、主催者である京都府歯科医師会の平塚会長より、8020運動の説明があり、そのためのむし歯予防対策として世界で普及しているフッ化物応用が必要であり、その一環として京都市の全小学校(180校)でこの3月よりフッ化物洗口が開始されたとの挨拶があった。(政令都市では初めての快挙)

実施に際して、大きな力となったのは門川大作・京都市長(前京都府教育長)の力が大きかったとも話されていました。 その後、第一部としてチラシにあるように日本大学小林教授による「学校歯科保健におけるフッ化物洗口の役割」、小泉教授による「噛むことに始まる食育の大切さ」が行われた。

第二部としてシンポジウムがあり、門川京都市長もシンポジストの1人に加わり、何故京都市でフッ化物洗口を実施したのかの説明があった。京都市では、昭和43年より学童のむし歯治療の公費負担を行っているが治療費の負担が大きいので、平成5年よりフッ化物洗口を取り上げたが、一向に実施校が増えない。(むし歯予防効果は出ているのに。)そこで、平成17年から3年かけて市内全小学校での実施を計画し、今日に至ったと。

市長の話の中で、印象に残っている言葉として、「子ども達にとって良いことは可及的すみやかに実行していく事。議論ばかりしてはだめだ。」 「ボトムアップも必要ですが、ある時はトップダウンも必要。」

市長は、6年前(教育長の時だと思いますが。)学校内での全面禁煙を実行したそうです。

私の感想ですが、とにかくすばらしい市長です。すばらしい県歯会長との人間の組み合わせの結果、今回の実施に至ったと思います。小林先生、小泉先生の話もなかなか良かったと思います。

まだまだ報告したい事がありますが、長くなりますので、これくらいにします。以上報告まで。尚、KBS京都(?)「歯ッピーライフ」で6月14日(土)午後5時より、公開講演会の模様を放映するそうです。

道民公開講座(2008.4.26)
子供の笑顔を守ろうー8020は子供の笑顔から

札幌アスペンホテルで開催、8020(80歳で20本以上歯を残す)を、達成するためには、小児期からの予防が大切です。

一生涯健康で、良く食べ、良く噛み、笑顔で生活するための効果的な方法をご紹介いただきました。

講師と演題は


子供とむし歯と不正咬合の予防
 北海道子供の歯を守る会理事 丹下 貴司先生
青年期以降のむし歯と歯周病
 岡山大学教授 森田 学先生         
パネルデスカション
「子供の笑顔を守り、8020を達成するためには」
 コーデネーター 北海道歯科医師会常務理事 藤川隆義先生

 日時:4月26日(土)14:40〜16:45
 主催:北海道子供の歯を守る会
 後援:北海道・北海道歯科医師会・札幌歯科医師会・北海道歯科衛生士会

NEWS (2008. 3.28)
佐賀県の掛園先生からのメールです。

佐賀県の掛園 浩です。

佐賀県はむし歯予防に歯磨きをしなさいと指導していたので、10年連続ワーストワンを記録しました。

この誤った考えを排除するため、2008年04月01日に下記の記事を鹿島市を中心とした3万世帯に配布します。

http://www.asunet.ne.jp/~bbb/096-98m.html

佐賀県教育委員会御中

日本むし歯予防フッ素推進会議の掛園 浩です。

佐賀県の日教組がフッ素は危ないといい加減なデマを流しているのでこのような行為は、教職員の品位と質を落とす事になるので注意してもらいたい。

佐賀県からの回答

http://www.asunet.ne.jp/~bbb/097-03f.html

会員研修会(2008.2.23)
人はなぜ虫歯や病気になるのか
〜健康の社会的決定要因の視点から考える〜

平成19年度 第63回 守る会研修会
講師 北海道子どもの歯を守る会理事 南出 保先生
座長 北海道医療大学歯学部教授 千葉 逸朗先生
日時 2008年2月23日(土)16:30〜18:30
開催場所 北海道歯科医師会館4F

健康と環境の関係については、疫学の祖ヒポクラテスによる指摘以来、社会改革者や医学者により何度となく強調されてきました。

保健機関としては、1974年のカナダ保健省はラロンド・レポートで環境の重要性を認めると、1979年にはアメリカ保健教育福祉省からラロンド・レポートを追認するヘルシー・ピープルが公開され、健康と環境の関係を統合する概念の整理が待たれることとなりました。これらの期待から、1984年世界保健機関は、環境と健康との関連を認め、また公衆衛生の一大ジレンマである個人の選択と社会的義務を統合する手法として、環境の改善と、環境を介した生活様式の改善を健康づくりの基本的精神としてまとめ、1986年には、健康づくりのためのオタワ憲章が採択され、これらの指針から1998年には環境要因のなかでも社会的要因の重要性を明らかとする、健康の社会的決定要因という概念が整理されました。

健康の社会的決定要因からは、以下のような保健プログラムが導かれることが明らかとなっています。保健教育の効果は限定的であり、そこから生じる無力感と犠牲者非難を考慮すること;さまざまな病気に影響を与える要因を疾病別に管理するではなく健康づくりに一元化すること;健康を個人単位で考えるのは効果的ではないこと;健康格差へのとりくみとは、健康の社会的決定要因へのとりくみに他ならないこと;下流での救命から上流の改善へ;健康的な選択を、よりやさしい選択に!

質疑応答では、日本では専門職であっても寿命の短い職業もある、効果的な保健教育は集団の健康に寄与するという研究も出てきている、といった意見もありましたが、健康の社会的決定要因とは、錯覚やバイアスではなく、存在すると仮定した方が、合理的にさまざまな資料を読み解けることを認めるという点につきましては、ある程度の合意が獲得されたのではないかと、演者としてはそのように期待しています。

当日の資料は下記をチェックして下さい。 研修会資料

健康の社会的決定要因(Social determinants of health)
人の健康は,個人の生物医学的要因や行動だけでなく,さまざまな社会環境の影響を受けている.
(Dahlgren G, and Whitehead M in the Acheson Report, 1998)

NEWS(2008. 2.22)
秋田県のフッ化物洗口 134施設 7,736名まで増加

秋田の佐藤勤一です。

2月1日現在の秋田県のフッ素洗口実施施設、実施者数ですが、 134施設 7,736名まで増加しました。

現在市町村事業として 平成19年度から横手市、大仙市が幼稚園 保育園から中学校まで実施しています。また、平成20年度からは湯沢市でも事業化予定です。課題は地域格差で、県南部と県北部では全く好対照で「南高北低」の様 相を示しております。

また2月28日には秋田市にて新潟大学の葭原准教授を講師に招いて「フッ素洗口推進に関するシンポジウム」の開催が予定されております。

http://www.pref.akita.lg.jp/www/contents/1189123547337/files/points.pdf

NEWS(2008. 2.16)
日本口腔衛生学会北海道地方会開催

第18回総会・学術大会が北海道学術交流会館で開かれ、一般口演8題があった。また、16時からの特別講演 佐久間汐子先生が新潟大学の取り組みと成果について約2時間詳細にお話になり、聴衆は大変感銘を受けた。

特別講演から「フッ化物応用と地域歯科保健」

フッ化物洗口(F洗口)は、37年前(1970年)新潟県弥彦小学校で開始された。有効性の評価の過程で、就学前からのF洗口の必要性が示唆され、現在では、保育園の4,5歳児から中学校卒業時まで11年間、施設単位で行うことが効果的な方法として認められている。

F洗口の有効性に関する評価は、開始当初から行われ、その確認に基づいて新潟県歯科保健計画:むし歯半減10か年運動(1981〜1990年)の主要な予防手段として位置づけられた。その後、ヘルシースマイル2000プラン(1991〜2000年)、ヘルシースマイル21(2001〜2010年)と本計画の発展に伴い、フッ化物洗口の実施施設数は着実に増加した。2005年では小学校で316校(55%)、保育園・幼稚園では376園(40.8%)が実施している。また、ヘルシースマイル21では、8020育成事業と銘打ってフッ化物洗口との複合応用として、学校歯科健診でのCOに対して予防勧告(シーラント応用など)を行うように指導されている。

新潟県は、今年度、子どもたちのむし歯半減を目標として進めてきた歯科保健計画の25年の成果についてまとめた。それによると、12歳児の一人平均DMFTは1980年の5.03本から0.99本(2006年)と驚くべき減少を示している。小・中・高校生のカリエスフリー者の割合は20.4%から63.5%へと健康度は大きく向上した。このようなめざましい改善の要因として、県は、フッ化物応用によるむし歯予防が進んだことをトップにあげている。そして、ヘルシースマイル21として3期目に入った歯科保健計画は、永久歯のむし歯対策に加えて、乳歯のむし歯予防、歯周疾患予防、さらには障害者・高齢者対策へと事業計画の範囲は拡大している。

このたびは、フッ化物応用の普及啓発に向けて行った研究報告と、新潟県の歯科保健計画の成果について紹介していただいた。

NEWS(2008. 2.13)
日本むし歯予防フッ素推進会議からの情報では、第32回むし歯予防全国大会が決定いたしました。

主催:NPO法人日本むし歯予防フッ素推進会議
共催:大分県歯科医師会
日程:2008年11月22日(土)
場所:大分市コンパルホール

http://www2.city.oita.oita.jp/guide/shisetsu/conpal.html

大分県は、温泉もたくさんありますし、関サバ、関アジ、豊後牛など海の幸、山の幸が豊富です。ご参加をお待ちしています!!とのことです。

NEWS(2007.12.26)
羽越線事故2年 秋田県職員しのぶCD、共に活動した歯科医ら

山形県庄内町のJR羽越線で特急「いなほ14号」が脱線・転覆した事故から25日で2年。事故で亡くなった県職員臼井和弘さん(当時34歳)をしのぶCDの制作が由利本荘市民の手で進められている。白い歯を守るため「フッ素洗口」の普及に心血を注いだ臼井さんと共に活動した歯科医が作詞し、アマチュアバンドに作曲を依頼。「私たちは忘れない あなたがいてくれたことを」と歌詞に思いを込めたCDは来春に完成する予定だ。

臼井さんは、全国最悪レベルだった県内の児童の虫歯罹患(りかん)率を改善するため、2004年度から県の「お口ブクブク大作戦」を展開。虫歯罹患率が高かった由利本荘市の鳥海地域に何度も足を運んだ。

「熱心な人だった」と振り返る同市で開業する歯科医(48)は、虫歯予防を推進する鳥海地域の「元気な歯っこ協議会」のメンバーで、臼井さんと共にフッ素洗口の普及に取り組んだ。今年5月ごろ、「臼井さんの思いを伝えたい」と詩を書いた。「みんなの夢をのせてきらめく輝く白い歯すてきだね(中略)当たり前をいつまでも当たり前にありがとう」。タイトルは、子供たちに歯を大切にしてほしいというメッセージを込め、「まもりたい…永遠に…」と名付けた。

作曲は、鳥海地域を拠点に活動するアマチュアバンド「ホットライン」のリーダーで市職員茅野輝繁さん(49)が担当。10月下旬から本格的に曲を作り始め、12月上旬に、オルゴールの音が静かに響き、サビに向かって徐々に盛り上がっていくスローバラードを完成させた。

歯科医は「自分の体は自分で守る意識を身につけてほしい。それが臼井さんの願い」、茅野さんは「子供から大人まで口ずさめるメロディー。この曲が少しでも虫歯予防につながれば」と話す。2人は市立鳥海中学校の生徒たちに歌ってもらい、CDに録音する構想を練っている。 (2007年12月26日 読売新聞から転載)                       

NEWS(2007.11.23)
第31回むし歯予防全国大会 in 沖縄
掘り返し医療で国民の口腔の健康は獲得されるのですか?

平成19年11月23日午後2時から4時間、第31回むし歯予防全国大会が、沖縄県男女参画センター「てぃるる」(那覇市)において、日本むし歯予防フッ素推進会議、沖縄県歯科医師会、沖縄県主催で開催された。

テーマは「むし歯ゼロへの近道、フッ化物応用」で、朝日大学歯学部磯崎篤教授の墓調講演及日本歯磨工業会の山本氏、沖縄県福祉部の玻名城歯科医師からの報告、高江洲東京歯科大学名誉教授、沖縄県福祉部の新里歯科医師、具志川歯科診療所の玉城院長の3名のシンポジストによる発表の後、シンポジュウムがあった。。

基調講演では「むし歯予防法は、発生要因から考えて大きく二つに分けられる。㈰むし歯に対して抵抗性の強い歯質をつくる、㈪歯の表面環境を清潔な状態に保つこと、の両者が必要である。むし歯に対する歯質の抵抗性を高めるには、フッ化物による歯質強化を行うこどが必要である。世界の他の先進諸国では、フッ化物応用の普及が進み、むし歯は劇的に減少した。しかし、わが国が依然として、フッ化物普及の遅れが原因であり、フッ化物応用の普及の推進が最擾先課題である」 またンンポジウムではフッ化物応用の普及をいかにすすめるかについて、各々の立場からの提言がなされました。

「掘り返し医療で国民の口腔の健康は獲得されるのですか?」「掘り返し医療という不幸から国民を救い出せるのは、フロリデーションしかありません」という玉城歯科医師の発表に大きな拍手が沸き起こったのは印象的でした。北海道からは、八重樫、葭内夫妻、安彦の4名が参加しました。

詳しくは、日本むし歯予防フッ素推進会議ホームページ、http://www.nponitif.jpをご覧下さい。

会員研修会(2007.11.3)
ここまで来た! 学校歯科保健最前線
〜学校におけるフッ化物洗口の未来を徹底討論

平成19年度北海道子供の歯を守る会研修会は盛会裏に終了いたしました。以下概要

北海道においても未曾有の少子社会を迎える中、子どもたちの口の中を守る学校歯科保健が果たす役割は、ますます高まってきています。学校におけるフッ化物洗口については、積極的な働きかけが難しい状況が続いてきました。

このため、今回の研修では、学校歯科保健事業の第一線でご活躍されている専門家の方々をパネリストとしてお招きし、学校におけるフッ化物洗口についてディスカッションする研修会を開催しました。 学校歯科保健に関わっている幅広いご意見をいただきました。

開催日時・平成19年11月3日(土)13:00〜14:30
開催場所 北海道歯科医師会館 札幌市中央区北1条東9丁目11番地
主催 北海道子どもの歯を守る会
後援 社)北海道歯科医師会、社)北海道歯科衛生士会

開催内容
*基調講演 北海道大学大学院歯学研究科教授 森田 学先生
「健康格差を減らすためのフッ化物洗口」
地域・家庭の社会経済的な環境の違いが、う蝕の発生を左右する。この社会経済的な環境の違いを乗り越えて、う蝕の発生を少しでも予防し健康格差を縮める方向に働くのが、学校におけるフッ化物洗口であろう。12歳児の一人平均う蝕経験歯数を都道府県別に比較すると、北海道は「多い方から数えて2番目」であることからも、フッ化物を利用したう蝕予防を学校で実行することを考えてもよいのではないだろうか。一方で、学校でのフッ化物洗口に対するネガティブな意見もあり、学校現場でも混乱しているのではないかと推察する。学校歯科医として、その混乱をどのように収拾するのかも大切な責務であろう。

*事例報告
「登別市での小学校におけるフッ化物洗口事業について」
 登別市教育委員会学校教育グループ総括主幹 内藤 繁 先生

「千歳市での保育園、保育所におけるフッ化物洗口事業について」
 元千歳市役所健康推進課健康指導係 瀧川 裕子先生

*パネルディスカッション
学校におけるフッ化物洗口を徹底討論しました。
パネリスト
・森田 学先生 (北海道大学大学院歯学研究科 教授)
・内藤 繁先生 (登別市教育委員会 学校教育グループ総括主幹)
・瀧川 裕子先生(元千歳市役所 健康推進課健康推進係 歯科衛生士)
・秋野 憲一先生(北海道保健福祉部保健医療局健康推進課 主任技師)
・大川 晋一先生(札幌歯科医師会学校歯科医会 常任理事)
コーディネーター
・藤川 隆義先生(北海道歯科医師会 常務理事)

NEWS(2007.9.15)
フッ素入りガム:キシリッシュプラスエフ:明治製菓について

佐賀県 掛園先生ホームページから

このガム1枚につきフッ素が最大0.04mg含まれています。お茶からフッ素を抽出しているためフッ素の含有量にバラつきがあります。コーヒーに含まれるカフェインの量にバラつきがあるのと同じです。

韓国や欧米、豪州等の水道水にフッ素が添加されている地区で製造された缶ジュース等には1本(500cc)につき約0.5mgのフッ素が含まれています。

緑茶には、0.1〜0.7ppmのフッ素が含まれているので、フッ素入り缶ジュースに相当する量を緑茶で得ようとすると、お茶700〜5,000ccの飲用が必要です。

従って、むし歯予防に効果(全身作用)があるフッ素の量をこのガムから得ようとすると最低でも25枚以上必要です。(他のガムを噛むより、フッ素入りガムを噛む方が歯には健康的です。)

このガムでも、ある程度むし歯予防効果は得られますが、それだけでは十分ではないので、フッ素入り歯磨剤やフッ素洗口を併用する事を勧めます。

NEWS(2007.8.31)
8020と医療費との関連調査<集計結果速報> 北海道歯科医師会情報
8020達成は健康の増進・維持に大きな効果があると立証!

第21号で「8020と医療費との関連調査」の協力医療機関数が8割を超えるご協力をいただいたニュースをお届けしましたが、このほど国保連合会より集計結果について次のとおり連絡がありましたので、お知らせします。

・平均医科点数は残存歯数が少なくなるほど高く、歯が0〜4本の人の 医科点数は20本以上ある人に比べて1.6倍であった。

・欠損補綴治療を必要とする人は、既に補綴治療が済んでいる人に比べて医科点数が10%以上高かった。

・う蝕、歯周病の予防および適切な歯科治療は道民の健康増進・維持に大きく寄与することが示唆された。

※今回の集計結果は国保連合会からのデータに基づき、概集計した結果報告であり、細かい数字などは最終報告書と若干異なることがありえることをご承知おきください。

(データ分析責任者:北海道大学病院 歯科診療センター 講師 兼平 孝)

現在、各調査項目毎の分析が行われています。結果が楽しみなことはもちろんですが、北海道の歯科医療費に係る重要なエビデンスとして今後、様々な有効活用が期待されています!最終報告の連絡があり次第、<速報版>メール配信にてお知らせいたします。

NEWS(2007.8.25)
フッ素洗口推進研修会 8月24日秋田市

秋田の佐藤勤一からのメールです。

8月24日に、秋田県横手市で東北大学の田浦先生、新潟県福祉保健部の清田先生を講師に招いて「フッ素洗口推進研修会」が開催されました。概略をご報告いたします。

秋田県では平成16年?18年の間、県行政が主体となって、5歳児を対象としたフッ化物洗口事業「お口ぶくぶく大作戦」が実施された。平成19年度からは市町村事業として引き継がれる事になり、県南部の横手市では、地元の横手・ひらか歯科医師会の熱心な働きかけが功を奏して、市の健康作り計画「健康よこて21」のなかで、歯の健康の取り組みとして、園児、児童生徒らに対するフッ素洗口の実施が明記された。フッ化物洗口事業は市議会で可決され、平成19年度から市内の幼稚園・保育所の37施設、小学校25校、 中学校12校の全てを対象に実施される運びとなった。(対象者総数2,080名)

事業化に伴ない、平鹿地域振興局(横手保健所)が主催して「フッ素洗口推進研修会」が8月21日(火) に横手市平鹿生涯学習センターを会場に開催された。当日は県行政・市行政関係者、教育委員会、教職員、歯科医師、歯科衛生士など90名を超える参加が有った。研修会は講演が二題、養護教諭のフッ素洗口実践報告、意見交換会という次第であった。

初めに、「フッ素洗口の有効性と安全性について」と題して東北大学の田浦勝彦先生の講演が行われた。その内訳はフッ素の身体に対する有用性、特にむし歯予防効果や安全性に、フロリデーションなど世界的なフッ化物応用の歴史と実績、また国内でのフッ化物洗口の状況などについて、時には反対論者の意見も交えて、特に安全性については「フッ化物洗口ガイドライン」の紹介と、健康情報の信頼性評価のステップを示しながら情報を正しく判断する事の重要性を強調された。

最後に児童憲章の「すべての児童は適当な栄養と住居と被服が与えられ、疾病と災害から守られる」の文言や、公衆衛生学的なむし歯予防の意義としての“Going upstream!”を紹介された。

次に、「新潟県におけるフッ化物応用の取り組みについて」と題して新潟県福祉保健部健康対策課主査の清田義和先生より講演が行われた。まず初めにさる7月16日に発生した新潟県中越沖地震に際しての、行政、歯科医師会での歯科医療救護体制について説明され、地震当日に歯科医師会に対策本部が設置され、3日後の7月19日には被災地の柏崎市に歯科医療救護所を設置し、僅か3日間のうちに75名の応急処置を行った事や、避難所での口腔ケアーの指導がのべ1,000名以上に対して行われた事が報告されると、会場からは驚嘆の声が上がった。

新潟県では平成18年度に12歳児の一人平均むし歯数が0.99本と、全国で始めて1本を下回った事、におけるフッ化物洗口の実施状況や、子供の歯を守る会の紹介などむし歯予防事業の考え方と実施の方策、費用対効果や成人期における予防効果の持続性などの解説がなされた。さらにフッ化物洗口の開始の地と言える弥彦小学校での永久歯むし歯予防プログラムの内容と、選択的応用シーラントとして学校健診でC0に対して50%に対して歯科医院でシーラント処置がなされている事などが功を奏して、現在学童の9割がカリエスフリーで有る事が紹介された。この中で本年3月に「フッ化物洗口マニュアル」が新潟県歯科保健協会(http://niigata-dhs.com/index.html)から発行されたことが注目された。

意見交換では、主に教職員から、フッ化物洗口実施に際して、時間的な余裕を作る事が困難なことや、学校側に任せきりで、関係組織のバックアップが得られていない現実が有る事、薬剤の管理や調剤の問題点、実施後の学校歯科医側の指導・協力を得たい事などの課題が提起された。研修会は、田浦先生から「みんなの健康をみんなで守ろうという意識が大切ではないか、やれない事を言うよりもどうやれば出来るか、それを考えて知恵を出し合う事こそが行政、教育、医療の「プロ」として必要ではないか。Both winという言葉が有ります。」という総括で締め括られた。願わくはこの研修会が、「お口ぶくぶく大作戦」終了後の秋田で、市町村事業としてのフッ化物洗口の出発点となる事を期待しします。

NEWS (2007.8.11)
第59回「保健文化賞」に 学校におけるフッ化物洗口で
新潟大学大学院医歯学総合研究科口腔健康科学講座予防歯科学分野

「昭和45年に、学校においてフッ化物洗口を実施することで虫歯が抑制できることを実証し、以後、その普及に尽力してきた。子供の歯を守る会事務局、県・市町村への助言や講師派遣を行ってきた。また、保育所・学校における歯科保健データベースを構築した。」ことで受賞しました。

フッ化物洗口によるむし歯予防が認められたことは素晴らしいことです。

今回の受賞者は、10団体、個人6名です。

今回を含めた受賞者総数は、575団体、個人295名、合わせて870件にのぼります。

受賞者には、厚生労働大臣から表彰状を、そして第一生命からは感謝状とともに賞金(団体300万円、個人150万円)が贈られます。

受賞者は贈呈式の翌日、皇居に参内し天皇皇后両陛下の拝謁を賜っております。

贈呈式・拝謁(予定)
贈呈式 平成19年9月25日(火)ホテルオークラ(東京)にて

NEWS (2007.8.3)
参議院選挙で自民党・民主党から歯科医師の議員
国民の視点で、今後の歯科保健の進展に貢献されることを期待いたします。

石井みどり議員 行動力がある熱血歯科医師です。期待できます。日本歯科医師連盟参与

大久保ゆきしげ議員 長崎県選挙区から選出された未知の人、ホームページからプロフィールを紹介

1966年生・A型 /諫早小、諫早中、諫早高等学校卒。 1994年長崎大学歯学部卒業後、東京、神奈川で歯科医院勤務、97年福岡市博多区で約6年間、町医者として地域歯科医療に携わる。02年小沢一郎政治塾一期生修了、03年長崎県議会諫早選 挙区に初当選、05年衆院選に長崎2区から出馬するも惜敗、06年長崎県議(補選)当選。

「なぜ歯医者を辞めてまで政治を目指すのか」と、よく問われる。日本政治の大転換期に、2足のわらじを履いたまま力を発揮できるほど器用ではない。地域医療10年の経験は、すでに十分、政策提言に生かせるはず。第一、政治家は、子どもの頃から抱いてきた夢なのだ。

幼い頃、家は祖父を中心に町の名士が集まるサロンのようで、碁を打ちながら国会中継を見て政治の話に花が咲く、そんな環境に育った。「テレビで田中角栄総理を見て、将来こんな風になりたいと思いました」。もちろん、ロッキード以前、日本列島改造論華やかなりし頃の話だが。

以来、一途に政治家志望。両親の反対で医療の道を選んだが、胸の灯火は消えず、バブル崩壊後の“失われた10年”を悶々として過ごす。「日本改造計画」を読み、目の前の霧が晴れたと感じたとき、著者・小沢一郎氏の政治塾1期生募集広告に出会う。福岡で歯科医をしながら2年通う間に、夢は実現へ向けての行動へ進化した。

国政の場では、医療と福祉の分野で、ダイナミックにシステム改革に取り組んでいく。

道民公開講座(2007.6.30)
超満員の200名が熱心に討論

北海道においても未曾有の少子社会を迎える中、子育て支援における母子保健の重要性は年々高まってきています。子ども達が健やかに成長、発育できることは、誰もが共通した願いです。

母子歯科保健領域においても、従来からむし歯予防のための乳幼児歯科健診、歯科保健指導等が取り組まれてきたところですが、近年の母子保健領域においては、母乳育児への考え方の変化や子ども達の食生活を見直す食育の推進等、母子歯科保健指導といえども、歯科領域の考えだけでは適切な指導ができない状況となっています。

このため、今回の研修では、母子保健対策の第一線でご活躍されている小児科医、保健師、栄養士、歯科医師から、各職種の専門家の方々をパネリストとしてお招きし、関係職種で見解が若干異なる事例が報告されている母乳、指しゃぶり、清涼飲料水等をディスカッションをテーマとし、母子歯科保健に関わる幅広い関係職種を対象とした研修を下記のとおり開催しました。

母子歯科保健関係職種の歯科医師、歯科衛生士、保健師、栄養士、学生が多数参加しました。

「今だから問う!母子歯科保健指導最前線
〜指しゃぶり、母乳、スポーツドリンク等を徹底討論〜」

パネリスト
・「母乳はむし歯の原因か? 清涼飲料水はなぜむし歯の原因となるか?」
  北海道大学大学院歯学研究科 講師 兼平 孝
・「指しゃぶり、おしゃぶりが咬合に及ぼす影響」
  北海道倶知安保健所 主任技師 丹下 貴司
・「母子保健指導の実際」
  ながの小児科 院長 長野 省五
・「授乳・離乳の支援ガイド」について
  北海道岩見沢保健所 主任保健師 弓野 壽子
・「乳首から固形食まで?子ども達の食育を考える」
  北海道保健福祉部保健医療局健康推進課 主査(健康増進)千葉 昌樹

パネルディスカッション
・〜指しゃぶり、母乳、スポーツドリンク等を徹底討論〜
座長 北海道保健福祉部保健医療局健康推進課 主任技師 秋野 憲一

場所 北海道大学学術交流会館(札幌市北区北8条西5丁目 )
日時 6月30日(土)16:30〜18:50
主催 北海道子供の歯を守る会
後援 北海道 (社)北海道歯科医師会 (社)北海道歯科衛生士会

NEWS (2007.6.14)
泉田新潟県知事のメールマガジン第84号(2007年6月8日)

皆さんこんにちは!新潟県知事の泉田裕彦です。
今週のコラムは、「7年連続日本一!12歳児のむし歯数」をお届けします。

◇7年連続日本一!12歳児のむし歯数
──────────────────
毎年6月4日から10日は「歯の衛生週間」です。実は新潟県の12歳児のむし歯数が日本一少ないことを、皆さんご存じでしたか?

昨年、新潟県の12歳児の平均むし歯数は0.99本と、ついに1本を下回りました。これは、全国初の快挙です!しかも、“7年連続日本一!”という素晴らしい記録を更新し続けています。

永久歯がほぼ生えそろう12歳児のむし歯数は、子どもの永久歯のむし歯の代表的な指標として、WHO(世界保健機関)など国際的にも広く使われています。

これで、新潟が誇れる“白い”ものが「おいしい米」、「ふわふわの雪」、そして「むし歯のない美しい歯」の3つとなったんじゃないかと思っています。

県がむし歯予防に積極的に取り組み始めてから、昨年で25年が経ちました。この間、治療済みも含めた12歳児のむし歯総本数は1/5以下に減り、むし歯を1本も持っていないお子さんは3倍に増加するなど、驚くほどの成果を挙げてきました。

この快挙が成し遂げられた理由として、3つのことが考えられます。

第1に、歯科医師会と行政が一体となって、全国に先駆けてすすめてきたフッ化物(フッ素)洗口による予防です。

第2は、これも全国的にも珍しいのですが、学校と歯科医院との連携により、そもそもむし歯を作らないようにするという活動を全県下で取り組んできたということです。

そして第3に、県民の皆さんの歯科保健への関心が高まってきたことが挙げられます。

やはり、地域、行政そして医療機関がお互いにうまく連携してきたことが、全国1番のむし歯の少なさを達成し続けてきたのだと思っています。

さらに、大人でも全ての年代で、一人当たりの残っている歯の本数が増えています。特に60歳代と70歳代で大きく増加していて、80歳で20本の歯を残そうという8020(ハチマルニイマル)運動の目標達成に向けて良い方向に進んでいることは、とてもうれしいことです。

むし歯は万病の元とされ、むし歯が無い人は医療費も少なく健康であることが言われています。特に医療費全体を下げることは、社会全体が安心して暮らせる地域社会づくりにもつながるものと、重点的に取り組まなければならない課題と思っています。

これからも生涯を通じた歯科保健対策を進めて、80歳で20本の自分の歯を残すことをぜひ達成し、健康で長生きできる地域作りのため頑張っていきたいと思います。

新潟県田村卓也先生から情報をいただきました。

下図2002年の発表で新潟県は1.42本、2007年発表で0.99本に減少

NEWS (2007.6.8)
食品からでは、米やパンからフッ素の摂取が多い

むし歯は、口の中のばい菌が砂糖類を材料に酸を作り、その酸で、歯が溶けていきます。しかし、唾液の中にフッ素があると、酸によって歯が溶けるのを防いでくれます。

現在、欧米や豪州、韓国など世界約60カ国の水道水には、むし歯予防のため適量のフッ素が配合されています。水道水にフッ素が配合されると、その国で作られる加工食品にもフッ素が含まれるようになるので、それらを飲食する事によって、消化器からフッ素が吸収され、血液にのって唾液に出てきます。ゆえに、唾液のフッ素濃度が高くなり、むし歯予防に効果を発揮します。

フッ素は、一般の食品にも含まれており、一番多く摂取する食品は、主食である米やパンからです。しかし、これらから取るフッ素の量では、むし歯予防に足りないので、他から1日に1mgのフッ素を取ることが推奨されています。   

日本も、30年前はフッ素入り歯磨剤の普及率は15%前後でしたが、現在、88%まで向上しています。むし歯予防にフッ素の利用を!

佐賀県の掛園 浩先生のホームページから。

NEWS (2007.6.7)
新潟、フッ素で虫歯最少県

12歳児の虫歯が7年連続で全国一少ない新潟県で、昨年、1人あたりの平均本数が0.99本と、ついに1本を切った。「悲願達成」の背景には、県や歯科医師が続けてきた予防対策がある。そのきっかけは、山あいの小学校で37年前に始まった取り組みだった。

■平均1本以下 弥彦小、37年間 洗口指導

弥彦村立弥彦小では金曜の朝、教室の教卓に紙コップが並べられる。クラスの「フッ素係」が水溶液をつぎ、合図とともに一斉に口に含む。ブクブクブクと1分間。1970年に全国で初めてフッ素うがいを採り入れてから続く光景だ。

学校歯科医として招かれた新潟大学歯学部の境脩・助教授(当時)が、乳歯の虫歯が多いのを知って、フッ素洗口を提案したのが始まりだ。歯のエナメル質にフッ素が取り込まれることで虫歯への抵抗力が強まり、歯が丈夫になるという学説に基づく。

その後、歯肉炎予防、歯磨き指導に加え、83年には保健室内に設置した歯科診療所で治療や虫歯になりやすい歯を覆う処置も開始。70年に1人平均2.27本あった虫歯は、今年0.04本にまで減った。

6年の藤原良太君は「毎日甘いもの食べるけど、歯磨きもしてるから虫歯なんてない」。清野博校長は「健康への影響を気にする声もないではなかったが、こうして結果が出ている。今では他県も含め、年40回くらい視察が来ます」と話す。

県も75年にフッ素洗口の補助制度をつくった。その後、県歯科医師会とともに洗口の普及や検診で虫歯になりそうな子に通院を勧めたり、歯科医師や自治体職員、学校関係者による「子どもの歯を守る会」を立ち上げたりしてきた。全県では、保育園、幼稚園、小・中学校の洗口実施率は44.8%になった。

NEWS (2007.6.4)の解説
むし歯予防の「無機のフッ素」と「有機のフッ素」は無関係

先日<有機フッ素による水質汚染>について新聞に報じられ、むし歯予防に使用する「無機のフッ化物イオン」と混同する人がいるとか聞くので老婆心ながら解説します。例えば、同じ塩素でも、塩素ガス、食塩、塩酸、塩化ビニールなどあり、同一に論ずることは誤りです。

結論からいうと、水質汚染の有機フッ素化合物のフッ素(有機)とフッ化物洗口の無機のフッ化物イオンとは無関係ですので、むし歯予防のためにフッ化物洗口やフッ素塗布を行っても何ら問題はありません。

米国環境保護局EPA「有機フッ素」水質汚染に懸念

それでは、水質汚染のPFOA/PFOSとは何かというと、パーフルオロオクタン酸、又はペルフルオロオクタン酸ということです。

この有機フッ素の最近の流れは、まず、1990年代に入り、PFOAの有害性が認識され始めました。これを受けて2000年に米国環境保護局EPAでは、PFOAのリスク評価に着手。2006年にPFOAの管理プログラムを公表しています。

PFOAに関連する懸念は何か?

PFOAは環境中で非常に残留性があり、環境中及び一般のアメリカ人の血液中に非常に低濃度で見いだされており、PFOAは動物実験の段階ですが、発達障害やその他の有害な影響を引き起こすことがある。PFOAはまた、人間の体内に長い間残留するように見える。これら要素の全てを総合して、現在見出される濃度で、又は今後PFOAが環境中に放出され続けて将来達するであろう濃度で、PFOAが人間の健康と環境にリスクを及ぼすかどうかを米国環境保護局EPA は早急に調査する必要があると判断しています。

1970年代にロチェスター大学医科歯科学部のドナルド・タブス博士は、彼自身の血液サンプルの精密検査の結果、彼の血中のフッ化物のあるものは有機であり、歯科衛生の目的で公共水道水中に加えられるフッ素化合物のタイプとは無関係であることを報告しています。要するに、有機のフッ素化合物PFOAと歯科領域のフッ化物洗口や地域水道水フロリデーションFMR、CWFとは無関係と考えられます。

米国環境保護局EPA「むし歯予防の無機フッ素」を推奨

その米国環境保護局EPAは、むし歯予防のためにフロリデーション(水道水のフッ化物濃度適正化)を推奨しており、米国ではほとんどの大都市で実施し、国民の約65%が水道水のフッ素イオン濃度が適正にコントロールされたフロリデーションの水を飲用していることから理解出来るように、水質汚染の有機フッ素化合物のフッ素(有機)とむし歯予防為の無機のフッ化物イオンとは全く無関係なのです。

(東北大学歯学部田浦勝彦先生提供資料から)

NEWS (2007.5.8)
WHO (2003年・世界保健機関)が砂糖とむし歯との関係で報告
フッ化物を使用で、砂糖を摂取してもむし歯になり難い

●旅行中に巨大なアイスクリーム食べるオーストラリア人を見ると、むし歯の原因である砂糖を使ったお菓子や飲み物を美味しいと感じる人々から砂糖を取り上げるのはなかなか難しいことを思い知らされる。美味しいお菓子を作るには多くの砂糖が必要であり、人にとって砂糖は大切なエネルギー源の一つである。

WHOは、砂糖をむし歯の大きな原因だと報告「歯は酸度5.4以下で酸に溶ける」

●悪いことに、人の体の中で一番硬い組織である歯の表面のエナメル質は酸に弱く、酸度5.4以下になると唾液の中にエナメル質の結晶成分であるカルシウムやリン酸が溶け出す。これを脱灰という。だが酸性になった唾液が元のほぼ酸度7の中性に戻ると、再石灰化作用が働き、溶出したカルシウムとリン酸を元に戻す。フッ化物はそれを促進させる。

●むし歯予防における「砂糖とフッ化物との関係」について、WHOは次のような報告をしている。「むし歯予防にフッ化物を定期的に適切に利用」し、かつ「砂糖の摂取を制限した時」はむし歯を強力に予防出来る。しかし、「砂糖の摂取を制限した時でもフッ化物を定期的に適切に利用していない場合には、むし歯になる危険性が残る」というものだ。

オーストラリア、砂糖消費量日本の3倍、むし歯3分の1

●この報告が真実である事例は、「オーストラリアでは一人当たりの砂糖の年間消費量が53kgと、日本の3倍であるのに12歳児の一人当たりのむし歯の本数が0.8本と3分の1である。」ことである。

この国では、1953年以降、大都市でむし歯予防の為に水道水1トンに約1gという濃度でフッ化物を供給するフロリデーションという水道事業を普及させ、酸に強い歯を作り、再石灰化作用を促進することでむし歯予防を成功させてきたのだ。

ここでもフッ化物の再石灰化作用は砂糖の脱灰作用を強力に上まわっていることを証明している。

道民公開講座(2007.4.21)
効果的なむし歯と口臭の予防

テーマ 効果的なむし歯と口臭の予防
    北海道大学大学院歯学研究科講師 兼平 孝 先生(60分)
    北海道子供の歯を守る会副会長  葭内 顕史先生(40分)

雨模様の中、多くの市民が聴講しました。まず、兼平先生が大変詳しくかつユーモアを交えて市民に関心が高い「口臭につい」て講演し、葭内先生が「WHO=世界保健機関の奨めるむし歯予防法について」スライドと秋田テレビと日本テレビが製作した映像を交えて講演しました。終了後会場からの「なぜ日本でフロリデーションがすすまないのか」という質問に対して「未だ正しい情報が伝えられていないためではないか」と講師から回答がありました。

また、希望者は口臭測定、フッ化物がアメリカのフロリデーション実施濃度とほぼ近い1.3ppm(1.3ピーピーエムとは1トンの水に1.3g)が入った「比田の湯」という市販ペットボトルの飲料水を飲む体験をすることが出来ました。

日時 平成19年4月21日(土)午後2時30分〜4時30分
場所 札幌市北区北8条西3丁目 札幌エルプラザ3F
   札幌市男女共同参画センター 大ホール
   札幌駅北口真正面 徒歩2分で便利でした。

定時総会(2007.4.21)
4月21日 第24回 定時総会が開催されました。

堅田進会長の挨拶、藤川北海道歯科医師会常務理事、鈴木北海道歯科衛生士会会長の来賓祝辞の後、今村議長のもと、総会が開かれ、平成18年度事業報告・決算報告・監査報告、平成19年度事業案・予算案が満場一致で可決されました。

日時 平成19年4月21日(土)午後4時30分〜5時
場所 札幌市北区北8条西3丁目 札幌エルプラザ3F
   札幌市男女共同参画センター 大ホール

NEWS (2007.3.22)
フッ素洗口推進に関するシンポジウム3月22日秋田市

秋田県におけるフッ化物洗口事業「お口ぶくぶく大作戦」の3年間の事業を総括するシンポジウムが、秋田県と秋田県歯科医師会の主 催で平成19年3月22日(木)13:00-17:00 に秋田市 ルポールみずほ3階「ふようの間」にて開催されました。

当日は、平日の日中の開催にも関わらず、県行政、市町村関係者、学校などの教育関係者、歯科医師会、衛生士会など80名程が参加しました。

プログラムは2部構成で、始めに、これまで秋田県歯科保健大会や、フッ素洗口是か非かの公開討論会などでご提言をいただいた東京歯科大学衛生学 真木吉信教授による講演が行われました。

その後真木教授と、これまで事業を推進してきた秋田県と秋田県歯科医師会、県内でフッ素洗口を先進的に実施している幼稚園、小学校の施設の5名が登壇してシンポジウムでそれぞれの見解を提示されました。

真木教授の講演
フッ化物洗口の安全性と有効性
日本と海外におけるう蝕の方法の相違

㈰フッ化物の利用について、エビデンスの有無など
㈪咬むことの効用「あいなのだ」の解説
㈫フッ化物洗口における医学的反対論と法律的反対論について
㈬フッ化物洗口を反対する論拠の誤りについての解説(WHOの記述、斑状歯とは)
㈭フッ化物洗口の医療経済効果(人口6,000人の町で年間500万円の医療費減少の実例など)

市内の全小学校でのフッ化物洗口の事業化を目指して活動している平鹿歯科医師会からの取り組みが報告されました。

秋田県行政の平成19年度以降の対応として

1.現在「お口ぶくぶく大作戦」を実施している施設の95%が継続実施することとなり、引き続き県で採用している衛生士が巡回指導にあたる。

2.市町村事業としてフッ素洗口を実施する自治体には県から補助金を交付する。

3.フッ素洗口の研修会は継続して実施したい

平成19年1月現在の秋田県内のフッ素洗口実施数
 種別      施設数   人数
-----------------------------------------------       
 幼稚園、保育園 94    1901
 小学校     10    1960
 中学校     2     280
---------------------------------------------
 合計      106    4101

フッ素洗口事業は故臼井和弘さんの発案で実施され県内に浸透してきま したが、平成17年12月のJR 羽越線の特急いなほ脱 線事故で犠牲となってしまい、今もって大変痛ましい限りです。改めて ご冥福を祈るとともに、彼の遺志を引き継いで、県内の歯科保健の推進、向上に努めていきたいと思います。

秋田の佐藤勤一先生から日Fへの報から

会員研修会(2007.2.24)
第59回 瀧口徹先生講演する!!

瀧口徹先生に遠路スリランカから来ていただき、以下の項目について、ご講演いただきました。難しい問題を大変懇切丁寧に作製されたスライドで面白い話の展開をされ、豊富な経験と科学的なデーターに基くご説明をいただきました。

会員はもとより、新鮮な論理展開と内容に大変感銘を受けました。受講して得した!!

瀧口先生ご略歴: JICA専門家 兼 スリランカ保健省政策顧問、元厚生労働省歯科保健課長、元厚生労働省歯科医療管理官、元東京医科歯科大学教授

演題 日本の歯科保健の未来を決めるもの
   1)健康増進法による健康日本21運動の展開
   2)8020運動関連予算の効果
日時 平成19年2月24日(土)午後4時40分〜6時50分
場所 北海道歯科医師会館 2階(札幌市中央区北1条東9丁目)
講師 元厚生労働省歯科保健課長、元東京医科歯科大学教授 
   JICA専門家、スリランカ保健省政策顧問 瀧口 徹 先生

講演概要
1.日本の歯科保健の未来を決める7つの要因
 1)健康増進法による健康日本21運動の展開
 2)8020運動関連予算の効果
 3)8020推進財団の機能
 4)介護保険に対応した歯科保健・医療の確立
 5)自治体におけるフッ化物利用に関する動向
   水道水フッ化物添加(Fluoridation)、
   フッ化物洗口法(FMR)等
 6)厚生労働科学研究等の進展
   歯・口腔の機能と全身健康状態との関連、
   う蝕、歯周疾患等の新たな診断技術の開発等
 7)歯科保険の研究・研修に関する厚生労働省研究機関
   (国立保健医療科学院口腔保健部など)の機能等
2.フッ化物利用の動向と課題
 1)フッ化物洗口法
  (1)厚生労働省局長通知に至るまで
  (2)フッ化物洗口普及の課題
 2)フルオリデーション
  (1)厚生労働省の期待できる役割は何か
  (2)フルオリデーション普及の課題
3.国際貢献

NEWS(2007.2.27)
NHK 「ほっからんど北海道」に川原副会長出演

去る2月27日(火) 11時36〜56分にNHK「ほっからんど北海道」で放映された北海道歯科医師会の川原副会長と村上アナウンサーとの対談「フッ素でむし歯予防」の概要を皆様にご紹介します。

:NHK「ほっからんど北海道」・「フッ素でむし歯予防」で北海道歯科医師会と当会副会長の川原敏幸先生が村上アナと対談

アナ「多くの方が歯磨きをしているにもかかわらずむし歯にかかる人は減りません。むし歯にならない為のフッ素の利用について川原先生お聞きかせ下さい。」

川原「学童の8割が持っているむし歯を予防しょうとすると小さい時から予防をしつづけなければなりません。しかし、歯磨きや砂糖の摂取制限だけではむし歯が減らないということが分かってきています。利用の仕方によって効果に違いがありますが、むし歯を減らすにはフッ素を利用することが世界的に標準的な考え方なのです。」

アナ「ところでフッ素ってどのようなものなのですか。」

川原「何も特別なものではありません。水や海、土の中にも食べ物にもいっぱい含まれていまして、私たちの体の中にもあります。しかし、むし歯予防には足りません。」

アナ「そのフッ素が何故むし歯予防に効果的なのですか。」

川原「3つの作用がありまして、一つは、再石灰化を促進する(酸によって溶かされた歯の表面を修復する)、歯の質を強化し酸に溶かされにくくする、もう一つは、むし歯菌が酸を作るときに必要な酵素の作用を抑制することです。」

アナ「それではフッ素をどのように使っていけば良いのでしょうか。」

川原「フッ素入り歯磨剤など家庭で利用する方法。保育園、幼稚園や学校で実施するフッ化物洗口法など地域で利用する方法。フッ素塗布などの歯科医院や保健所などの専門機関で利用する方法の3つの方法があります。」

アナ「学童の8割がむし歯ということは小さい頃からのむし歯予防が必要なのですね。」

川原「永久歯対策として4歳から13歳までするフッ化物洗口法(うがい)は、毎日やる方法と週1回の方法があり、1分間のブクブクうがいで、50?60%むし歯が予防出来ます。家庭では継続が難しいので、登別市とか伊達市のように学校での集団実施が望ましいのです。」

アナ「確かに集団の施設でやってくれると忘れなくていいですね。」

川原「学校集団を利用することによって、むし歯を予防する意識が違う子供たち全員が恩恵を受け全員が救われる素晴らしい方法だと思います。」

アナ「フッ素塗布を歯科医院や保健所で塗ってもらえるのですか。」

川原「フッ素塗布は年間3から4回くらい塗ってもらえます。また、フッ素入り歯磨剤を使用した後は効果を洗い流さないためにすすぎうがいを2回位にしていただきたい。」

アナ「フッ素は、大人にも有効であるということですから、子供と一緒に私もフッ素でむし歯予防をしてみたいと思います。ありがとうございました。」

会員研修会(2006.9.30)
2006年9月30日平成18年度 第2回会員研修会
松本千明先生「健康に関する行動変容の考え方と現場への応用」

平成18年度第2回会員研修会が平成18年9月30日(土)北海道歯科医師会館にて、講師に松本千明先生をお迎えして「健康に関する行動変容の考え方と現場への応用」と題して行われました。

松本先生は札幌医大卒業後10年間内科医として臨床を経験したあと、生活習慣病、特に高血圧や糖尿病の患者さんがなかなか日常生活を改善することが出来ず、症状が悪化する症例を多く経験され心を痛めていたそうです。

どうやったら人は健康になろうとする行動をとりやすくなるのかを勉強すべく一念発起しアメリカ ミシガン大学で健康行動理論を学ばれてきました。

たくさんの理論の中から主に7つの理論を説明していただきました。
 1.健康信念モデル(ヘルス・ビリーフ・モデル)
 2.自己効力感(セルフ・エフィカシー)
 3.変化のステージモデル
 4.計画的行動理論
 5.ストレスとコーピング
 6.ソーシャルサポート(社会的支援)
 7.コントロール所在

7つの理論をまとめると人が「健康によい行動を行う」ためには
 1.そうすることが本当によいと思っていて 
 2.それをうまくやれる自信があって
 3.健康面ではこのままではまずいと思っていて 
 4.それをする上での妨げが少なく
 5.ストレスとうまく付き合っていて
 6.家族や友人からのサポートがあり 
 7.健康は自分の努力で決まると思う 

そんな時に人は健康になろうとする可能性が高くなるということです。

先生がこの理論を無理なく覚えて現場に応用するために考えられた

「よい自信、まずい妨げ、ストレスに、
             サポート受けて、努力のステージ」

このフレーズを基に具体的に中学生でむし歯の多い子を例にどのような働きかけが有効か詳細に解説して頂きました。会場からはたくさんの質問が寄せられ、活発な議論がなされました。

松本先生からはこの理論だけで簡単に人が変われるわけではないというお話がありましたが、健康行動に関して筋道を立てて考えられるようになった気がします。  (企画研修部 樋口俊夫)

講師略歴:
 平成元年   札幌医科大学医学部卒業
 平成元〜3年 札幌徳洲会病院勤務
 平成3〜8年 自治医科大学内分泌代謝科勤務
 平成8〜11年 徳田病院内科外来非常勤勤務
 平成11年  大阪府立看護大学医療技術短期大学臨床栄養学科卒業
 平成13年  ミシガン大学公衆衛生大学院健康行動健康教育科修士課程終了

現在はフリーにて、医療と保健の現場に健康行動理論とソーシャル・マーケッテングを紹介する講演を中心に活動中

著 書
● 保健スタッフのためのソーシャル・マーケッテングの基礎
● 医療・保健スタッフのための 健康行動理論の基礎
● 医療・保健スタッフのための 健康行動理論の実践編
● 当直医のための救急マニュアルー救急処置編
● GO-WENT-GONE?ミシガン見聞録

会員研修会(2006.6.17)
2006年6月17日平成18年度 第1回会員研修会 八若保孝教授

本年度第1回会員研修会が札幌市男女共同参画センター(札幌エルプラザ)にて北海道大学大学院歯学研究科口腔機能学講座小児・障害者歯科学教室の八若保孝教授を講師に迎え 「私の考える小児・障害者歯科臨床におけるう蝕予防」と題して開催されました。

この中で、八若先生は北海道大学病院歯科診療センターにおける小児歯科、障害者歯科外来における主訴・処置内容分析から、近年はう蝕予防処置や定期管理を希望される割合が増加していることに触れ、小児のみならず障害者においてもう蝕予防が重要であり、そのためにはフッ化物応用が必須であることを強調されました。

また、北海道大学で積極的に研究されているグラスアイオノマーセメントについても解説され、フッ素徐放性やフッ素リチャージ効果の利点からグラスアイオノイマーセメントがシーラント材や充填材として非常に有用であることを解説され、明日からの臨床からすぐに役立つ情報にとても勉強になりました。

まなみ歯科へのリンク