もくじ

ニュースと活動報告

活動方針

組織について・入会案内

歯の健康情報と外部リンク

見出し

入会案内

講師の派遣案内

組織と事業内容

守る会の概要

目的遂行のために

沿革

沿革

設立の経過と1984年以降の事業のあゆみ

昭和40・50年代

昭和58年

昭和59年

昭和60年

昭和61年

昭和62年

昭和63年

平成元年

平成2年

平成3年

平成4年

平成5年

平成6年

平成7年

平成8年

平成9年

平成10年

平成11年

平成12年

平成13年

平成14年

平成15年

平成16年

平成17年

平成18年

過去の会報の記録

よい歯つよい子

北海道子供の歯を守る会 2001.9.30

北海道子供の歯を守る会 2001.3.30

北海道子供の歯を守る会 2000.9.21

北海道子供の歯を守る会 2000.1.31

北海道子供の歯を守る会 1999.9.30

北海道子供の歯を守る会 旧公式ウェブサイト

世界保健機関(WHO)、国際歯科学会(FDI)と共に歩み
水道水フッ化物調整むし歯予防法(フロリデーション)、フッ化物洗口を推進する
北海道子供の歯を守る会旧公式ウェブサイトへようこそ!
新公式ウェブサイトはこちらです

このサイトでは、北海道子供の歯を守る会の
 ・ニュースと活動報告、今後の予定
 ・活動方針
 ・組織について、入会案内
 ・歯の健康情報と外部リンク
などを公開しております

組織について・入会案内

こちらには、入会案内や組織・沿革についての説明があります。

入会案内

当会は1984年9月1日に発足し、23年がたちました。目的実現のためにはみなさまのご協力が必要です。ともに学び、ともに活動しませんか?

当会は、子どもの歯を守るための知識を学ぶ研修会や道民公開講座を開催しております。ぜひ会員になっていただいて研修会などで一緒に勉強していきましょう。

詳しくは事務局までお問いあわせください。

北海道子供の歯を守る会事務局
北海道医療大学歯学部口腔構造・機能発育学系 保健衛生学分野 Tel&Fax 0133-23-2551 

ご入会を歓迎いたします。

■ 会員の特典
会員には関係情報と会報が送られ、主催研修会に会員資格で参加いただけます。
■ 年会費(入会金不要)
開業歯科医師・医師 年会費 12,000円
勤務歯科医師    年会費 5,000円
上記以外の一般会員 年会費 3,000円
団体会員      年会費 10,000円

■ 入会申し込み・各種問合せ

入会ご希望の方は、氏名、年齢、電話番号(Fax番号)、会員種別を明記の上、Faxで下記宛にお申し込みください。

事務局
〒073-0016
北海道滝川市1の坂町東3丁目3-9 アヒコ歯科医院気付
TEL 0125-24-8711
FAX 0125-22-2249

講師の派遣案内

むし歯予防や口腔の健康に関する研修会などへの講師の派遣をしております。 当会は、北海道内に多くの会員がおり、その中で、講演ができる人をリストアップしています。

その中には、大学関係者、一般開業医、行政などの歯科医師・歯科衛生士がおりますので、企画された研修会に合わせて講師を選ぶことができます。お気軽に下記事務局までご相談下さい。

事務局
〒073-0016
北海道滝川市1の坂町東3丁目3-9 アヒコ歯科医院気付
TEL 0125-24-8711
FAX 0125-22-2249 

組織と事業内容

総会 理事会 運営会議 の組織があります。

運営会議は、地域保健部・企画研修部・広報部・総務部に分かれて事業を行っています。

地域保健部道民公開講座・フッ化物洗口普及活動・8020推進運動・行政・歯科医師会・関連団体との折衝・臨床予防歯科
企画研修部会員研修会・ゼミナール・講習会・セミナー
広報部広報発行・ホームページ公開・情報提供・学会発表
総務部庶務・経理・販売・会員サポート・渉外・資料作製提供

守る会の概要

会員数  259名 + 9団体

● 役員
会長 安彦 良一
副会長 川原 敏幸
    藤澤 雅子
    兼平 孝
運営会議委員長 樋口 俊夫
● 名誉会長 篠原 常夫
● 元会長 堅田 進
● 前会長 葭内 顕史
● 顧問
北海道歯科医師会      藤田 一雄会長
北海道歯科衛生士会     武藤 智美会長
北海道上川総合振興局    佐々木 健医療参事
● 大学関係顧問
北海道医療大学歯学部             五十嵐清治名誉教授
北海道医療大学歯学部口腔衛生学講座      千葉 逸朗教授
北海道大学大学院歯学研究科口腔健康科学講座  八若 保孝教授 
北海道大学大学院歯学研究科口腔健康科学講座  本田丘人元准教授 
北海道医療大学歯学部小児歯科学講座      斉藤 正人教授

目的遂行のために

副会長には北海道歯科医師会副会長が就任し、北海道歯科医師会との密接な連携をしています。

北海道、北海道歯科衛生士会、関係大学、歯科衛生士養成学校の協力をえています。

沿革

設立の経過と1984年以降の事業のあゆみ

昭和40・50年代

小児期のむし歯の洪水。歯科医師の不足から治療に追われる毎日。道(行政)・歯科医師会・大学も有効な手立てを講じることができないでいた。

この状況を打開するには、治療より予防、WHOが推奨し、科学的な根拠のあるむし歯予防手段であるフッ化物の積極的使用が必須であった。

昭和58年

2月26日
 〔仮称〕北海道子供の歯を守る会設立準備世話人会開催
2月27日
 道歯桑野常務理事に趣旨の説明
3月13日
 道歯小尾専務理事に趣旨の説明
4月23日
 〔仮称〕北海道子供の歯を守る会設立準備世話人会開催
 「新潟県10年の歩み」 田村 卓也先生
5月1日
 全道各郡歯に設立に関する趣意書を発送
11月5日
 〔仮称〕北海道子供の歯を守る会設立準備世話人会開催
 特別講演 神奈川歯大教授 飯塚 喜一先生

昭和59年

1月28日
 第1回設立準備委員会開催
3月24日
 第2回設立準備委員会開催
9月1日
 北海道子供の歯を守る会設立総会
 特別講演 神奈川歯大教授 飯塚 喜一先生
 福岡歯大教授 境 脩先生

昭和60年

2月16日
 第1回むし歯予防研修会
 「むし歯予防の基礎 1」
4月13日
 第2回 定時総会
 シンポジウム「地域歯科保健活動の実際」
 神奈川歯大講師 荒川 浩久先生
 北大歯学部予防歯科学講師 本多 丘人先生
7月13日
 第2回むし歯予防研修会
 「地域における歯科保健活動」
 札幌東保健所 歯科衛生士新栄氏
 滝川子供の歯を守る会 歯科衛生士小野寺氏   
 苫小牧保健所 歯科衛生士恵波氏
 「むし歯予防の取り組み 経過とその結果」
 愛知学院大学小児歯科学教授 黒須 一夫先生
10月10日
 第3回むし歯予防研修会
 「むし歯が減った学校」
 鹿児島市開業 市来 英雄先生

昭和61年

2月22日
 第4回むし歯予防研修会
 「フッ素の動向について」 本会企画委員会
4月19日
 第3回定時総会
 特別講演 「学童のむし歯が減った」
 登別小学校養護教諭 松原 迪子先生
7月19日
 第5回むし歯予防研修会
 「こむしば村の体験記」 鈴木 恵三先生
10月18日
 第6回むし歯予防研修会
 「フッ化物局所応用ガイドフック」の解説
 神奈川歯大講師 荒川 浩久先生

昭和62年

3月14日
 第7回むし歯予防研修会
 「むし歯予防の実際 口腔衛生の立場から」
 岡山大学予防歯科学教授 渡辺 達夫先生
4月18日
 第4回定時総会
 特別講演「最近の小児歯科の治療と予防」
 北大歯学部小児歯科学助教授 小口 春久先生
8月1日
 第8回むし歯予防研修会
 「むし歯予防を考える」
 福岡予防歯科研究会 中村 修一先生
10月31日
 講演会「フッ素を用いるむし歯予防」
 神奈川歯大教授 飯塚 喜一先生

昭和63年

4月9日
 第5回定時総会
 特別講演「歯科医療に必要な子供の臨床」
 北大歯学部小児歯科学教授 及川 清先生
7月9日
 第9回むし歯予防研修会
 「今後の歯科医療について」
 日本小児歯科学会理事 落合 靖一先生
 パネルディスカッション「今、なぜむし歯予防か」
12月3日
 第10回むし歯予防研修会
 むし歯予防全国大会報告

平成元年

3月4日
 第11回むし歯予防研修会
 「フッ素洗口に対する行政の対応」
 新潟県環境保健部係長 石上 和男先生
 シンポジュウム「フッ素洗口法を進める為には」
4月22日
 第6回 定時総会
 特別講演「噛むことを考える」
 北大歯学部歯科矯正学教授 中村 進治先生
7月1日
 第12回むし歯予防研修会
 「歯科疾患をどうとらえるか」
 北大歯学部予防歯科学教授 谷  宏先生       
 「フッ素洗口と斑状歯」  安彦良一先生

平成2年

2月24日
 第13回むし歯予防研修会
 「小児むし歯の推移と小児の歯科医療」
 鶴見大学歯学部小児歯科学教授 大森 郁郎先生
4月21日
 第7回定時総会
 特別講演「6歳臼歯を守るには」
 ライオン歯科衛生研究所 栗山 純雄先生
7月21日
 第14回むし歯予防研修会
 「宮崎県子供の歯を守る会の活動について」
 日F 会議理事 山下 文夫先生
10月27日
 第15回むし歯予防研修会
 「歯科保健の方向、私の考え方」
 奥羽大学歯学部口腔衛生学教授 矢崎 武先生

平成3年

2月23日
 第16回むし歯予防研修会
 「福岡県久山町の歯科保健活動について」
 9州大学歯学部予防歯科学教授 森岡 俊夫先生
4月20日
 第8回定時総会
 特別講演「地域歯科保健活動の進め方」
 厚生省保険局医療課課長補佐 石井 拓男先生
7月13日
 第17回むし歯予防研修会
 「若年者の歯周病」
 北大歯学部第2保存学助教授 川浪 雅光先生
10月26日
 第18回むし歯予防研修会
 「アメリカの歯科保健事情」
 北大歯学部予防歯科学助教授 本多 丘人先生

平成4年

2月15日
 第19回むし歯予防研修会
 「みんなでむし歯予防を考えよう」
 保健婦 山田 笑子氏 他
4月25日
 第9回定時総会
 特別講演「北海道のむし歯予防対策について」
 北海道保健環境地域医療課 鈴木 敏則先生
7月11日
 第20回むし歯予防研修会
 「子どもたちのアレルギーについて」
 札幌市立病院小児科主任医長 我妻 義則先生
10月24日
 第21回むし歯予防研修会
 「子供の歯を守るには 夫々の立場から」
 あしたば幼稚園園長 松田 幸盛先生 他 

平成5年

2月13日
 第22回むし歯予防研修会
 「白夜の国を訪ねて 歯科エイズ対策」
 本会企画委員長 岡田 昭人先生
4月24日
 第10回定時総会
 特別講演「6 歳臼歯のむし歯の現況と予防」
 東日本学園大学小児歯科学教授 5十嵐 清治先生
9月11日
 会設立十周年記念事業
 ・記念式典
 ・記念講演(第23回会員研修会)
 演題「なぜ、フィンランドのむし歯は減ったか」
 「急速に進展したフィンランドの歯科事情」
 フィンランド・ヴァンア・コルピラティーヘルスセンター主任歯科医官
 ヨルマ ヨケラ先生
 ・記念シンポジウム
 テーマ「北海道の子供のむし歯を減らすために」
 シンポジスト
 「日本人のむし歯を減らすには」      飯塚喜一先生
 「世界各国のむし歯予防の進め方」     境  脩先生
 「北海道の地域性を踏まえたむし歯予防対策」篠原常夫先生
 ・祝賀会

平成6年

2月12日
 第24回会員研修会
 「フッ素洗口法をすすめる為には」
 本会組織委員会理事 堅田 進先生
 本会広報委員会委員長 安彦 良一先生
4月13日
 第11回定時総会
 特別講演「フッ素あれこれ」
 神奈川歯科大学口腔衛生学教授 飯塚 喜一先生
8月
 北海道歯科学術大会時発表 畑 良明先生 他
8月27日
 置戸町へ講師派遣
 板倉 正大先生、葭内 顕史先生
9月17日
 第25回会員研修会
 「インフォームドコンセントについて」
 札幌豊平保健所長 浜本 淳2先生
11月6日
 秋ゼミ開催(第26回会員研修会)

平成7年

 2月25日
 第27回会員研修会
 「小児栄養をめぐる諸問題」
 藤女子大学生活科学部 助教授 笹谷 美恵子先生
3月18日
 上ノ国町へ講師派遣
 堅田 進先生、雲津 忠宣先生、野崎 善弘先生
4月22日
 第12回定時総会
 特別講演「生涯を通じた地域歯科保健活動」
 北海道大学歯学部予防歯科学講座教授 谷 宏先生
7月15日
 第28回会員研修会
 パネルディスカッション「フッ素洗口法をすすめる為には」
 雲津 忠宣先生、堅田 進先生、野田 京子氏
11月3日
 第4回秋ゼミ開催(第29回会員研修会)
 テーマ〜「歯〜と」with you〜

平成8年

2月17日
 日本口腔衛生学会北海道地方会時発表 安彦 良一先生 他
2月24日
 第30回会員研修会
 「唾液クリアランスのメカニズム」
 明海大学歯学部小児歯科学講座教授 渡部 茂先生
4月20日
 第13回定時総会
 特別講演「科学的なむし歯予防について」
 岡山大学歯学部予防歯科学講座教授 渡邊 達夫先生
5月25日
 大滝村予防歯科講演会へ講師派遣
 安彦 良一先生、堅田 進先生、雲津 忠宣先生
6月6日
 第34回日本小児歯科学会時発表テーブルクリニック 安彦 良一先生 他
7月6日
 第31回会員研修会
 パネルディスカッション
 「そこが知りたい!フッ化物応用のブレーン・ストーミング」
  三浦 宏子先生、丸山 良子氏
10月5日
 平成8年度檜山管内町村保健婦連絡協議会第2 回研修会へ講師派遣
 鈴木 恵三先生、三浦 宏子先生
11月4日
 第5回秋ゼミ開催(第32 回会員研修会)
 テーマ「チョベリ歯・・・一般人も歯がいのち!」

平成9年

 2月15日
 第33回会員研修会
 「むし歯予防について考える?予防歯科・小児歯科の立場から?」
 本多 丘人先生、丹下 貴司先生
3月1日
 日本口腔衛生学会北海道地方会時発表 8幡 祥子先生 他
4月19日
 第14回定時総会
 特別講演「オランダはこうして歯科医療改革に成功した」
 北海道大学歯学部生化学講座教授 久保木 芳徳先生
7月12日
 第34回会員研修会
 「歯磨剤の科学」
 日本歯磨工業会技術副委員長 瀧 行雄先生
8月24日
 北海道歯科学術大会時発表 畑 良明先生 他
9月28日
 第6回秋ゼミ開催(第35回会員研修会)
 テーマ「“歯っ見!!むし歯っち攻略法”めざせ8020 運動達成にむけて」
11月30日
 第36回会員研修会
 「これからの北海道におけるむし歯予防を考える
 特に新潟県を参考にして」
 佐々木 健先生、葭内 顕史先生

平成10年

4月25日
 第15回定時総会
 特別講演「カリオロジーに基づくう蝕の診査、診断、処置」
 日本ヘルスケア研究会運営委員 I・H・C・F 会員 熊谷 崇先生
7月25日
 第37回会員研修会
 「代用甘味料について考える?キシリトールをはじめとして?」
 北海道大学歯学部保存系歯科(予防歯科)講師 兼平 孝先生
8月23日
 北海道歯科学術大会時発表 畑 良明先生 他
11月1日
 第7回秋ゼミ開催(第38 回会員研修会)
 テーマ「ついに日本上陸“キシラ”VS 迎え撃つ“フッ化チュウ”」

平成11年

 2月27日
 第39回会員研修会
 「日本におけるフッ化物製剤と予防関連製品に対する解説」
 昭和薬品化工株式会社 学術営業支援部部長 渋谷 睦先生
4月24日
 第16回定時総会
 特別講演「21世紀における口腔保健と歯科診療室の役割」
 神奈川歯科大学 副学長 飯塚 喜一先生
7月24日
 第40回会員研修会
 「Evidence Based Medicineて何?
 根拠に基づく保健医療の「根拠」とは何か?
 各種むし歯予防法を「根拠」に基づき評価してみよう?」
 北海道渡島保健所 主任技師 佐々木 健先生
8月22日
 北海道歯科学術大会時発表 畑 良明先生 他
9月
 上川中部地域歯科保健推進協議会研究集会への講師派遣
10月17日
 第8回秋ゼミ開催(第41回会員研修会)
 テーマ「21世紀には・・・フッ素・歯磨き・キシリトールしようか、
 やめようか考え中?」

平成12年

2月26日
 第42回会員研修会
 「予防を中心とした歯科医院作り」
 本会組織委員会理事 栂安 秀樹先生
 「カリオロジーに基づいた予防歯科診療への取り組み」
 ヘルスプロモーション提唱型医院を目指して
 苫小牧市 アップル小児・矯正歯科 千枝 喜恵先生
4月22日
 第17回定時総会
 特別講演「う蝕から私が学んだこと」
 北海道大学歯学部名誉教授 谷 宏先生
7月29日
 第43回会員研修会
 「水道水フッ素化はなぜできない〜日本の行政とマスコミの課題〜」
 読売新聞社論説委員 馬場 練成先生
8月20日
 北海道歯科学術大会時発表 畑 良明先生 他
9月
 北海道養護教員会胆振支部東部ブロック研修会への講師派遣
 堅田 進先生
10月7日
 第44回会員研修会
 「予防を中心とした明日からの歯科医療」
 「臨床の場での有効なフッ化物応用」
 NPO 法人ウェルビーイング福岡 常務理事 中村 譲治先生
 「むし歯予防のトピックスとフッ素の話」
 日本大学松戸歯学部 教授 小林 清吾先生
11月26日
 第9回秋ゼミ開催(第45回会員研修会)
 テーマ「2000年に1度の総決算!!〜21世紀は食べることから〜」

平成13年

2月18日
 日本口腔衛生学会北海道地方会時発表 歯科衛生士武藤智美氏 他
4月21日
 第18回定時総会
 特別講演「私の考える予防歯科臨床」
 北海道大学歯学部口腔健康科学講座教授 森田 学先生
8月19日
 北海道歯科学術大会時発表 畑 良明先生 他
10月27日
 第46回会員研修会
 「これからのむし歯予防」
 福岡歯科大学名誉教授 境 脩先生
 本会副会長 堅田 進先生
 本会企画委員会副委員長 新谷 英敏先生
10月28日
 第10回秋ゼミ開催(第47回会員研修会)
 テーマ「フッ素・ファイナルアンサー!?」
11月17日
 第48回会員研修会
 「泣かずにすませる小児歯科診療〜めざそうむし歯予防の達人〜」
 岡山大学歯学部小児歯科学講師 岡崎 好秀先生

平成14年

4月20日
 第19回定時総会
 特別講演 「むし歯予防の常識・非常識〜今、求められていること〜」
 北海道大学歯学部口腔健康科学講座助教授 本多 丘人先生
8月18日
 北海道歯科学術大会時発表 畑 良明先生 他
9月7日
 旭川 第49回会員研修会・市民公開講座
9月8日
 小樽 第50回会員研修会・市民公開講座
 「食べ物とがん予防」
 東北大学医学部助教授 坪野 吉孝先生
 「むし歯予防 ?米国の現状に学ぶ?」
 東北大学歯学部講師  田浦 勝彦先生
10月4日
 小樽市立稲穂小学校PTA 研修会へ講師派遣 本多丘人先生
10月20日
 第11回秋ゼミ開催(第51回会員研修会)
 テーマ「障害を持つ子供たちのサポーターになってください!」
11月8日
 小樽市立中央幼稚園父母会研修会へ講師派遣 本多丘人先生

平成15年

4月26日
 第20回定時総会
 特別講演「第1大臼歯を考える〜第1大臼歯を守るには〜」
 北海道医療大学歯学部小児歯科学講座 教授 5十嵐清治先生
7月4日
 第52回会員研修会
 「生命と健康に欠かせない微量元素の最新情報」
 国立健康・栄養研究所室長 西牟田 守先生     
 東京歯科大学名誉教授 高江州 義矩先生
9月6日
 日本歯科医療管理学会北海道支部例会時発表
 丹下貴司先生 他
10月26日
 第12回 秋ゼミ開催(第53 回会員研修会)
 「摂食・嚥下リハ リローデット
 ここが見たかった!ここが知りたかった!!
 障害児の摂食・嚥下リハと口腔ケア」

平成16年

4月24日
 第21回定時総会 於: 北海道大学学術交流会館
 道民公開講座「いつまでも健康で口から食事をするには」
 北海道大学大学院歯学研究科口腔健康科学講座教授 森田 学先生
 北海道医療大学歯学部小児歯科学講座助教授    丹下貴司先生
9月11日
 第54回会員研修会 於: 北海道医療大学サテライトキャンパス
 「市町村の母子保健を考える」
 北海道保健福祉部地域保健課        秋野憲一先生
 北海道医療大学歯学部小児歯科学講座助教授 丹下貴司先生
 北海道大学病院 講師           兼平 孝先生
 北海道歯科医師会公衆衛生委員会 委員長  大内和憲先生
 北海道歯科衛生士会 副会長        今村理子先生
11月3日
 第13回 秋ゼミ開催(第55回会員研修会) 於: 道北口腔保健センター
 「日本の水はおいしい!?〜日本の水は世界のなかで金メダル???〜」

平成17年

4月16日
 第22回定時総会 於: 北海道歯科医師会館
 道民公開講座「動物にとって大切なものは“歯”」
 北海道大学大学院歯学研究科口腔健康科学講座助教授 本多丘人先生
 旭山動物園 園長                 小菅正夫先生
10月1日
第56回会員研修会 於: 札幌市男女共同参画センター
 「フッ化物洗口を考える」
 北海道保健福祉部地域保健課           秋野憲一先生
 北海道大学大学院歯学研究科口腔健康科学講座教授 森田 学先生
 北海道医療大学歯学部小児歯科学講座助教授    丹下貴司先生
 北海道歯科医師会常務理事            福富 弦先生
 北海道苫小牧保健所               佐々木健先生
10月30日
 第14回 秋ゼミ開催(第57回会員研修会)於: 北海道歯科医師会館
 「おいしい!?ごはん食べていますか」

平成18年

4月22日
 第23回定時総会 於: 北海道大学学術交流会館
 道民公開講座「現代の子どもの食育とむし歯予防」
 北海道医療大学歯学部口腔衛生学講座  教授  千葉逸朗先生
 北海道栄養士会            副会長 山際睦子先生

過去の会報の記録

こちらでは1999.1から2001.の会報「よい歯つよい子」を公開しています。

北海道子供の歯を守る会 2001.9.30

特別講演

私の考える予防歯科臨床 北海道大学 森田学教授  4.21

平成13年度の総会後の特別講演は、昨年12月に北海道大学の予防歯科学教室の教授に就任された森田学先生をお迎えし「私の考える予防歯科臨床」という演題で話をして戴いた。

先生は大阪大学を卒業された後、岡山大学の予防歯科学講座で予防歯科臨床と基礎についての研究に長らく携わり、咬む事と歯を抜かない事について大変興味のある話をされた。歯を抜いて入れ歯になった場合、特に総義歯になったら全部歯のある人の10分の1しか咬む力が出なく、うまく、硬い物を咬めない事が多いようである。また、健康保険を使わないで高価な入れ歯にしても咬むカには差がなく、歯がなくなると噛めないというのが歯科界の常識であるとも話され、中々興味のある内容でもあった。そして歯が多少動いていても咬む力は変わらないことも解っているので、痛みのない動いている歯でも極力抜かないで残し、入れ歯の支えになる歯として用いるべきとも話された。

たくさん発表されているむし歯予防の文献を見るときには、その内容が科学的に正しいか、対象者の実践が可能か、そしてその成果、効果が確認されているかという事が大切であるとも話された。

そのような事から見てみると歯みがきをする事だけでばむし歯は減らないという文献が多く見られ、歯磨き剤の中にフッ素の入っている物を使うと明らかにむし歯が減少するのに効果があるという報告)が見られる。 また、むし歯と砂糖の摂敢回数との間には正の相関が見られる。キシリトールをはじめとする代用甘味料のむし歯予防効果についてもまだ完全に解っている訳でなくこれからの研究も重要であるとも話された。

歯周病に関しても歯を磨くという動機づけがしっかりして、習償化されていると年をとっても抜歯の数ば減ってくる。歯にはフッ素を作用させ、歯肉には適度なマッサージを行うことで歯を抜かない事が解っており、そのようなことを念頭に置いた予防歯科臨床を心がけてもらいたいとも話された。

最後にこれからの学生教育に携わる中で常に公衆衛生の気持ちを持った歯科医師の養成に力を注きたいと締めくくった。

これからの森田先生の活躍を期待しております。

水道水のフッ化物濃度を通正化すること(フルオリデーション)のすすめ

日本大学松戸歯学部教授 小林清吾

1.フルオリデーションとは

フルオリデーションとは、水道水に自然に含まれているフッ化物(イオン)の濃度を、歯の健康にとって最適のレベル(約1ppm:日本の現行水質基準では0.8ppm以下)に調節すること、と定義されています。

重要なキーワードは「天然の元素」と「適性濃度の調整」です。ここで用いられる無機フッ化物は、水に溶けて約1ppmのイオン(F-)濃度になると、水に溶ける前のフッ化物の種類によらず天然のフッ化物と全く同じ効果を持ちます。

フッ化物にむし歯予防に効果があるということは、実に天然の環境調査から発見されたものです。フッ化物はむし歯にかからないようにし(脱灰抑制作用)、また、むし歯の初期の段階で再び健康な歯にもどしてくれること(再石灰化作用)が分かっています。この天然の仕組み、適正なフッ化物濃度の環境を目常生活の中で再現し守ってゆくこと、その過程をフルオリデーションと言います。

フルオリデーションの有利な点として、効果を実現するための努カについてみると、特別な動機付けを必要とせず、水を飲みたい時に飲むだけで効果があります。即ち、幼児からお年寄りまで、だれでもできる最小の努力があればよいのです。そのための環境的支援、これがフルオリデーションの役割と言えます。

また、フルオリデーションは総合的むし歯予防対策の基盤になるもので、甘味制限や歯口清掃等の個人的努力と組み合わせて有効性を発揮しています。例えば、1定量の資金や時間をむし歯予防に費やす事ができるとしましょう。(T)個人的努カに総ての資源を投入する方法と、(U)同じ程度の個人的努力に加え、その1/10程度の資源で済むフルオリデーションを組み合わせる方法とを比べてみましょう。実際フルオリデーションにかかる費用は、1人1年間で55セント(約60円)といわれていますから、1年間に使う歯ブラシや歯磨剤の費用等に比べ10分のl以下です。その結果のむし歯数を比べると、(I)に対し、フルオリデーションを組み合わせた(U)の方において、約60%のむし歯予防率であると報告されています。

2.フルオリデーションはなぜ必要か

フルオリデーションは今後のわが国にとって不可欠な公衆衛生施策と考えられます。

世界一の長寿国となったわが国では、予防と豊かな生活(QOL)に重点を置いた健康づくり運動、「健康日本21」が展開されています。このなかで、全身の健康に対してはもちろん、歯の喪失がQOLにも大きな関わりのあることが指摘されてきました。歯を失う1番の原因はむし歯です。また、歯周病による喪失歯として報告された症例で、むし歯が歯周病の間接要因になっていた、ということもあります。わが国は文明国中で最も高いむし歯有病率で、癌の医療費を凌ぐ歯科医療費となっています。また昨年1年間、歯医者さんでどんな治療をしたかその診療内容を見ますと、むし歯の治療が6割、抜けた歯の治療が2割と相変わらず国民はむし歯に悩まされています。

歯を失わない対策として、その基本はむし歯予防といえます。そして、多数の国々での、実施経験から学べる事実として、むし歯予防効果の確かさ、安全性、利益の公平性、また経済性の面から、わが国でも地域住民のむし歯を予防する最良の方法はフルオリデーションである、といえます。すでに全部の歯を失った方の場合、自分はもう関係がない、と言われる方もいらっしやるかも知れません。しかし、総義歯になったお年寄りが、「歯を失う悲しみは、もう私達だけでたくさんだ」、と言ってフルオリデーション実現のために先頭に立って活動されたという例は少なくありません。

今日、フルオリデーション以外にも種々のフッ化物応用法が応用されてきています。しかし、地域住民全体にもれなく、また個人の生涯を通して、安定したフッ化物の利益を保証するためにフルオリデーションを凌ぐ方法はありません。例えば、フッ化物配合歯磨剤の場合、時々使用を忘れたりしますし、適正な使用量や使用方法も徹底しにくいものです。フッ化物歯面塗布の場合、薦められている1年に2-4回の定期的受診を、小児期の長期間にわたって継続できている人は極く限られています。また、フッ化物洗口の場合も継続性に限界があります。学校施設単位での実施でも主に小学生時代の実施となっています。さらに、全国的に見るとフッ化物の恩恵がほとんど与えられていない人々が多くいます。フッ化物歯面塗布を1度も受けたことがない幼児(1-14歳児の58%)、学校単位のフッ化物洗口を行っていない小児(全国414歳児の98%)、フッ化物配合歯磨剤を使ったことがない成人・高齢者(フッ化物の配合されていない歯磨剤の市場販売量23%)が多数存在しています。これら生涯の歯科保健から見るといかにも不十分な現在のフッ化物応用法を補う社会的な基盤として、フルオリデーションの必要性が強調されます。

一方、フルオリデーションが実施されたならぱ、家庭でのフッ化物配合歯磨剤使用を併用したうえで、その他のフッ化物応用法(フッ化物歯面塗布やフッ化物洗口法)はフルオリデーション開始時に生まれた世代の者達から順次、制限して行くことになります。

3.フルオリデーションによるむし歯予防効果の特徴
4.フルオリデーションの安全性
については次号に続きます。
なお、この文章は静岡県子どもの歯を守る会会報よい歯は宝27より転載しました。事務局の榎田中外先生、日大松戸小林清吾先生に心よりお礼申し上げます。

第18回定時総会

平成13年度北海道子供の歯を守る会の定時総会が4月21目に道歯会舘で行われました。篠原会長の上水道フッ素化の動きや、厚生労衝省の対応についての報告や挨拶の後、永山道歯会長より挨拶と祝辞をいただいた。その中で道歯としては歯科保健連絡協議会を立ち上げ、フッ化物を用いてのむし歯予防を行うための委員会の設置を決め、フッ化物の応用を安全にしかも効率よく、積極的に進めていきたいと述べられた。また上水道のフッ素化の実現にむけて進めて行くのが本来の姿ではあるが、種々の間題もあり時間をかけて検討する余地が必要であるとも述べられた。続いて総会に移り議長に衛生士会の今村氏にお願いし、報害事項から協議事項(下記参照)までスムーズに議事進行、岡田副会長の閉会の辞で無事終了した。

第10回秋期ゼミナールに参加しませんか

テーマ.フッ素・フアイナルアンサー
日時.平成13年10月28日午前10時-午後3時
場所.北海道歯科医師会館2F大講堂

内容(予定)
・コミュニケーショントレーニング クイズミリオネア
・デイスカツション フッ素反対意見派にどう応える?
・秋ゼミ第10回記念特別講演 福岡歯科大学名誉教授 境情先生
演題.今なぜフッ素かフッ素の最新情報教えます
※参加希望の方は9月29日出までに事務局まで電話かFAXでお申し込みください。

むし歯予防全国大会
日時 平成13年23月
場所 長崎市
※詳しくは事務局まで

第46回会員研修会
日時…平成13年10月27日
講師.新谷英敏先生 堅田進先生 境脩先生(福岡歯大)
場所.札幌歯科医師会館 
テーマ.「これからのむし歯予防について」

第48回会員研修会
日時.平成13年11月17目 
場所.札幌歯科医師会館 講師 岡崎好秀先生(岡山大学歯学部)
テーマ.「泣かずにすませる小児治療」

北海道子供の歯を守る会 2001.3.30

第24回むし歯予防全国大会

水道水フッ素化実現のために

第24回むし歯予防全国大会が平成12年11月5日、東京都の「こまばエミナース」で開催された。「水道水フッ素化実現のために」をテーマに午前の部では、米国及びマレーシアの講師による米国及び世界の水道水フッ素化物添加の現状のお話しがあり、午後のシンポジウムでは韓国、中国及び日本の専門家による韓国、中国、日本の状況についての報告、討論が行われた。

WHOは、すでに3回も水道水フッ素化添加の実施勧告決議を採決しており、最も優れたむし歯予防手段として現在56ヵ国で実施されている。また、その代替法として食塩フッ素化も36ヵ国で広く利用され、その他フッ素の錠剤等より摂取している国が60ヵ国以上ある。マレーシアにおいては水道水フッ素化は70%であり、韓国では2003年には人口の1/3に実施される。また中国では全土でモデル事業を企画し、2006年から全国展開を計画している。しかし、日本においてはWHOの実施勧告決議に賛成していること、また世界の国々における水道水フッ素化の大きな成果と言った情報が国民に伝えられることが少なく、また歯科医を含めた専門家の理解不足、行攻の及び腰等が障害となり、現在まったく実施されていない状態である。種々の障害を克服し、早期の水道水フッ素化が必要であると結論づけられた。

昼食時には宮崎県子供の歯を守る会の会員によりフッ化物普及の寸劇があり、楽しく大変有意義な大会であった。

’00 第9回 “秋ゼミ”

2000年に1度の総決算!!〜21世紀は食べることから〜

恒例の「秋期ゼミナール」が約百名参加のもと、開催された。

今年のテーマは「2000年に1度の総決算」と題して約7時間にわたり皆と議論し研修を行った。

まずのテーブルごとによる自己紹介の後、決算1として「新たなる自分との出会い」というテーマで医療大学看護学部教授の久村先生をお招きし、自己成長エゴグラムを使ってまず自分の性格を分析した後、北大の兼平先生の我借な子供の落語を聞き、子供の対処についてエゴグラムを使って考えた。日常患者と接する時におおいに役立つ研修であった。

次に決算1として「フッ素ウソ、ホント」と題して4人のアドバイザーからどれも本当のような回答をもらい、その中から正しい答えを当てると言う、易しいような難しいような研修を行った。例えばフッ素が多く含まれている食品を当てたり、フッ素を使用する時の時期や1番効果のある方法について回答者の迷解説から正しい者を選んだ。

回答者の解説に惑わされたのか全問正解者はいなかったようであったが豪華(?)景品が客テーブルに配られた。

昼食をはさんで、午後からはSTVテレビ、どさんこワイド212でおなじみの星澤幸子さんをお招きし、食の大切さについて楽しく語られ、私達が日常何気なく口にしているものにも、もっと気を使い、安心できる素材選びから食品を選ぶようにしたほうが良いと話された。

食べるという事はただ単にロの中に食物を入れるという事ではなく、美味しく、楽しく食べるべることが大切であるとも言われた。また、お米を食べることも重要であり、学校の給食にも毎日ご飯を取り入れ、食を通じて日本の子供達に「食べる」ということの重要性について教育すべぎとも話された。

昆布の栄養価は高く、毎日食べても良く、当日は「昆布クッキー」の試食もあり、おいしく頂いた。

今年の「秋ゼミ」は2000年を締めくくるのに相応しい内容の濃いもののようであつた。

それにしても毎年新しい内答を考え実行する秋ゼミ委員会の元気さに敬意を表すると共に本当の仕事が歯科医師か落語家かわからない兼平先生の今後の活躍を期待しております。

第44回会員研修会 

〜予防を中心とした明日からの歯科医療〜

予防を中心とした明目からの歯科医療と題して、講師をNPO法人ウェルビーイング福岡常務理事中村譲治先生、日本大学教授小林清吾先生の2人に願いし、特別講演会が平成11年10月7日に開催された。

中村先生は、臨床の場での有効なフッ化物応用についてへルスプロモーションからみたフッ化物の応用を、システムづくり、術式、経済性等をくわしく説明していただきまた、小林先生はむし歯予防のトピックスとフッ素について、目本歯科医学会フッ化物検討部会の最終答申を示され、むし歯予防へのフッ素の応用を進めるべきと話された。

最後に北海道大学助教授本多丘人先生の座長で会場全体でデイスカッションが行われ、予防を中心とした歯科医療の重要性について確認され、色々な試みについて多くの意見が出され、有意義な研修を終えた。

水道水フッ素化大きく前進

昨年の暮れごろより水遣水の中にフッ素を添加してむし歯を減らそうといういわゆる上水道フッ素化について、厚生省や日本歯科医師師会がかなり前向きな態度を示し、私達の長年の懸案であったフッ素を用いての公衆衛生活動にも大きな前進になるであろうと高く評価すると共にこれからの進めぐあいなど注目して見ていきたい。

1昨年の暮れに日本歯科医学会に答申された「フッ化物応用についての総合的な見解」が発表されてから、急速に上水道フッ素化の方向に話が進み、今回のような状況になったと思われる。

厚生省は水質基準の範囲の濃度(0.8ppm)であれば市町村の取り組みに協力する方針を決め、必要であれば濃度の設定や濃度維持のシステムなど安全性や効果の面で技術支援するとも発表した。

また、日本歯科医師会も昨年の11月21日付けで見解を発表した。

それによると上水道フッ素化を実施するには地域歯科医師会と地域住民との同意が前提となるが、その効果、安全性、至便性、経済性等の点で各種フッ化物応用の中でも上水道フッ素化は公衆衛生的に優れた方法であると認識しているというコメントを出した。

これからは日本の幾つかの地域で上水道フッ素化の動きがあり、今後の動向に注目していきたい。

第1第臼歯を考える(22)
(4)第1大臼歯のムシ歯予防

別ファイルに特集

事務局だより

第18回定時総会
●特別講演
演題      「私の考える予防歯科臨床」
講師      北大歯学部教授  森田 学先生
日時      平成13年4月21日 午後4:30分より
場所      北梅道歯科医師会館

《事務局だより》
入会お願い!
年会費    開業歯科医 1万2000円
       その他会員 3000円
発行日    平成13年3月1日
発行責任者  北海道子供の歯を守る会
編集者    北海道子供の歯を守る会 広報委員会
事務局    札幌市清田区里塚2条3丁目9-1
        よしうち歯科医院
        TEL (011)883ー5456

北海道子供の歯を守る会 2000.9.21

第42回会員研修会

なぜ、上水道フッ素化は日本で普及しないのか?

読売新聞論説委員 馬場錬成

「北海道子供の歯を守る会」第42回会員研修会が7月30日、読売新聞の論説委員である馬場練成氏を迎え道歯会館で開催された。

通常の研修会と異なり、歯科関係者でない一般のジャナリストが講師とあっていつもよりは参加者も多く、2時間という時間もすぐに経過したほどの熱い講演であった。

 話の中で馬場氏はここ2-3年前から歯科(むし歯予防)に関心を示す本や人に出会い、それ以後ずっとフッ素を中心とするむし歯予防に取り組んで来ていると話された。 また、昨年の9月4目の読売新聞の社説に「むし歯予防に有効な水道水フッ素化」と題して掲載された、社説に掲載されるというのには、他の論説委員の同意が必要であり、また、内容的に間違っていない事も十分加味されてから掲載されるとも話された。

ジャーナリストの目から見た時に、世界中の多くの国ですでにフッ素化が行われており、その効果も十分に検討されており、過去2回に亘りWHOなどの勧告も受けているのにも拘らずなぜ、日本で行われていないのか不思議に感じている。 そしてなぜ、水道水フッ素化は日本で普及しないかという事を考えていくと、歯科医飾会の考えが後ろ向きや、歯科医師のフッ素に関しての勉強不足の事が多々あると言われた。歯科医師は常に患者側に立った選択が大切で、国民は質の高い歯科医療を期待している。

また、厚生省の怠慢な体質にも大きな問題があり、臓器移植やエイズ問題に見るような事なかれ主義がフッ素化にブレーキかけているとも話された。

マスコミの勉強不足と決断のなさにも問題があり、正しい情報を敏速に、正確に伝えているか、自己満足に陥っていないかなど常に勉強する姿勢を持たなくてはいけない。

そして最後に正しくない事にはば声を大きくして発言する必要があり、フッ素化も含めて間違った情報や納得の行かない事には態度で示す事も大切だとも話された。

水道水のフッ素化に風穴が開こうとしている現在、種々の問題を早くクリアーして、この風穴が益々大きくなって、国民の健康に寄写出来るような行動をとりたいものと意を新たにした有意義な研修会であった。

特別講演

う蝕から私が学んだこと

北海道名誉教授(歯学部) 谷  宏 先生

平成11年度の定時総会後の特別講演は、今年1月に北海道大学を定年退職され名誉教授となられた谷宏先生を講師として迎え「う蝕から私が学んだこと」と題して講演を戴いた。

この講演の中で、谷先生はこれまでの歯科医療はう蝕の原因を生活の中に見ようとする視点がかなり欠如していたように思われると述べられた。歯科医療向上のためには、う蝕をいろいろな面がらとらえていく必要があり、「生活の仕方がかかわって起こる疾息」というみかた、予防の視点、健康や病気の原因を人々の生活から診る視点が必要であり、その視点がないと歯科医の行う歯科医療が、健康志向の著しい国民の多くから乖離したものになる恐れがあると話された。う蝕も他の疾息と同様に疫学的に把握することが大切である。臨床は個人の“分子”を対象にするのに対して、疫学は個人が属する集団の“分母”を常に考慮しているのが特徴であり、個人を森の中の“木”に例えれば、母集団は“森”である。疫学により“森”をみることにより、“木”の真の姿を知ることができる。

すなわち個人が属する人間集団から疾病の起こり方を観察することによって、個人の疾病の真の像を把握することができることについて木古内町とえりも町の歯科保健活動の実例をあげながらわかりやすく解説され、地域の実績に応したきめ細かい歯科保健活動が重要であると述べられた。

講演の後半は過去50年間の北海道と日本の子供のう蝕の蔓延状態について総括された。乳歯う蝕については戦後の30年、1975年までの4半世紀は幼児う蝕の蔓延期であり、その後の25年間はう蝕減少の停滞期はみられたものの、1途に減少をたどり、1995年に道内の3歳児う蝕有病者率が5十%を切ったことについて、常識が変わるターニングポイントであったと述べた。また、児童生徒にみる永久歯う蝕については戦後・年間のう蝕減少期から、次の15年間のう蝕急増期を経て、乳歯う蝕から遅れること約5年の1980年頃より減少y傾向がみられ、つい99年にはWHOの目標である“12歳児の1人平均DMFT3以下”を達成したと述べられた。このう触減少について

(1)社会経済状態(消費の動向、砂績の消費量)

(2)保健対策などの環境整備とフッ化物の応用

(3)健康志向、嗜好好の多様化(糖分控えめ、代用甘味料の使用)

(4)その他(情報、少子化)などの要因をあげながら解説された。 

最後にまとめとして、う触減少の時代においてば、歯学教育機関も含めて、歯科医や国が現状をどう捉え、将来をどう考え、行動するかが重要であると話され、講演を終了した。

谷先生の長年にわたるう蝕に関する研究活動、地域歯科保健活動の経験に基づく示唆に富む貴重な講演に満場の会場から多くの質問も寄せられ盛会の内に終了した。

第17回定時総会

平成12年度、第17回定時総会が4月14目、北海道歯科医師会館において開催された。冒頭、昨年逝去された本会副会長 堅出 勇先生に対して黙祷が捧げられた後議長に山田雅昭先生を選出し、平成11年度会務、監査結果について報告がなされた。その後平成12年度決算、平成12年度事業計画および予算について審議され、原案通り可決された。

また、役員改選(別表)が行われ、堅田 進先生生と道歯会長となられた永山1行先生の後任として山崎和先生が本会副会長に就任された。さらに今年度よりNPO法人化準備委員会が新設され、牧野秀樹先生が委員長に就任された。総会中程で永山一行先生より「フッ素については保険導入されたことにより社会に認知された。今後、道歯として委員会を設置し検討をしたい」と本会に取り非常に心強い挨拶を頂戴した。

また有珠山噴火に間関連して、伊達の堅田先生より被災地の現状報吉がなされた。最後に岡田副会長より閉会の辞を頂截し、今年度の定時総会は無事終丁した。

第42回会員研修会が2月26日に「予防を中心とした歯科医院作り」と題して、帯広で開業している栂安先生と苫小牧て開業されている千枝先牛をお迎えし、日常の臨床の中での予防歯科の取り組みについてお話をして頂いた。

栂安先生は喪失歯をなくす(少なくする)事にカを注いでおり、歯の喪失のリスクに対すろモチベーションとして、唾液の中の成分を積極的チェックし、その結果をレーダーチャートに記録して、むし歯になりやすい環境を的確に把握し指導しているそうです。また、唾液の検査と共に子供に対してはフッ素洗口を予防の大きな手段の1つと考え、実地しているそうです。

予防システムを導入する事で十分経営的にも成り立ち、歯科衛生士土の役割も増え、医院全体の力量も上がるようになれぱ良いと締めくくられました。

干枝先生は自院で行っているサリバテスト(唾液の検査)の現状と問題点、そして目標としているへルスプロモーションについて話された。

サリバテストは患者個人の口の中の情報が得られ、むし歯や歯漕膿漏になる可能性を予測できたり、その事を具体的に患者に説明する事が出来るという利点がある。

問題点としては今後は細菌数だけの要因ではなく、プラークの量、むL歯の数、フッ素使用経検なども加味してむし歯になるリスクの判定にしたいと話された。

今後は患者自身が自分の健康に対して問題を意識し、解決する力をもって頂くことを日標にした歯科医院を目指したいと話された。

訃報

宮崎県子供の歯を守る会の山下文夫先生が、7月十8日に急逝されました。謹んでお悔やみ申し上げます。

北海道子供の歯を守る会 2000.1.31

第23回むし歯予防全国大会

すべての人が健康に

Fluoride for everyone

平成11年11月14日、東京医科歯科大学において第23回むし歯予防大会が日本むし歯予防フッ素推進会議の主催で開催された。日本においても、ようやくフッ化物利用によるう蝕予防が一般的に認知されてきたように思われるが、局所応用法に限られ、先進国の中ではもっとも遅れた状況である。

今大会は2部形式で、前半は水道水フッ化物添加普及の急成長にある韓国の状況について、韓国釜山大学歯学部予防歯科学、金鎮範主任教授の特別講演(詳細は次頁)と、ロスアンゼルス、オーストラリア、ヨーロッパからの現地報告および日本のフッ化物応用の現状が報告され今後のフッ化物応用の方向性について提言された。世界の4地域の基調報告とも予供の健康だけを考え、フッ化物を応用したむし歯予防が大きい成果をあげ、むし歯はすでに注目するような疾病ではないとの報告があった。日本も早く行政・歯科医師会などが、フッ化物を使ったむし歯予防を積極的に推し進める事が大事であると痛感した。また、後半は、会員を対象とした研修の場として、今日抱えている問題点を踏まえ、今後の活動について、会員相互の意見交換を行い、フッ化物応用のさらなる普及が計られた。最近特にマスコミがフッ化物を使うむし歯予防に対して積極的に取り扱う機会が多くなってきた。ここ数年の間に大きく新しく展開していくような感がする。この機会に私達も大きなアクションをおこし、「むし歯予防」の世界の常識に早く入りたいものである。

特別講演要旨韓国における水道氷フッ化物添加のあゆみ

釜山大学校 歯科大学  主任教授 金 鎮 範

韓国の十1才児におけるDMFTは1970年では0.6であり、1990年では3.0であった。しかしながら98年に釜山近隣の金海において子供の歯科健診をした結果は5.3であった。1998年予防を基本として考える若い歯科医師達によって「健康社会のための歯科医師会」が設立され、この会は水道水フッ化物添加のう蝕予防効果について市民達を説得して保健福祉部に強く建議した。大韓歯料医師協会も保健福祉部に勧告して1994年10月ソウルの隣接地域の果川市で水道水のフッ化物添加が始まった。その後フッ化物添加地城が増え、1999年10月現在25地域約328万人の人々が水道水フッ化物添加の恩恵を受けるようになった。これは韓国の総人口の7.1%にあたる。韓国放府は2001年までに総人口の22.7%、1500万人にフッ化物が添加された水道水を供給することを計画している。

韓国の水道水フッ化物添加はきわめて有効なう蝕予防プログラムであり、日本においても同様である。1番むし歯になりやすい所は奥歯の咬合面と頬舌面の小窩裂溝であり、この場所は歯ブランの毛先がとどかない部位である。むし歯予防で1番よい方法は水道水フッ化物添加であるため、日本においても、もう1度実施されることを祈ってやまない。

’99「秋期ゼミナール」

今年のテーマは“21世紀には…”

フッ素歯磨きキシリトール しようか、よめようか、考え中? in 1999

「北海道子供の歯を守る会」恒例の「秋ゼミ」が10月17日、約100名の参加者で楽しく勉強をしました。

今回はむし歯予防はフッ素か歯磨きかキシリトールかというテーマで行われました。

テレピでお馴染みの形式で進められ、「道民の声」と題して20世紀のむし歯予防を、未成年の主張」と題して20世紀のむし歯予防について各テーブルごとの意見を聞ぎました。むし歯を予防するには全国の学校に歯科衛土士を配置するとか、キムタクにフッ素人り歯磨き剤のコマーシャルに出てもらうなどおもしろい意見がたくさん出ました。また、午後からは今出回っているむし歯予防のパンフレットは今1つ解りにくい所があるため皆の知恵でインパクトの強い、解りやすいパンフレットを作りました。最後にお茶を飲みながら表彰式と反省会を行いました。

来年もよろしく。

最新アメリカ予防歯科事情B

北海道医療大学歯学部小児歯科学講座 丹下貴司講師

4 炭酸ガスレーザーを用いたう蝕予防法について

最後に私がUCSFで行ってきた研究の概要について説明したいと思います。現在、各種のレーザーが歯科領域において広用され始めています、その1つにレーザーを用いたう蝕予防法があります。私がUCSFで研究に用いたレーザーは炭酸ガスレーザーでした。炭酸ガスレーザーの発振方式は連続、バルス、TEAの3種類に分類されます。このレーザーの主な作用は熱作用のため、エナメル質表層に連続波炭酸ガスレーザーを照射するとその温度情報のために内在する歯髄に何らかの障害を与えるといわれています。反面、同じエネルギー量でもバルス波で発振された炭酸ガスレーザーは熱の蓄積は少なくて済む利点を有し、さらにTEA-炭酸ガスレーザーはパルス幅を数百nsから数 にすることができるためにレーザー照射時の熱発生を最小限に留めることができるといわれており、次仕代の炭酸ガスレーザーとして期待されています。この分野においてはfeatherstoneら、McCor-mackらが、パルス波にCO2レーザーを永久歯に用月し、約50%の耐酸性付与効果があることを報告し、その機序としてエナメル質表層の溶解・融解・再結晶化による物理的作用機序やエナメル質中のハイドロキシアパタイト中の炭酸イオンを減少させることによる化学的機序などを挙げています。

さて、私に与えられた研究テーマはう蝕予防の目的でTEA-炭酸ガスレーザーを永久歯、乳歯に照射する際の最適な波長、パルス幅、パルス数、照射エネルギー量について検討することでした。私が行った実験結果では乳歯にTEA-炭酸ガスレーザーを照射した場合、健全永久歯と同程度に酸抵抗性を高めることが可能であり、酸抵抗性改善率は永欠歯よりも高いことが示されました。今後はこのレーザーとフッ素を併用した場合の効果についてさらに検討していく予定です。このレーザー装置はまだ開発段階にあり、まだ市販されていませんが、近い将来フッ化物応用と並んで炭酸ガスレーザーが強力なう蝕予防手段となる日を楽しみにしながら基礎的研究を続けていきたいと考えております。

末筆となりましたが、今回この会報に投稿する機会を与えて下さいました北海道子どもの歯を守る会役員諸先生に心から感謝申し上げます。

口腔保健とフッ化物応用

日本歯科医学会問題検討委員会フッ化物検討部会は平成十年より9回の会議を開催し、「フッ化物応用についての総合的な見解」をまとめた。

日本衛科医学会としてフッ化物応用についての見解をまとめる事はきわめて重要であり、これまでの経緯と現状、さらにその効果、安全性、作用機序に関する科学的な情報を収集、整理したものをこの度まとめ提出した。

答申の主な推奨は次の2点である。

国民の口腔保険向上のためフッ化物の応用を推奨する事

わが国におけるフッ化物の適正摂取量を確定するための研究の推進を奨励すること、である。

この答申により広く国民の健康の保持増進に貢献できる事を期待する。

詳しい資料請求は事務局まで。

第1第臼歯を考える(20)
(4)第1大臼歯のムシ歯予防
別ファイルに特集 

事務局だより
第42回会員研修会
「診寝室における予防管理の実施」
日時 2月26日(土)16:30-
場所 北海道歯科医師会館

第17回定期総会
日時 4月22日(土)15:30-
場所 北海道歯科医師会館(予定)
特別講演 北海道大学教授
谷 宏 先生

北海道子供の歯を守る会 1999.9.30

特別講演

予防こそ最高の医療

神奈川歯科大学 飯塚喜一名誉教授 4.24

平成11年度の総会後の特別講演は今年2月に神奈川歯科大学を定年退職され名誉教授になられた飯塚喜一先年を迎え「21世紀における歯科保健と歯科診療室の役割」という演題で話しをして戴いた。

歯科疾患は生活の基盤に基づいた疾患であるため、条来のような砂糖の摂取制限や歯磨き、また歯科医師を増やすという方法では歯科疾患は減少しないと話された。

第1次予防の概念としては個人レベルでばフッ素配合の歯磨剤、地域レベルでば水道水フッ素化、歯科医院レベルではプラークコントロールやフッ化物の応用、シーラントの使用を積極的に行う必要があると述べた。

う蝕予防の疫学的考え方から見ると確立の高い予防は歯の質の抵抗性を高めることが重要で、そのような意味からフッ素配合の歯磨剤普及を進める事も大切である。

また、大人でも今後増えるであろう根面むし歯にはフッ素の作用でその予防効果が期待されており、生涯を通してのフッ素の利用が必要であるとも話された。

32年の永きにわたる口腔衛生学の教授としての経験からの講演で、説得力のある話しに終始した感があった。その経験を踏まえて、我々医療人としての歯科医師の職務が国民の健康、とりわけ歯の治療のみならず口腔の健康を確保することで、21世紀においてはそれが最優先され、歯を疾病から守る予防を中心にした歯科医療が重要であると述べられた。

そしてその実現のためにはフッ化物を応用してむし歯予防を行うことが不可欠で、地域歯科保健の場だけでなく積極的に診療所内での応用を啓発、普及していくことが必要であろとも述べられた。

最後にまとめとして、「予防こそ量高の医療である」「予防活動こそが住民から尊敬される鍵となる」と話され、そしてその結果歯科医師の将来も予防を積極的に行い住民の歯の健康を維持することで仕事量が増し、これからの歯科医療は決して暗いものではなく希望に満ちたものであるとも話され講演を終えた。

第16回定時総会4月24日

4月24日北海道歯科医師会館において平成11年度、第16回定時総会が開催された。宮本雄一先生の議長で平成十年度会務について報告され、平成10年度決算及び、平成11年度事業計画及び予算について審議され原案通り可決された。

平成11年度会計予算
広報委員会 310,000
企画委員会 330,000
組織委員会 400,000
秋ゼミ実行委員会 300,000
総務費 1,540,000
予備費 512,689
計 3,392,689

第40回会員研修会1999.7.24

7月24日に本年第1回会員研修会が開催され、近年、国内外において急速に関心が高まっているEvidence-Based Medicine(EBM)“根拠に基づく医療”について、室蘭保健所の佐々木健氏から講義をしていただいた。

EBMとは、予防、治療、リハビりなど医療においておらゆる介入を行うに当たり、入手しうる最も確かな科学的根拠をもとに意思決定をし、患者へ適応していこうという手法である。講演では、実際の医療現場では、よく言えば経験に基づき、悪くいうと勘、好み、思いこみなど頼って意思決定する場合が多く、普及している医療技術のうち明確な科学的根拠の裏付けがあるのは20%未満といわれているなどの、EBMの必要性が訴えられてきた背景の説明から話が始まった。

次いで、根拠と言ってもその質が重要要であり、質を吟味・分析していく必要があることから、そのポイントとなる臨床疫学における研究設計(デザイン)と偏り(バイアス)のコントロールの解択方法について、実際の研究論文を紹介しながらの解説があった。途中、昨年、がん集団健診の有効性が仕会的議論になったことにも触れ、地域保健活動にもEBMの発送を取り入れていくことが不可欠であることが強調された。

最後に、う蝕予防法に関する個別の原著論文と専門機関が多数の研究論文を総点検して根拠の質の吟味を行った上でまとめられた信頼できる見解などを参考に、EBMの見地からみた各種予防法の現状評価が述べられた。それによると、

@各種フッ素応用の有効性には、量、質とも十分な根拠がある、

Aブラッシングを中心とした健康教育はう蝕予防への効果に乏しく、口腔衛生改善の効果はある程度期待できるが1時的である、

B砂糖摂取制限は、実行できれば確実にう蝕を抑制できるが、現代の社会生活環境下では実行そのものが困難である、

とまとめられた。

今回の研修により、当会が推進するフッ素応用はEBMの立場からも妥当な政策であることが確認できた。また、歯科界にEBMが定着すれば自ずとフッ素応用に対する正しい認識も普及していくものとの期待を抱かせる内容であった。

表 カナダ定期健康情報検討委員会のう蝕予防のガイドライン

Good evidence(優れた根拠)
●フッ素入り歯磨剤
●上水道フッ素化
●低フッ素地区(0.3ppm以下)でのフッ素錠剤使用
●ハイリスク患者には:フッ素塗布、フッ素洗口
●選択的なシーラント

Poor evidence(根拠に乏しい)
●フッ素人り歯磨剤なしの歯磨、フロス
●フッ素使用なしのPMTC、PTC
●リスク健診のない定期検査、食事指導

最新アメリカ予防歯科事情A

北海道医療大学歯学部小児歯科学講座 丹下貴司講師

3「う蝕予肪」「漂白作用」効果をうたうガムが続々と登場

「歯垢を取り除いて歯を白くする」「プラーク形成を25%減少させる」と宣伝する新型ガムが米国のメーカー各社から販売され始め、一部で注目されているようです。これらの新型ガムは人工甘味料としてソルビトールやキシリトールを使用してプラーク形成能を低め、さらにBaking Soda(Sodium Bicarbonate:重曹)を添加して歯の漂白効果を付与しています。写真に示すアーム&ハマー社の「デンタルケアー ベーキングソーダガム」はこれら新型ガムのはしりで、昨年十月にサンフランシスコで開催された全米歯科医学総会・学会でも参加者にサンプル品がたくさん配られ、積極的に宣伝活動がなされていました。日本でも「トライデント」ガムで有名なワーナーナンバート社もBaking Sodaを添加した新型ガムを「トライデント アドバンテージ」という名称で近く全米で発売予定だそうです。

日本でも知られているように米国では歯並びや歯の白さは個人のビジネスや昇進まで影響するといわれており、歯並びや白さを非常に気にします。このため歯を白くするための家庭用標自剤キットがテレピで宣伝され良く売れているようです。このような背景からこれらの新型ガムは食後に歯を磨く時間はないけど歯は白くしたいと願望する多忙なビジネスマン層を販売ターゲットにしているようです。通常のガムと差別化をはかり消費者にプラーク付着抑制効果と漂白効果をアピールするために、これらの新型ガムは市販薬と同じ様なタプレット型の包装で販売されています。また、価格は通常のガムが1粒5セント程であるのに対し、新型ガムは12-15セントとかなり高めに設定されており、年間売り上げは3億ドル(約360億円)に達すると期持されているようです。アメリカの歯磨剤メーカーの中には、この新型ガムを契機に新市場の開拓を狙っている所もあるとか。ただ、現在のところこれら新型ガムにはADA(American Dental Association)の認可を受けた製品はないようです。

私の個人的意見ですが、これらの新型ガムがメーカー側がいうほど効果があるのか少々疑問です。しょ糖を使っていないのでプラーク形成は当然低く、さらに長時間咬むぽど唾液も出てくるのでう蝕になりにくいガムだとは思いますが、歯を白くする効果はどの程度あるのでしょうか。私も実際に買って食べてみましたが、第1印象はまず値段が高いということでした。次に正直言ってあまりおいしくありませんでした。これらの新型ガムはいずれ日本にも上陸するでしょうが、日本は米国ほどガムを噛む習慣がないので、果たしてヒットするでしょうか?しかし、最近ブームンなったキシリトール人りガムの例もありますので少々楽しみな気がします。

訂正

前号に掲載された文章中に誤った記述がありましたので、訂正いたします。前号で上水道フッ素添加について、日本で歯法律により規制されているため実施不可能と述べました。日本の水道法では水質基準としてフッ素濃度は0.8ppm以下と規定されております。なお平成8年の水道続計資料によれば浄水中のフッ素濃度の全国半均は0.093ppmとなっています。

次号は「炭酸ガスレーザーを用いたう蝕予防法について」を掲載します。

第1第臼歯を考える(19)
(4)第1大臼歯のムシ歯予防
別ファィルに特集

事務局だより
秋ゼミ
21世紀には・・・フッ素歯磨きキシリトール しようか、やめよか、考え中?
日時 10月17日(日)
場所 北海道歯科医師会館
詳細については事務局まで

むし歯予防全国大会
日時 11月14日(日)
場所 東京医科歯科大学
北海道子供の歯を守る会 1999.1.29

第22回むし歯予防全国大会

和歌山県 11.14

平成10年11月14日、第2十2回むし歯予防全国大会が、和歌山県歯科医師会館(和歌山市)において、日本むし歯予防フッ素推進会議、和歌山県歯科医師会、和歌山県学校歯科医会の主催で開催された。テーマは「フッ素とむし歯予防、基礎から地域保健活動の実際まで」で、朝日大学歯学部可児瑞央教授の墓調講演及び行政、歯科医師会、教育、大学関係者6名によるシンポジウムが行われた。

基調講演では「う触予防法は、発生要因から考えて大きく2つに分けられる。@う触に対して抵抗性の強い歯質をつくる、A歯の表面環境を清潔な状態に保つこと、の両者が必要である。しかし、わが国では1920年頃からう蝕予防手段としては、もっぱら食習慣の改善(砂糖の摂取制限)やブラッシングによる歯垢徐去を中心とした予防法が行われてきた。しかし、う蝕は一向に減少せず、これだけでは、う蝕予防効果を上げるには十分ではない。このことは、単に口腔環境を改善するだけでなく、これに加えて、う蝕に罹患する歯そのものに対する対策を立てなければならないということである。う蝕に対する歯質の抵抗性を高めるには、フッ化物による歯質強化を行うこどが必要である。世界の他の先進諸国では、フッ化物応用の普及が進み、う蝕は劇的に減少した。しかし、わが国が依然として、う蝕大国であるということは、フッ化物普及の遅れが原因であり、フッ化物応用の普及の推進が最擾先課題である」

またシンポジウムではフッ化物応用の普及をいかにすすめるかについて、各々の立場からの提言がなされた。

’98北海道子供の歯を守る会 秋期ゼミナール

ついに日本上陸“キシラ”vs迎え撃つ“フッ化チュウ”

〜今世紀最大のむし歯予防対決〜

平成10年11月1日(日) 北海道歯科医師会館 2階大講堂

「北海遣子供の歯を守る会」恒例の「秋ゼミ」が11月1日、約100名の参加者で賑やかに、楽しく勉強をしました。今回は表題にもあるようにフッ素とキシリトールを取り上げ、その両者について、患者及び参加者自身の認識や、正しい情報などデイスカッションをしたり、クイズ形式で知識を深めました。

「間違いだらけのキシリトール」というバトルでは最近よく耳にするキシリトールという代用甘味料が本当に昔にいいのか、そして明日から自信をもって、患者さんに対応できるよう勉強しました。また、フッ素とキシリトールのむし歯予防の効果について、歯科医院通院患者にアンケート調査を行い、その認識度についても検討しました。前回のこの会報でも触れましたが、キシリトールだけが代用甘味料の代表でむし歯予防に特別効果があるような表現のコマーシャルが多く見られ、そのため一般の息者さんにはキシリトールを使えばむし歯予防ができると考えている結果が出ました。(表)フッ素を使用した時のむし歯予防の作用機序とキシリトールの作用機序とは異なるため、年齢や目的にあった使用方法を専門家からアドバイスをうける必要があリます。また、キシリトールは代用甘味料の1つであって、他の甘代用甘味料より特別に優れている訳ではありません。

今回参加された方の中にも正しく情報が伝わっていない方もおり、テレビを始めとするメディアの影響力の大きさを改めて認識しました。毎年の事ですが、参加された方の多くから楽しいうちに勉強になり、従来の聞くだけの講演会とはまた違った研修会で、また参加したいという意見も戴いております。

準備にはそれなりに大変ですが、次回に向けて新しいアイデイアを考慮中です。乞うご期待のほど。

また、試しに参加されたい方、何かおもしろいアイディアのお持ちの方も大歓迎です。

最新アメリカ予防歯科事情

北海道医療大学歯学部小児歯科学講座講師 丹下貴司

北海道子供の歯を守る会の皆様、お変わりありませんか。私は本会の会員で北海道医療大学歯学部小児歯科学講座に在籍します丹下貴司と申します。現在、私は本学小児歯科学講座五十嵐清治教授のご高配によりカリフォルニア大学サンフランシスコ校(UCSF)歯学部に。Visiting Assistant Professorとして留学しています。

昨年の1月29日に厳寒の札幌を慌ただしく出発して以来、早くも約年が過ぎました。

今回はこの会報の紙面通をお借りして私がこの1年間仁見聞きしたアメリカ(とくにカリフオルニア州)のう蝕予肪に関する情報について報告したいと思います。

ロサンゼルス市の上水道フッ素添加開始決定

昨年(1998年)の9月23日、カリフォルニア州で最大の都市ロサンゼルスにおいて上水道フッ素添加が1年後から実施されることが決定されたと発表されました。

写真はその記者会見を報じる新聞です。ロサンゼルスは全米において上水道フッ素添加が行われていなかった最大の都市で、今回の決定によりロサンゼルス市民360万人がフッ素添加による様々な恩恵を掌受する事ができるようになりました。しかし、この決定に至るまでには30年にも亘る様々な許余曲析があったようです。ロサンゼルスの上水道フッ素添加は1966年に初めて市議会において審議されましたが、残念ながら却下されました。

その後1975年に再度市議会に上程され、フッ素添加の可否を問う市民投票が行われましたが、賛成44%、反対58%で可決されました。しかし、その後20年以上に渡り、ロサンゼルス市の公衆衛生担当者、歯科医師会などが協力してフッ素実施に向けての地道な努力を続けた結果、1年前に再度市議会においてフッ素添加の可能性について審議が始まり、ついに本年フッ素添加実施が決定されました。

このニュースを聞いて、私はつくづく羨ましいと感じると同時にとても励まされました。上水道フッ素添加はフッ化物全身応用の1つで、実施コストが安価でかつう蝕予防効果が高いと言われています。しかし現在、日本では法律により規制されているため上水道フッ化物添加は不可能です。しかし今回のニュースに接して、日本では法律があるからといって諦めるのは早計だと思ったのてす。

自由の国、アメリカのロサンゼルスにおいてさえも10年間の活動の結果やっとフッ素添加が認められたのです。ロサンゼルスの例を見ても明らかなように我々も常日頃から関係諸機関・団体と連携して地道な努力を積み重ねることにより いつかは日本でもこのような日を迎えることができるのてはないでしようか。WHOは西暦2000年の目標の1つとして「12歳児のDMFTを3以下にする」としています。しかし、日本の現状はこの目標には程遠いものがあります。そのため北海道子供の歯を守る会の活動を通じて、北海道の子供のう蝕が少しでも少なくなるよう各地域住民や自治体、行政部門に対してフッ化物応用の有効性についてより具体的、楕積極的な活動を地道に進めたいと思うこの頃です。

余談になりますが私が住むサンフフンシスコ市はかなり以前より上水道フッ素添加が実施されています。私の家族を含む多くの市民はフッ素が添加されていることを承知して飲んでいます。また一部にはミネラルウォーターを愛飲し、水道水は飲まないという人もいます。こちらのスーバーマーケットには多種類のミネラルウォーターが売られていますが、水道水と同じ濃度にフッ素を人為的に添加したミネラルウォーターも売られているのには驚きでした。フッ素の有効性を理解し、それを買い求める消費者も多く存在することの証しですね。

抗う蝕ワクチンの開発進行中

CNNが伝えるところによろと、カリフォルニア州に本拠地を置くバイオテクノロジー企業が抗う蝕ワクチンを開発し、イギリスのロンドンにある歯学部付属病院においてその抗う蝕ワクチンの治験がボランティアを対象に進められていると報じていました。このワクチンは酸産生菌のstreptococcus mutansに対する特異的抗体を産生することにより抗う蝕性を発揮すると報告されています。この企業では、抗う触ワクチンを2002年から10年には市場販売したいと考えているようです。ADAの研究部会では本ワクチンの効果について「現在の研究結果から判断すると有望であるが、今後さらに長期間の検討が必書」とコメントしていました。抗う蝕ワクチンについては過去10年近くに渡り、多くの調整研究が進められています。確か日本でもワクチン開発の試みが行われてると思います。しかし、一般にワクチンには高い有効性・安全性が求められ、さらにう蝕の発生には多くの因子が関与することから、現在まで確立したワクチンは存在しません。

今回、報道された対う蝕ワクチンの安全性・有効性が証明された場合には非常に有効な齲蝕予防法になる可能性があります。しかし、私見ですがその実用化には、まだ10年くらいかかるような気もします。他方、もしワクチンが実用化されてもこれを接種したから絶対に齲蝕にならない確証はなく、やはり歯質強化のためのフッ化物応用と目常生活でのプラークコントロールはう蝕予防に不可欠な手段だと思います。『う蝕予防「擦自作用」効果をうたうガムが続々登場』次号褐載いたします。

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